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イチから始める異世界生活

鳥亜　喪照、いわゆる普通の男子高校生である。

両親はどこにでもいるような作業員と専業主婦だし、おじいちゃんやおばあちゃんも田舎でくわをふるっていただけのただの農家でしかない。

俺個人としても特別劇的な日常を送ってる訳でも無く、ちょっと部活を頑張っているだけの普通の高校生だった。

「最近練習きつくね？」

部活の帰り道にそう愚痴をこぼしてきたのはクラスメイトで幼馴染でもある小山内。

小山内とはいわゆる腐れ縁の関係で小中高と同じ学校に通い、子供の時から一緒に野球をしてきた仲で、共に喜びも悔しさも分かち合ってきた。親友だといっても差し支えないと思う。

しかし、最近俺はこの小山内の事が嫌いになりかけていた。

俺は子供の頃から野球が好きで好きでたまらなかった。大人になったらプロ野球選手になろうと本気で思っていた。そのための努力は怠らなかったし、またそれを特に努力とも思っていなかった。

しかしその夢を打ち砕いたのは目の前の親友である小山内だった。

小山内と俺は元々野球選手としてそこまで差は開いていなかったのだが、高校３年の今では小山内は天才投手と言われるような選手となっており。連日プロのスカウトや記者などが特に強豪でもないうちの高校に来るほど、小山内の名は広まっている。