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キンモクセイ endD そのまま


私は抵抗せずにアンドルの握手を受け入れた。


「そうそう、キンモクセイさんが知りたがっている情報が手に入ったんだ」


アンドルが私に耳打ちした。


「なにそれ?」

「知りたいなら今から宇宙船で行かない?」


私は二つ返事でついていくことにした。


「キンモクセイが知りたいってなにを?」

「彼が兄を探していることのは知ってる?」


キンモクセイに兄がいるのは聞いた気がする。


「兄がいるとは言ってたけど行方不明なの?」

「うん、ああ別にボクが生き別れの兄ですパターンはないからね」


――似てないからさすがに違うと思いたい。


「実は彼の二番目の兄とつい最近知り合ったんだ」

「だったらなんでキンモクセイじゃなく私なの?」


アンドルはクスりと笑った。


「キンモクセイくんを連れていくと彼の場所を軍にリークされてしまうからね」

「ヤバイ職業なの?」


アンドルはコクっとうなずいた。


「簡単に言うと悪魔を使役している教団」

「え……リアル側の宇宙とファンタジーの悪魔ってあんまりピンとこない」



「また来たのか」

「やあダンデリオさん、弟くんの彼女候補連れてきたよ」


金髪でフワフワの天使みたいな印象のある男性、隣には死んだ目をした同い年くらいの女の子。


「あの、始めまして!」

「ああ」

「……」


死んだ目だけどめっちゃ見ている。恐らくダンデリオさんの彼女に違いない。


「ダンデリオ、やっぱり明るい子のほうがいいの?」

「いや、そんなことは……」


なに、この雰囲気。別に羨ましくないんだからね!

……なんて思わずキンモクセイのスタンドがついた。


「弟さんがお兄さんを探しているんです」

「一番上は異次元にいるが、少なくともアイツは俺の居場所くらいは知っている筈だ」


じゃあキンモクセイが二番目のお兄さんに会わないだけ?


「そうだったんですか……」

「確認したことだし帰ろうか」


アンドルが手を引いて宇宙船に私をのせる。


「華、あいつら何しに来たんだろうな」

「どうでもいい……でも私と似てた」

「似てないだろう」

「タイプじゃなくて」



「帰ったらキンモクセイに話さなきゃ!」

「ダメだよ」


アンドルがにこやかに私を止める。


「なんで?」


アンドルは私の目を塞いで囁いた。


「これから行くのは彼の待つ戦艦じゃないからね」


目が覚めると私は暗い地下にいた。


「ずっと探してたんだ。ボクの姫」


アンドルはいつもと変わらず普通なのに怖い。


「嫌だよ!ここから出して……誰か!」

「助けはこないよ」


髪を結っていたゴムが自然に切れてはらりと落ちた。



【想い違い】

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