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ナナケトマクロ 小説版  作者: Mattuo
9/11

見回り

今日も今日とて南門の訓練場へと集合だ

毎日出社してしているうちにメンバーの顔を覚えてきた

イカした仲間を紹介するぜ!


まずはリーダーからだ!

マリ=ウォル、武の神を宿す正真正銘の最強だ!

戦ってるところは一回しか見てないけど強かったぞ!

みんなからはあねさんやらマリねえやら呼ばれていて尊敬されてるっぽい!


マリョウ=カヤ、めちゃくちゃアホ!ほんとに役立つのかは知らんがマリ隊に何故かいる!"シキ"ももってるらしい!自称「俺は強いですですです!みんなから頼りにされてるですですです!」って言ってた!


ハンゾ=タフ、カ○ハメ波を撃ってるところを一度見たことがある!凄い威力だったぞ!副リーダーでめちゃくちゃ優しくて紳士って感じだ!坊主だけどね!


サント=ミラロ、この人は話しかけちゃダメだぞ!雰囲気が物語っている!顔面に大きくある傷にスキンヘッド!見た目からしてめちゃくちゃ怖い!俺も挨拶くらいはするけどいつも「おう」ってめちゃ低い声で返事してくれるんだ!最高にちびりそうな瞬間だぜ!


髪なしを2人も続けて紹介してしまったので次は髪の毛がある人を紹介してくぜ!


シシト=アモ、年齢はマリと同じくらいだと思うけどめちゃくちゃドジっ子だ!マリョウの女の子版って感じ!マリョウとは違って見ててもイライラしないしやっぱ異性ってのは大きいね!マリョウの幼なじみらしくマリョウの会話を嫌な顔せずにしてるのはシシトだけだ!めちゃくちゃ優しい!


トロ=モモラ、この人はほんとやばい!マリョウを遥かに凌駕するレベルでやばい!何がやばいっていっつも叫んでるんだ!「愛はどこにある!?」ってね。

どうだ?サイコーにヤバいだろ?

この人は多分愛のありかを探してるんだと思う。知らんけど


アロラモ=トリス、この人は数少ない常識人だ!なにか聞いたら優しく教えてくれるし、なにしろイケメンだ!マリョウよりアロラモさんに質問することの方がすでに多いね!


ララ=ケロト、マリョウの幼なじみらしく唯一会話を成り立たせることのできる最強人物だ!しかし、ララちゃん自体は普通の人なんだ!!こんなことがあり得るのだろうか!僕は未だに信じられないね!


コーマ=トホ、この人はよくわからない!わかることと言えばいつも空を見てるってことだね!しゃべったことはないし目があったことすらない!


ソウト=テツシ、俺の最も尊敬する方だ!マリ隊最年長でこの人が訓練してるところは見たことない!いつも笑顔でやってきて椅子に座って眺めている!隠れニートだ!これで配給がもらえるなんてサイコーだね!


ササ=トシ、この人がいなければこの隊は成り立っていないだろう!コーマさんを呼びに行くのはいつもササさんだしマリョウやトロさんを制御するのもこの人の役目だ!ついでにソウトさんが座る椅子もいつも持ってきている!つまりチームの要ってこと!


そこに俺を含めた13名が…

おっと…同期の紹介を忘れていたぜ

モカ=カヤ

マリョウとメルーが隊に加わってる中、自分だけ家で待っているのが嫌だったらしい!主に雑務を中心にしていくんだとさ!ま、俺もなんの取り柄もないから雑務中心なんだけどね!


以上、13名がマリ班だ!

テッコ班やメタル班についてはあまり詳しくないからいつか紹介するぜ!


ちなみにメルーはテッコ班らしい!もう1人変なやつがいたらササさんも耐えきれないだろうね!


そして今日ははじめての見回りの日!


オレ!

マリョウ!

モカ!

サントさん!


不安しかないね!


-------------------


実際にやることと言えばただの散歩だった。


まあ暇なのでモカと仲直りでもしたいな

後の2人はとりあえず放っておこう。


「なあ、モカ」

「なんですか?」

お、案外前よりは引かれてない気がした。多分

んー話しかけてみたけど何話すか決めてなかったな〜


「マリョウって自称強いっていってたけどほんとに強いのか?」

「兄さんはあんな風に見えて案外凄いらしいですよ。今日も私とマカイさんが一緒に来れてるのは兄さんがいるからだそうです」

「え…足手まとい2人抱えてもお釣りがくるくらい強いんすか…マリョウさん…いつもタメ口ですいやせんでした…」

「まあ、私もメルーもあんな兄さんでも私たちをいつも守ってくれてるから信頼してるんです。メルーも案外お兄ちゃんっ子なんですよ?」

クスクスと笑うモカも完全にそれだ。


今日のリーダーであるマリョウに休憩と言われ各自で休憩中だ

少し離れたとこをみるとマリョウはソプラノ歌手のような美声でよくわからない歌を歌っていた。

サントさんはそれをみて手拍子をしていた。


「へーマリョウも凄いんだな…俺もナニカになりたいな…」

口から漏れた言葉はモカに向けて発した言葉ではなく自分自身へと向けられた言葉だった。

「マカイさんはなにか目標とかありますか?」

「目標か?いまのところ特にないな…まあ、少しはこの町に恩返しをしたいと思ってるけど…」

「それも立派な目標じゃないですか。すごくいいと思います。私も実は目標があるんです。やっぱりそういう目標とかあると頑張れる気がするんです。それを繰り返していったらいつかマカイさんの言う「ナニカ」に近づけるんじゃないですか?兄さんもああ見えていつも努力してましたし」


「努力か…俺にとってはあまり好きじゃない言葉だ…

 しかし、楽して生きていけるなんて甘い考えで生きてるわけじゃない。

 楽をしつつも時には辛く!くらいが俺には合ってると思ってる。

 ところでモカの目標について聞いてもいいか?」

「私の目標は兄さんやメルーに近づくことです。追いつけないのは分かってます。でも…あの2人はあまりにもカッコ良すぎます…ずるいです…」


しばらくの沈黙が続いた。

これはいわゆるコンプレックスってやつだろう。

克服するためにマリ隊に入ったってことか…


立派な目標だ。頑張れとい言うことは簡単だ。

モカは俺に対して立派だと言ってくれた。

それで俺は励まされた。

俺もモカに対してそう言うべきなのだろうか…


しかし俺はそう言うことができなかった。

なぜかは分からない、ただモカの言葉はすごく重く感じた。

仲直りの会話がしたかったのにいつの間にか雰囲気は最悪になっている。


いつしか俺達は二人で空を見ていた。

「夕日だ」

「そうですね」

会話に困ったときはやっぱり空模様だよね


俺達は本来西門付近まで一日かけて見回りをするつもりだったが

半分も進むことなく日が落ちてしまった。


少し離れたところを見るとサントさんが泣いて拍手をしていた。

マリョウのライブがようやく終わったのだろう。

そして今日気づいたことがある。

サントさんは怖い人ではなさそうだ。

今度話しかけて見よう。


「皆さん帰りましょうですですです!!

 お疲れ様ですですです!」

「おう」

「西門まではいかなくていいのか?マリョウ」

「今日は暗くなってしまったのでここまでにするですですです!」


暗くなってしまった理由が途中で駄弁りすぎたからでも許されるんだろうか…

まあ今日のリーダーはマリョウだ。

リーダーがそういうなら帰ろう。

今日も定時退社だ

完全にホワイト企業で安心した。

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