表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

大蓮寺グループの財閥令嬢

 わたくしの名前は、大蓮寺鈴花。大蓮寺グループの財閥令嬢よ。貴方達とは、住む世界が違うところにいるの。わかるかしら?


「あはははっ なにそれー」


 黄色い声を発する猿共。不愉快ったら、ありゃしない。


「……斉藤。あの子達、ちょっと調子に乗りすぎね。『始末』しなさい」


「はい、お嬢様」


 この学園は私のお父様が管理している大蓮寺グループ直轄の学園。ここでは、私が法。私の気に入らない奴は、社会の厳しさを存分に味わわせた後に、処分することにしてるわ。いい気味ね。ざまぁないわ。あははははっ。


 私がほくそ笑んでいると、それに割り込むように声が聞こえて来た。何? と、そちらの方向を向くと……。


「やあ、大蓮寺さん。相変わらずお綺麗ですね」


「あら、専称寺君。おはようございます。ふふ、相変わらず。お世辞が上手なのね」


「お世辞ではありませんよ。本当に美しい。学園の妖精ですね、貴方は」


「どうせなら、『女神』にしておいて欲しいですわね」


「これは失礼。たしかに、その通りですね。貴方は、学園の『女神』ですよ」


「おーっほほほ、そうでしょう。そうでしょう。いいわね、専称寺君。貴方は、わたくしのことをよく理解してくれているわ」


「それはそれは、光栄です」


「今度の週末に、パーティーを開くのだけど、貴方も参加しないかしら? 私のエスコートをお願いして上げてもいいわよ」


「有り難く、引き受けさせて頂きます」


「結構。週末、楽しみにしていますよ。おーっほほほ」


 今の彼は、私のことをよく理解してくれている専称寺行人せんしょうじゆきひと。私のお気に入りの男の一人ね。まあ、十人ほど似たようなのを、キープしているのだけど。皆、私の事より大蓮寺グループの権力と資産が目当てなのは、わかっているわ。それはそれで構わないのだけど。理由はどうであれ、私の『おもちゃ』になってくれるのであれば、ね。ほほほほ。


 ふふふ、週末が楽しみだわ。パーティーの後はどうしようかしら。そういえば、まだ彼は『調教』していなかったわね。そろそろ頃合いかしら……うふ、うふふふふ。


 おっと、行けないわ。よだれが出そうになってしまったわ。はしたない。大蓮寺グループの看板を背負う者として、恥ずかしくない姿をしなくてはなりません。こほん。


 あぁ、早く週末にならないかしら。


 この時の私は知らなかったのです。まさか、あんなことになってしまうなんて。


 そう、その週末こそ。私にとっての『終末』となってしまうことを。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ