イチから始める異世界生活
「どんな病にも効果のあるというミノタウロス秘伝の薬方。これを売れば数代は遊んで暮らせるという薬方。そしてそれを手にしたものは歴史上でも数少ないという代物……」
知らんけど、なんでそんな物がラック50という俺から出るねん!!?(ラック50がどれだけのものかは知らんけど)
……あと、そんな貴重なものを持ち歩くなよお前も!!
あくまでも心の中でツッコミながら、俺は宝箱からその秘薬とやらを取り出した。
「……これがあれば村に伝染する謎の病を治すことができるはず、いや、でもこの薬はトリア様の物ですわ!私からまさか譲って下さいなどど言えるはずも無く!!」
独り言でけぇな!!?
まぁでも俺には不要な物だし、これだけ欲しがっているのなら彼女に渡すことにした。
「えっ!!?いえ、そんな……、頂けませんわ、こんな高価なもの……」
差し出した薬をとんでもないと拒否するソフィーさん。
じゃあ、独り言やめろや!!とは言わず、介抱してくれた恩やかばってくれた恩を伝え、俺はその不要な秘薬とやらをソフィーさんに渡した(実際いらんし)
「トリア様……(きゅん)」
えーー?好感度上がるの早すぎじゃないーー?
鳥亜 喪照、18歳。
俺がこのよく分からない世界で暮らす事になったのはこのソフィーさんとの出会いからなのであった。