マルト endE 避ける
〔避ける〕
「あんまり近づかないようにするね」
ヨウヅキに忠告された通り、マルトとすれ違っても軽く通りすぎる。
「ねえ、俺を避けてる?」
「……実は」
嘘をつけないので理由を説明した。
「なにそれ、考えすぎ」
やはりヨウヅキの考えは飛躍していた。
「ごめんね、次からは普通にするから」
「うん」
食堂へ行くとマルトにスパイ疑惑があったという話をされた。
〔疑う〕
火のないところに煙りは立たないっていうし、疑惑がかかるって事は何か証拠があるんじゃないかな?
「疑いは晴れたならいいじゃん」
キンモクセイがくだらないと突っぱねる。
――偉い人が問題ないって言ってるんだから、きっと大丈夫だよね。
ヨウヅキとマルトが喧嘩しているので止めないとだ。
〔ヨウヅキ〕
「喧嘩はやめてヨウヅキ!」
「セイ様はマルトの肩を持つのですか!?」
悲しそうな顔で腕を捕まれる。
「彼女を離せよ」
マルトが私を抱き寄せた。
「あ、ありがとう」
「大体セイは喧嘩を止めようとしてるだけで、俺は関係ないと思う」
マルトが目を血走らせたヨウヅキに言う。
「ヨウヅキなら止めてくれるって思ったからじゃないの?」
キンモクセイがフォローし、ヨウヅキは落ち着きを取り戻した。
そのあと、ペアで任務があるとハレビレス艦長に言われて一緒に組む相手を選ぶことになった。
〔ヨウヅキ〕
「ヨウヅキ、一緒に行かない?」
さっきの件もあり、彼を怒らせたくない。
「では何を頼みますか?」
〔シュガーラスク〕
「あー美味しい」
何もなく任務が終わる。ヨウヅキは報告へ向かった。
「ヨウヅキとのデートはどうだった?」
「マルト、キンモクセイ!」
「砂糖ついてるよ」
マルトに口の端を舐められてしまった。
「あばばば……!?」
【砂糖より甘い?】




