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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

女帝に転生しましてシリーズ

故郷を追われた聖女と女帝の愛

作者: マキシム

「女帝に転生しまして」に登場したアメリア・ヨークの半生です

ごきげんよう、アメリア・アスファードと申します。ちなみに前の名前はアメリア・ヨークです

現在はカルロス&オリビア・アスファード公爵御夫妻の御子息のトーマ・アスファードの正妻になっています。私の両親もインジェント帝国にお仕えし、カルロス&オリビア・アスファード公爵御夫妻の尽力の下で、男爵位を授かり、貴族に返り咲くことができました。現在はアスファード公爵家の分家の【ヨーク子爵家】として出世し、新しい領地の領主となりました

オリビア・アスファード様は私の義母で命の恩人でもあります。オリビア様と出会うまでは色々とありました。私はかつてはイザリナ聖国に仕えるヨーク伯爵家の令嬢であり、当代の聖女であり、クロエ・イザリナ王子の婚約者でもありました

当時の国王陛下は私たちの領地にある鉱山を狙っていました。ヨーク伯爵家が治める領地はイザリナ聖国の中でも有数の鉱山があり、元々、ヨーク家は独立領主として活動していましたが、当時のイザリナ聖国の懐柔策によって帰順することになりました。これが破滅の始まりでした

そして私は神のお告げにより聖女に選ばれた。イザリナ聖国は聖女を信奉する宗教国家であり、イザリナ聖国の建国者は初代聖女で初代国王(女王)だったされており、聖女は神に等しい存在でした

そして国王の命令で、私はクロエ・イザリナ王子の婚約者になりました。いわば政略結婚でしたので、私とクロエ王子との間には愛はありませんでした。私は聖女としてイザリナ聖国の繁栄のために自分自身を押し殺して頑張ってきました。あの日がくるまでは・・・・


【クロエ・イザリナ】

「アメリア・ヨーク!貴様は私の大切なクリスティーン・シェリーに対し数々の嫌がらせを行ったことは明白である。イザリナ聖国王子であるクロエ・イザリナの名において貴様との婚約を破棄を宣言する!」


突然、クロエ王子から婚約破棄を伝えられた。あまりのことに私は唖然として、ただ立ち尽くすことしかできませんでした


【クロエ・イザリナ】

「さらに、聖女と自称し、国民を騙し、貴様の実家は多額の金品を受け取っていたことも明白である」


私は唖然としていましたが、ふと我に返り、反論しました


【アメリア・ヨーク】

「クロエ王子、私はクリスティーン・シェリー様に行った嫌がらせなどしておりません。ましてや会ったこともないのに、どうやって嫌がらせをするのですか?それに私の実家であるヨーク伯爵家は金品等、一度も受け取ったことはありません。聖女に選ばれたのも神のお告げによるものであり、神殿からの公認です。それに婚約は国王様の命によるものです。王子の貴方が勝手に破棄などできません」


【クロエ・イザリナ】

「黙れ、黙れ!この期に及んでの見苦しい限りだ!衛兵、そいつを連れ出せ!」


衛兵は私を捕らえ、牢屋へ放り込まれた


【アメリア・ヨーク】

「きゃっ!」


【イザリナ兵士】

「偽聖女が!俺たちを騙しやがって!そこでおとなしくしてろ!」


私は牢屋に入れられ、衛兵に見張られながら、私は奇跡を信じていました


【アメリア・ヨーク】

「国王様はきっと無実を証明してくれるはず。神も私を見捨てないはず」


しかし現実は残酷なものでした


【イザリナ国王】

「クロエ、さすがに急ぎすぎじゃ。物事には順序がある。大臣の一人が反対して、謹慎処分にしたのだぞ」


【クロエ・イザリナ】

「申し訳ありません。いても立ってもいられなくて」


【イザリナ国王】

「まあいい、アメリアには身分剥奪・国外追放処分とすることにする。ヨーク伯爵家は身分剥奪の上、領地没収・北の塔へ生涯幽閉することにする」


【クロエ・イザリナ】

「ありがとうございます。父上」


【イザリナ国王】

「お前のためではない。本来だったら王籍剥奪されてもおかしくなかったのだぞ。それにヨーク伯爵家の領地の鉱山を手にするのはイザリナ聖国の悲願だからな」


【クロエ・イザリナ】

「はは、申し訳ありません」


【イザリナ国王】

「それで次代の聖女はどうするんだ?」


【クロエ・イザリナ】

「はい、私の思い人のクリスティーン・シェリーが聖女になります」


【イザリナ国王】

「大丈夫なのか」


【クロエ・イザリナ】

「心配無用です。神殿には多額の金品を送って懐柔させます」


【イザリナ国王】

「それならいい」


【クロエの居間】


【クロエ・イザリナ】

「帰ったよ。クリスティーン」


【クリスティーン・シェリー】

「お待ちしておりました。それで首尾の方はいかがですか」


【クロエ・イザリナ】

「ああ、順調に進んでいるよ」


【クリスティーン・シェリー】

「それにしてもクロエ様は、本当に悪い御方、冤罪を作って婚約者を捨てるなんて」


【クロエ・イザリナ】

「ふん、あんなのは父上が勝手に結んだことだ。今回のことで父上も伯爵家の鉱山を手に入れられたから万々歳だ」


【クリスティーン・シェリー】

「それで聖女は私にしてくださるのでしょ」


【クロエ・イザリナ】

「もちろんだ。神殿には多額の金品を送った。聖女さえ立てれば、国民は我らの命令を聞く」


【クリスティーン・シェリー】

「ありがとうございます。愛しておりますわ」


【クロエ・イザリナ】

「私もだ。クリスティーン」


【国境】


ドンと音がして、私は国境の外に突き飛ばされた。外は冷たい小雨が降っていた。私を突き飛ばした兵士たちは嘲笑を隠しもせず、国境門を閉じた。そしてその後は知らんぷり。私の手元には手切れ金と水筒と食糧のみ入った袋のみ。私はただ、歩き続けた、行く当てもない、ただの放浪だった。石に躓いて転んでしまった。私は悔し涙にくれた


【アメリア・ヨーク】

「神よ。なぜ私と家族をお見捨てになられたのですか!答えて!」


私は天に向かって叫んだ。しかし何もかえってこなかった


【アメリア・ヨーク】

「ははは、私の人生は何だったんだろう、お父様、お母様」


イザリナ国王の命令で父も母も北の塔へ幽閉生活を送ることになった。この世はなんて残酷なんだ

私は半ば自暴自棄になっていたのでしょう


【アメリア・ヨーク】

「私が生きている意味がない。ならいっそのこと」


私は崖から飛び降りようと考え、山を登りました。どれくらい歩いたか知りませんが山の頂上に到着しました。この高さなら死ねるだろうと私は覚悟したところ・・・・


【???】

「アメリア、アメリアよ」


どこからか、声が聞こえた


【アメリア・ヨーク】

「誰ですか?私を呼ぶのは」


【神】

「私は神だ」


【アメリア・ヨーク】

「神ですか、今さら何の用ですか?」


【神】

「イザリナ聖国は偽りの聖女を立てた。滅びの時がきたのだ」


【アメリア・ヨーク】

「それが私に何の関係があるというの!私や家族がひどい目に遭っているのに見て見ぬふりをしたくせに!」


【神】

「それについてはすまないことをした。だが、そなたたちをあの国から解放するためには、あえて見て見ぬをしてしまった」


【アメリア・ヨーク】

「今さら、謝罪をしても遅いですよ。現に私は国外追放、両親は幽閉、解放なんてできませんよ」


【神】

「北へ行け」


【アメリア・ヨーク】

「北?」


【神】

「北の方角、インジェント帝国へ向かえ、そなたを救う者がいる」


【アメリア・ヨーク】

「インジェント帝国ですか。まあ、騙されたと思って行きますわ」


私はインジェント帝国へと向かった。半信半疑でしたが、どこかで神を信じる心があったのでしょうね


【神】

「あとは頼んだぞ。転生者よ」


私はインジェント帝国へ向かってどれくらいたったのだろうか、手元にあった金も底をつき、当然、食料もありません。水と道端に生えている草だけで生き延びましたが、限界が来て倒れてしまった


【アメリア・ヨーク】

「ああ、私は結局、死ぬのね」


私は諦めかけていたところ


キキッー、ヒヒーン


後ろから物音がした


【オリビアサイド】


【オリビア・アスファード】

「何かしら?」


【メイル・ラヴィ】

「少々、お待ちください。おい、どうした」


【御者】

「前方に行き倒れの者がおります!」


私は馬車戸を開けて覗くと、そこには確かに行き倒れている人がいた


【メイル・ラヴィ】

「私が確かめてきます。オリビア様は馬車の中でお待ちください」


メイルは確かめに行った後に私に報告した


【メイル・ラヴィ】

「どうやら年端も行かない娘と判明しました!衰弱していますがまだ息があります!」


【オリビア・アスファード】

「とりあえずその娘を皇都へ連れていきます!馬車に乗せなさい!」


【アメリアサイド】


私はその声を最後に意識を失った。次に目覚めるとインジェント帝国にある病院のベッドに寝ていた


【アメリア・ヨーク】

「ここは」


【医者】

「目覚めたかい、ここはインジェント帝国に所属する病院だよ」


私はインジェント帝国に到着したのだ


【アメリア・ヨーク】

「本当ですか。ここはインジェント帝国ですか」


【医者】

「こらこら、今は安静にしていなさい。君は危ない状態だったんだ。幸い、命に別状はないよ」


【アメリア・ヨーク】

「そうですか」


私はお医者様の言う通りに安静にし、私の心も落ち着いたところ・・・


【医者】

「失礼するよ、今いいかい」


【アメリア・ヨーク】

「先生、ごきげんよう!あの、その御方は?」


先生とともに高貴で妖艶な女性が一緒にいた


【医者】

「やあ、この御方はここまで運んでくれたんだよ」


【アメリア・ヨーク】

「そうなのですか!助けていただいてありがとうございます!」


【オリビア・アスファード】

「貴方も元気そうで良かったわ!私はオリビア・アスファードよ」


オリビア・アスファードってインジェント帝国の女帝!


【アメリア・ヨーク】

「オリビアって、もしかして女帝様ですか!大変失礼いたしました!」


【オリビア・アスファード】

「いいわよ。今は体を直すことに専念しなさい!」


オリビア・アスファード様は医者と部下に二人だけで話をしたいと席を外してもらった


【オリビア・アスファード】

「それで貴方の名は?なぜ行き倒れてたの?」


私は正直に素性を話した


【アメリア・ヨーク】

「私はアメリア・ヨークと申します。元はイザリナ聖国のヨーク家の伯爵令嬢で当代の聖女の役目をしておりました」


【オリビア・アスファード】

「イザリナ聖国って確か、代々聖女を信奉する宗教国家よね。その聖女がなぜここにいるの?」


【アメリア・ヨーク】

「私、追放されたのです」


【オリビア・アスファード】

「何ですって?」


私は神様以外のことを全て話した


【オリビア・アスファード】

「それは気の毒に」


【アメリア・ヨーク】

「噂で聞いたのですが、その想い人が聖女に選ばれたとか、しかし神託で選ばれた者以外が聖女になると国は災いが起きると伝承に書いていたのですが・・・」


【オリビア・アスファード】

「時が立てば、その伝承もただの語り草として忘れられたのね」


【アメリア・ヨーク】

「はい・・・」


【オリビア・アスファード】

「でも伝承を残しているということは過去にも同じことが起きたということでしょ、貴方を追放したあの国は今頃、天罰が下っていると思うわよ」


【アメリア・ヨーク】

「天罰ですか?」


【オリビア・アスファード】

「私の勘は当たるのよ」


そこからオリビア様は一息つけ、改めて私に聞いてきた


【オリビア・アスファード】

「それよりも貴方、これからどうするの?」


【アメリア・ヨーク】

「・・・・」


私はインジェント帝国につきましたが、あれは神のお告げによってきただけで、縁もゆかりもない土地でどう生きていくかを考えていなかった


【オリビア・アスファード】

「よければ公爵家の屋敷にこない?客人として丁重にもてなすわよ」


【アメリア・ヨーク】

「よろしいのですか!」


【オリビア・アスファード】

「袖振り合うのも多生の縁よ」


【アメリア・ヨーク】

「ありがとうございます!この御恩は一生、忘れません!」


私はようやく安住の地を手に入れることができた。いや、オリビア・アスファード様に会うことができた


イザリナ聖国は天変地異に見舞われ、インジェント帝国・セルベックス帝国・シュヴァリエ王国が共同でイザリナ聖国に経済制裁を加え、数週間後にイザリナ聖国は降伏したと言います。後に知ったのですが捕虜としてインジェント帝国に来たのは私の元婚約者のクロエ王子と想い人のクリスティーン・シェリーだったようです。そのクリスティーン・シェリーが頭に矢が貫通した状態で城下で晒し首の刑に処せられたらしく私はこっそり見ましたが、身も毛もよだつほどの恐怖を感じました

クロエ王子については人知れず葬られたのだろうと噂があちらこちらに聞こえてきました。噂では東の方角から何やら爆発音が聞こえたらしいです

幽閉されていた両親が解放され、こちらへ向かっているとのことです。会うのが楽しみです!その後、両親と再会した。両親は痩せてしまってはいたが私との再会で元気が出たといいます。

私はというと、カルロス&オリビア公爵御夫妻の御子息のトーマ・アスファード様から熱烈なアプローチを受けました。トーマ様は悪い人ではないので私は両親に相談した結果、お受けすることにしました。私はトーマ・アスファード様の正式な婚約者になり、オリビア様を義母にすることができました。オリビア様からは・・・・


【オリビア・アスファード】

「貴方が娘に来てくれるのは嬉しいわ。うちの馬鹿息子をよろしくね」


オリビア様が私を娘として見てくれた。これほど嬉しいことはありませんでした。その後、私はオリビア様の下で領地経営や皇帝・皇后両陛下と皇太子殿下に拝謁することに成功し、そして・・・


【オリビア・アスファード】

「ミーナの結婚の次は貴方たちの結婚とは落ち着かないわね、アメリア、改めてよろしくね」


【アメリア・ヨーク】

「オリビア様、いやお義母様、末永くよろしくお願いいたします」


【トーマ・アスファード】

「母上、心配要らないよ!僕はアメリアを幸せにするよ」


【オリビア・アスファード】

「ほう、てめぇにできるかどうか試させてもらうぞ!アメリアを泣かせたらエンコ詰めさせてもらうからな!」


【トーマ・アスファード】

「えぇ、実の息子に酷くない!」


騒がしいながらも楽しい結婚生活を送りたいと思います


【オリビア・アスファード】

「異世界転生、最高!!」


【ゴーン・インジェント】

「姉上、異世界転生とは何ですか?」


【オリビア・アスファード】

「てめぇは私に対して水指すようなことしてんじゃねぇ!!」


オリビア様は皇帝陛下に鞭を思い切り浴びせてきた


【ゴーン・インジェント】

「ブヒー!ありがとうございます!」


すでに騒がしく楽しい生活を送ってました!


めでたし、めでたし





















人生何があるか分かりませんね。偽聖女を立てたイザリナ聖国の国王を筆頭に王族たちは全員、死刑になりました。クロエ王子やクリスティーン・シェリーだけではないです

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