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私の同居人(ペット)は狼女です。  作者: 凛之介
第2章
49/107

君が好きでたまらない

 ――私いつも、きみが好きだよ。



「おーい林檎。起きろよ」

 林檎の身体を揺するが、林檎は中々起きない。そればかりか、布団を被ってしまった。

「いや潜るなって。今日は出掛けるんだろう? 早く起きろよ」

「あとごふん……」

「そのセリフ三回目だぞ。いい加減起きろ」

 最初に起こしてからもう二十分は経っている。私は痺れを切らして林檎から布団をはぎ取った。

 流石に起き上がった林檎に着替えるよう促し、リビングへ向かって朝食を支度する。

 ちらにと寝室を確認すると、林檎はきちんと寝間着を畳んでしまっていた。以前はよく脱ぎ散らかしていたので注意したら、最近はちゃんとしまうようになった。偉いな、林檎は。


 私服に着替えてきた可愛い林檎と食卓をはさみ、各々の席に座る。

 白米、目玉焼とベーコン、そして味噌汁。シンプルなメニューだが、林檎が一番好きな献立だ。特に目玉焼き、林檎は半熟が好きなので、いつも火加減には気を使っている。好きな人には美味しい料理を食べてもらいたい一心で、昔こっそり頑張ったのだ。

 林檎は礼儀正しくきちんと合掌してから、朝食を食べ始める。

「いただきます」

「はい、召し上がれ」

 美味しそうに目玉焼きを食べる林檎を見て、私は胸の奥に幸せを感じる。林檎のその笑顔だけで、朝早く起きて朝食を作る価値がある。

 と、林檎がこちらをじっと見つめているのに気が付き、少し恥ずかしくなる。

「な、なんだよ」

 林檎に訊ねると、幸せそうな笑顔で、こう言った。

「ミカンありがとね。私いつも、君が好きだよ」

 唐突なその言葉に、思わず固まってしまう。不意打ちに弱いのを知ってるくせに、林檎は平気でこういうことを言ってくる。もう、なんなんだ。嬉しすぎて、幸せ過ぎて怖い。

 今日は最高に、幸せな朝ご飯だ。


 ◆


「おーい林檎。起きろよ」

 ゆさゆさと身体を揺すられるが、眠気が私を掴んで離さない。窓から指す日差しから逃げるように布団を被る。

「いや潜るなって。今日は出掛けるんだろう? 早く起きろよ」

「あとごふん……」

「そのセリフ三回目だぞ。いい加減起きろ」

 とうとう痺れを切らしたミカンに布団をはぎ取られ、私の楽園は終わってしまった。グッバイ、エデン。

 流石にこれ以上は怒られそうなので、目を擦りながら渋々身体を起こす。上向きにぐいっと身体を伸ばして、大きく欠伸をした。

「ほら、着替えて朝ごはん食べよう」

「はーい」

 寝間着を脱いで私服に手早く着替え、寝間着をきちんとタンスにしまってからリビングへ向かう。脱ぎっぱなしにしていると、ミカンから母親のようなお説教が飛んでくるのだ。


 リビングではミカンが食卓に料理を並べていて、それらは美味しそうな香りと湯気を立ち昇らせていた。

 白米、目玉焼とベーコン、そして味噌汁。シンプルな朝ご飯だけど、ミカンは卵の火加減がとても上手い。だから、目玉焼きはいつもとろっとろの半熟なのだ。私はミカンの作る目玉焼きが大好きだ。

 席に着き、手を合わせて朝ご飯を食べ始める。

「いただきます」

「はい、召し上がれ」

 目玉焼きの黄身に箸を入れ、半熟加減を確認する。うん、今日もとろとろだ。最高。醤油をかけ、口へ運ぶ。 口の中の幸せに感動しながら、正面のミカンを見つめる。

「な、なんだよ」

「ミカンありがとね。私いつも、黄身が好きだよ」

 こんな半熟の目玉焼きを作れるなんて、最高の同居人だ。

 何故か顔を真っ赤にして固まっているミカンを眺めながら、私はベーコンを堪能する。

 今日も最高に、幸せな朝ご飯だ。

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― 新着の感想 ―
これは、何らかの法律に触れているだろう
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