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コーンクリームスープ召し上がれ

作者: 花衣の唄

今日の夕飯は彼氏くんの好きなコーンクリームスープにしようっと。

ちょっとやせ気味で食に極端に何のこだわりも持たない

ユウトがまもなく帰って来る。

私の名前はユカリ。

職業はまだ見習いのお花屋さん。

今日もテーブルには淡いブルーのかすみ草がチラホラと飾ってある。

「なんでユカリはかすみ草が好きなの?」

と前にユウトに聞かれたことがあったっけ。

「…うーん。なんとなく」

なんて言ったけど本当はちゃんと理由がある。

お店の研修でフラワーブーケ(お嫁さんのブーケ)を作らせて

もらった時、かすみ草を使ったら、店長からほめられたから。

配色がいい、っていわれたかな…。

それで、それ以来特別な日には、お店の特別なかすみ草を

わけてもらうことにしている。


特別な日…。

そう、今日は、バレンタインデーなのであります。

私がユウトにコクった日。

ユウトったら、あせってあわてて、なんだかかわいかったな。

それで本日のメニューはユウトがおいしいと言ってくれた

ものだけ作った特別スペシャルメニュー。


チリン チリン…


あ!帰って来た!

「おかえりー!」

「ただいま。」

いつもながら、ボソっとしている。


「へえ、今日はブルーのかすみ草か。めずらしいね」

「うん。今日は特別な日だから」

…なにが特別なの?


…といいながら部屋に入っていくユウトを見ながら、

すっごい並んで買った超高級チョコを胸に、

私はドキドキしながら食卓でユウトを待っていた。

「あ。そう、今日、バレンタインだったような」

「そうだよ!今日はバレンタイン記念日。ハイ!6年目の記念チョコ!

 フンパツしちゃった!」

「おお。サンキュ。」

と言いながら、ユウトもなにやらガサゴソとくしゃくしゃになった包み紙を取り出した。

「え?」

きょとんとしている私を前にユウトはその包み紙を開きはじめた。


「ずいぶん待たせただろ?持ち歩いてるうちに、ちょっとくしゃっとなったけど、

 俺からの気持ち…」


ハイ。


「ハイ!?」

それは、指輪だった。

「え、だって、ユウト最近カネないカネないっていってたじゃん。

 それもしかしてコレのためだったの…?」

「だーかーらー、けっこう心配させてんの知ってたし、

 いつもいらないって言うから…けど、俺がほしかったから…」

「う、うれしいっ!!」

うれしいよーユウトー!

えー!ユウトってやっぱりかっこいい、超かっこいい!


「うわっ!スゲ。今日の夕メシ俺のキライなものが

 ひとつも入ってない。」

「そーだよー。いつもお母さんみたいに”キライなモノでも何でも

 食べないとダメだよ”って言ってるけど、今日は特別に…

チュッ!と口づけされた。

「お説教ならあと、あと、あー腹へったー」


ユウト…。ユウトって不思議。

ユウトといるといつも世界が明るくなる。


カチン!とグラスを合わせて

私たちはいっそう笑顔になった。




初投稿です!

私は基本ハッピーエンドしか書かないので、

安心して読んでいただけましたら…

嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませていただきました。 ユカリとユウトの仲の良さが伝わってきました。 ほのぼのとしていて良かったです。
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