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ドラゴンが花嫁!  作者: 伊野 大地
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ミリィの初任務

カエン本部で、私はトウヤ以外とも話をした。

でも元々、人(?)見知りするせいで、あまり話せなかった。


そこまで考えた時、トウヤってどうして、あんなに皆と話が出来るんだろうって…不思議だった。


私と初めて出会った時も、トウヤってなれなれしかった。

だから、皆が意識してしまうってことを、トウヤが全然気付かないのが悪いのよ。


何だか、同じ女の子として、棗が可哀想で…トウヤに対して…こう…イライラと…。


「ミリィさん?

何でお前まで、俺を睨みながら近付いてくるんだ?」


「え~っと。

何だか、貴方にイライラしちゃって……」


「待て待て!待って!

何か変じゃないかな?

どうしてイライラするのかな~?

ミリィさん?

さっきまで何も話して無かったでしょ?

それどころか、何か映画見て笑ってたじゃないか!

訳が分からな――ヘブウウ!」


「アハハ!

殴ったら気分すっきりした~!」

ある時まで、トウヤの朝は爽やかな目覚めで始まっていた。


任務が無い時は、隊員達は本部で待機となる。

待機している間は、資材の確認や、任務中の隊員との連絡など色々な雑務をこなしていくのだが、交代制だったり、最近は隊員が増えてたことで、仕事の量が減ったりと、比較的自由な時間が作りやすくなっていた。

だからこそ、朝もゆっくり寝ていられたし、1日休みという日も増えたので、トウヤにとっては快適な時間だったのだが……。


もう、お約束と言って良いだろう。


「トウヤ! 食堂に行くわよ!」


朝から元気なミリィがトウヤを揺り起こす。

トウヤは、基本寝起きはいい方なのだが、休日となると昼まで寝てしまう上に、寝起きも悪い。しかし、ミリィが昼まで寝る訳もなく。自分が起きたら、当然のようにトウヤを起こす。そこでトウヤが起きなければ……。


「起きなさ~~~い!」


ミリィの鉄拳が炸裂し、トウヤの悲鳴が朝から響くのだった。


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


カエン本部で、ミリィがトウヤと一緒に行動するようになって、早くも1週間経った。



朝、トウヤがミリィより遅くまで寝ていて、中々起きないと鉄拳が……。

先に起きて、仕事に行こうとすると鉄拳が……。

逆に起こしてやると「寝顔を見るな」と言って、やっぱり鉄拳が……。



爽やかな朝は、ミリィが来てからと言うもの、トウヤには一度も訪れていない。


「何だい?

また朝から夫婦喧嘩かい?

懲りないねぇ」


タエばあちゃんが、料理を持って来て、当然のようにミリィの隣に座った。

今日は目玉焼きに、ウインナー、サラダにスープと朝食が並んでいる。


「新婚は、色々と大変なんだよ」


ニコニコ顔で朝食を食べているミリィを、疲れた顔で見つめながらトウヤがぼやく。

タエばあちゃんは、笑うだけで、それ以上は何も言わずに、他の隊員の朝食を作りに厨房へ戻って行った。


しかし、本当にこの1週間は大変だった。


まず、問題だったのが部屋だ。

夫婦となっていたため、当然部屋は一緒。

しかもベッドは一つ。と言うことは、あの可愛い顔+夜も一緒=理性が持たない……。


何度、理性が飛んでミリィに殴られたことか……。


それでも懲りずに、一緒に寝ているのだが、隣に可愛い「嫁さん」が寝ているのに、触れないし……襲え……スキンシップが取れない。

正に蛇の生殺しだ。


次に、風呂の問題。

正直に言おう。

いつもツインテールにしている髪はストレートになり、湯上がりのいい香りがする。

しかも、バスタオルだけ体に巻いて出てくるものだから、ミリィの大きな胸が否応なしに強調される。

もともと巨乳好きなトウヤにとって、その破壊力は並大抵ではない。


勿論、命がけだ。

でも「嫁さん」なんだから……良いよな?

そう考えて行動したが……、その日が命日になると思ったくらい殴られた。


そんなこんなで、この1週間。

トウヤは、悶々とした夜を過ごしていた。


正直、睡眠不足で倒れてしまいそうで「これなら、任務を受けた方がマシだ」と何度もぼやき。最近では、心から任務が始まることを祈るトウヤだった。


そしてこの日。

トウヤの祈りが通じたのか、ついに任務がきた。

きたのだが……。


「クシャナ国に行くのか?」


呆けた顔でルナに尋ねるトウヤ。

ミリィはその隣で頭に?を浮かべている。


クシャナ国は、ホムラとは大陸の反対側の海岸に位置する大国であり、シルメリアとは大きな山岳を挟んでいるため、シルメリアからの攻撃も少ない。

その為、最近ではカラナタからの難民が多くクシャナ国に流れている。


「今回の任務は、クシャナ国に潜伏しているカラナタ難民が組織したレジスタンスのリーダー。『クレス・アストラ』と接触し、カエン本部との連携協力を依頼することです」


ルナは、無表情で端的に話した。


「エ~ッと……つまり、一緒に戦えってお願いしに行くってことよね?」


ミリィが、任務の内容を物凄く簡単にまとめる。

いつものルナなら、こういった質問に対して笑顔で「まるで子供みたいな解釈ですわね」などと毒舌を発揮するのだが、今回は何も言わなかった。


そんなルナを見て、トウヤはルナを心配した。

ルナは、カラナタからの難民としてホムラに来た。

ルナも、シルメリアに復讐したいと心の中で思っているかもしれない。

少なからず、そういった復讐心があったからこそ、ルナはカエン本部へと入隊したのではないか。

トウヤには、そう思えてならなかった。


「大丈夫か?

何か、表情が堅いけど……」


トウヤなりの気づかいもあって、ルナに尋ねたが、ルナはトウヤの問いに微かに微笑んで「資料です」とだけ話して、トウヤに資料を手渡した。

ルナから資料を受け取ったトウヤは、資料に目を通して直ぐに表情が硬くなった。


今回の任務のメンバーが、ミリィ・棗・シェインそして、ルナがメンバーだったのだ。


「えっ何で?」


これにはトウヤも驚いた。何故なら、ルナは事務処理が専門だ。

それなのに、何故ルナがメンバーに入っているのだろうか?

疑問をぶつけようと、ルナを見ると、さっきまでと同じ微笑みを浮かべたルナが、トウヤをジッと見ていた。


「ルナ……これは……」


ルナはトウヤの問いに首を振って遮り「メンバーを集めて下さいね。集めたら、備品室に来て下さい。待っております」と言うと、その場から立ち去って行った。

トウヤが首をひねりながらルナの後ろ姿を見ていると、横で資料を見ていたミリィが声をあげる。


「私の初任務よ!

トウヤをちゃんと助けてあげるから、安心しなさい!」


いきなりのミリィの元気な声に、多少驚いたが、今はミリィの元気な姿に少し気持ちがほっとした。


「そうだな。期待してるよミリィ」


そう言いながら、トウヤは少し不安だった。

確かに、ミリィは強い。

何せドラゴンだ。強いことに間違いはない。

だが、一つだけ心配していることがある。

強すぎるのだ。もし、ミリィが怒り出したら誰も止められない。


何やら……嫌な予感がする。


さっきのルナの態度も加わり、トウヤは、この任務について嫌な予感が沸々とわいてきていた。


「取りあえず、メンバーに声をかけて、準備しようか?

長旅になりそうだからな!」


今から不安になっても仕方がない。

トウヤは気持ちを切り替え、棗とシェインを探しに行った。

そしてミリィは、何故かスキップしながら、トウヤの後に付いて行くのだった。


「クシャナ国に行くのか!

一度は行ってみたかった国だが、転送魔法が使えるのか?」


シェインが、汗をタオルで拭きながらトウヤに尋ねる。

シェインは、さっきまでトレーニングルームで運動していたらしく、汗だくだった。


「もう、暑苦しいなぁ。シェイン~!

先にシャワー浴びてきなよ~!」


シェインの隣にいた棗が、嫌そうな顔でシェインから離れる。


「棗。そんなに邪険にするなよ。シェインが心配するのも良く分かる。クシャナ国とは、ほとんど交流がないしな。転送魔法が使えなかったら、近くまで転送して、そこからは歩きで移動しないといけないから……キツイよな」


正直、トウヤにとってもサバイバル生活は嫌だ。その上、ミリィが一緒に付いて来ると言うことは、今の生活と同じように、朝は殴られる危険も有るわけで……憂うつな要素は一向に減らない。


トウヤ達3人がため息を吐く中で、ミリィだけは元気だ。

初めての任務で、浮かれているらしい。

ニコニコ顔で、トウヤの腕を掴んでブンブン振っている。


棗は、そんなミリィが(トウヤに甘えているように見えるからだろう)気に入らないようで、ジトーッと刺すような視線をミリィに向けている。


さて、ここでもう一つ問題が出てきた。


棗がミリィに対して、何かしらの敵対意識を持っているようだ。

ミリィも、何かを感付いているのか、棗とミリィの視線が絡むと、まるで火花が散る様な強い視線のぶつかり合いが起こる。

ミリィは人見知りするようで、この1週間一緒に行動する中で、ミリィがトウヤとタエばあちゃん以外の隊員と話しているのを見た事がない。

だからこそ、棗とミリィは視線で威嚇しあっているのだろうが……。

トウヤはミリィがいつ暴れるか気がきではない。


どうにも、何かと問題が起こりそうなメンバーになったな。

そんなことを思いつつ、トウヤが意味有りげな視線をシェインに向けると、シェインも諦めろとジェスチャーで返してきた。


「ここで立ち話も何だからさ、備品室にルナが待ってる。行こう」


トウヤはミリィの腕を掴み返し、4人は備品室に向かった。


「………」


トウヤには分からなかったが、ミリィはトウヤが腕を掴んだことで、トウヤの腕をジッと見て頬を赤く染めている。

棗は、そんなミリィを見て、更にブスーッと不機嫌な顔をして、ミリィの背中を睨んだ。

シェインだけが、何だか孤独な気持ちで3人から少し離れてついて行く。


「何でトウヤは、あんなにモテるんだ?」


シェインの呟いたその声は、誰の耳にも届くことはないのだった。



-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


さて、場所は変わり……。


備品室に着くと、ルナだけでは無く、バルゴ隊長も待っていた。


「わざわざ見送りですか?」


トウヤが皮肉めいた口調で尋ねる。

実際には、今から各自で準備して、出発は明日の早朝になる。

トウヤは知っているにも関わらず、あえて尋ねたのだから、相当な嫌味を言っているのだ。

もっとも、トウヤが嫌味を言うのも分かる。ミリィがカエン本部で入隊テストを受けたのは、バルゴ隊長の推薦があったからだ。


ミリィには言わないが、トウヤは余りミリィを戦場に連れて行きたくないのだ。

ミリィは、こっちの世界へと無理矢理、召喚されただけで、この世界の戦争には関係無いのだから……。


棗だって同じだ。

まだ15才の少女を、戦場に連れて行くなんてことは、トウヤもしたくない。


もっとも、ドラゴンであるミリィは、戦いを好むのかも知れない。

実際に、今も楽しそうだ。


棗は、両親の仇を伐ちたいという復讐心からだろう。

任務に行く事も少ないが、行く時にも嫌な顔をしたことがない。


「随分な皮肉を言うのだな?

今回の任務は、それだけ重要な任務だということが分からないのかね?」


皮肉に皮肉を返され、トウヤは目を剣呑に光らせる。

しかし、バルゴの言う通り、この任務は重要なのだろう。実際に、トウヤとシェインは何度も危険な任務をこなしてきた。何度か死ぬと思ったこともあったし、死にかけたこともある。

その二人が揃うのだから、危険かつ重要な任務に違いない。

しかも、今回は5人で行動する。

レジスタンスとの連携と言うこの任務が、どれだけ重要なのかは推して知るべしと言ったところだろう。


「皆さん。今回の任務には、私が同行いたします。どうぞ、よろしくお願いします」


ルナの丁寧な挨拶に、違和感を感じながらも、トウヤは「ヨロシク」と返して、バルゴ隊長に尋ねる。


「バルゴ隊長。もう良いでしょう?

ルナが同行する理由を教えて下さい。彼女は……、ルナは『クレス・アストラ』の身内ですか?」


「恋人でした」


トウヤの問いに、間髪入れずにルナが答える。


「カラナタから、難民としてホムラに来る前まで、私達はお互いを大切にしていました。ですが、カラナタで私達の両親は殺され、クレスは……ホムラに着くと同時に、私を残してクシャナ国に向かいました。両親の……仇を取るために。

私は、カエン本部で働きながら、今まで彼の情報を探っていたのです」


「そして、今回の任務がきたと言うことか」


シェインが、ため息混じりにルナの会話を引き継いだ。


「何だか……暗い話だね~。ルナ~、今回の任務で、恋人に逢えるんだね!

頑張ろうね~!」


相変わらず間延びした声で、棗がルナに抱き着きながら励ましている。

ルナは微笑んで、棗に「ありがとう」とお礼を言うと、トウヤを見つめた。

トウヤは、どう言葉をかけて良いか分からず。頭をガシガシと掻きむしると、同意すると意味を込めて頷く。ミリィも、トウヤの後ろで頷いている。


「ヨシッ! そうと決まれば、準備しようか! 明日の早朝には出発するぞ!」


トウヤの掛け声に、全員が頷いた。

と、不意に、トウヤの服の袖をミリィが掴んで引っ張る。

トウヤは、視線で尋ねると、ミリィは困った顔でトウヤに言った。


「使えるアイテムとか、武器はどんな種類があるとか、分からないから……トウヤ、教えなさいよ」


トウヤは、それから時間をかけて装備品について説明していく。


「ヘェ~。こんなカードで鳥がでてきたり、瞬間移動したり出来るんだね。

良くできてるわねぇ」


ミリィは、関心しながらカードを手にとった。


「カードは、幾つか種類があって、一定の条件が揃うと発動するんだ。

例えば、この赤色のカードに魔力を流し込むだろ?

魔力がある量まで溜まったら、鳥が出てくるから、後は鳥に自分の伝えたいことを思念で伝えると、鳥が思念を運んでくれるってわけさ」


トウヤの説明にしきりに頷くミリィ。そしてミリィは、ある物に目を向けた。トウヤが愛用している魔銃だ。


「見ても、お前は使えないぞ。それは、魔力を流し込んで撃ち出すんだけど、お前は魔力が強すぎるから、使うならこっちだな」


トウヤが持ってきたのは、全長1mはある大きな銃だ。銃口も、トウヤの使う魔銃の3倍くらい大きい。


「これは、上位の魔術師が3人がかりで魔力を注入しないと撃てないんだけど、お前はコレくらいが丁度良いだろうからな」


案の定、ミリィが手にとって、魔力を流し込むと、直ぐにグリップに埋め込まれた宝石が輝いた。

ミリィは、トウヤの方を見て物騒な笑顔を顔に張り付ける。


「気に入ってくれて何よりだよ」


トウヤは苦笑いを浮かべながら、ミリィにカード数枚と、剣を更に手渡した。


「カードについては、おいおい説明する。後は、その剣だけど……その剣は魔力を注入することで、さらに硬くなるんだ。お前なら、どんな攻撃も弾くだろうし、どんなものでも切れると思うよ」


トウヤの言葉に、ミリィは物騒な笑顔を更に強くした。

ミリィの物騒な笑顔を横目に、トウヤは自分の装備をチェックし始める。

魔力を使う武器、魔銃×2丁・カード×80枚・ナイフ×2本。

火薬を使う武器、ダイナマイト×10本)・拳銃×2丁。

自分の装備のチェックが終わると、トウヤはミリィの武器をチェックした。


「仲が良いね~。やっぱり夫婦は違うんだね~」


棗が背後から茶化してくるが、トウヤは気にせずにミリィの武器を入念にチェックする。

チェックし終えると、ミリィに「後で武器の調子を確かめる」とだけ伝えて、棗の方を向いて言った。


「ほれ、お前の武器も見せる!」


棗は、トウヤの突然の行動にオドオドしながらも、自分の武器をトウヤに渡した。


棗が使うのは、魔力付与した小型のナイフである。

投げることに適していて、種類によって効果が分かれていて、爆発するもの・凍らせるもの・自分の意思で自在に操れるもの等多岐にわたる。

棗は、そういったナイフを全部で16本持っていて、状況によって使い分けている。


「ちゃんと手入れしてるか?

何か……錆てるナイフとかあるから、交換しておけよ」


錆ついたナイフを外して、トウヤは棗にナイフを返す。すると棗は、本当に嬉しそうな顔でナイフを受け取ると、いきなりトウヤに抱きついた。


「ありがと~! トウヤ~!」


こうなると棗は、中々離れない。

その事は、トウヤも良く分かっていたので、諦めてされるがままだ。


「まったく……いつまでたっても抱き付くクセは治らないんだな」


トウヤの呆れ声も効果が無く、棗は力をさらに込めて抱き付く。

と、ここでトウヤは気付いた。それは、この場では全く似つかわしくない感想だが、棗の胸が最近また大きくなってきているのではないかと言うことだ。

どうにも、腹筋にあたる胸の感触が、心地よいと言うか、弾力性アップと言うか……。そんな感想を思っていると、当然顔がだらしなくなるわけで……。


「ト・ウ・ヤ。ちょっと、おいで」


トウヤの後頭部に、あの1m魔銃の銃口を当てて、もの凄くドスの効いた声を出すミリィ。

トウヤは泣きそうな顔で、精一杯首を振っていたが、問答無用とばかりにミリィが棗を引き剥がし、トウヤを備品室から連れ出していった。


「棗ちゃん。あんまりトウヤを虐めたら可哀想ですよ。あの様子だと、明日までに復活するか分かりませんし……あんな馬鹿な人でも、トウヤは使えるんですからね」


何気に、酷い言われようだ。


「でも……あたし~、だって……トウヤが……」


棗は、赤い顔でごにょごにょと何か言っている。

そんな棗を、ルナは優しい笑顔で抱きしめた。

棗にとっては、トウヤは兄であり……そして……。


誰もが経験して、大人になっていくことだ。

ルナにとって、初々しい棗の態度は、在りし日の自分を思い出させてくれるものであり、ルナ自身を元気付けてくれるものであった。


「やっぱり孤独だ」


すでに誰とも話せそうにない雰囲気の中で、シェインは遠くから聞こえるトウヤの悲鳴を聞くともなしに聞きながら、ポツリと呟いていた。

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