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それが運命(さだめ)と彼女は言った  作者: 神無月 夜空
第一章 神を超えし者と神を超えんとする者
2/32

Prologue

 主人公チートものって憧れですよね。そんな軽いノリで書いてみました。あくまで軽いノリですので、やや設定が甘いところとかあると思いますが、そんな時は感想とかで報告してください。

 辺りは一面火の海だった。

 目の前には横たわった両親。その体は既に物言わぬ体となっていた。それは死体というにはあまりにも惨たらしいものである。体は切り刻まれ、いたる所を何かしらの凶器で貫かれ、(おびただ)しい量の血液が流れ、およそ無事な部分がないような、今では人体であるかどうか良く分からないほどの姿を見てさえ、少年は何も言わなかった。否、言うことができなかった。

 なぜなら、両親の体の向こう側にこの状況を作り出した張本人がいたからである。

 これは年端(としは)もいかない、たかだか5、6歳の子供に耐えられるものではない。しかしその少年は両親を見るでもなく怯えるでもない、すべての元凶である男を睨みつけていた。

 しかし、同時に少年は理解していた。自分の力ではどうすることもできないと。故に彼に出来ることは(にら)みつけることと口を開くことであった。

「どうしてこんなことを・・・」

 すると驚くべきことに男は律儀(りちぎ)にも答えた。

「理由なら簡単だ。俺がそうしたかったから。それ以外なんてのは全く持って論外だ。何事の理由だって自分がそうしたいから以外に何があるというんだ。それに理由なんて求める方が間違っているのさ。何だっていつも問題はシンプルだ。それをわざわざ小難しく考えるなんてナンセンス。自分がしたい、あるいはしなくちゃいけないの他の行動理由なんて(すべか)らくこじつけなのさ」

男は意外にも饒舌(じょうぜつ)に語った。

「復讐してやる」

 男は一瞬ポカンとした顔をした。しかし次の瞬間には口笛を吹き、人を食ったような笑みを浮かべる。

「そいつぁいいぜ。だが今は駄目だ。そうだな、お前の親を超えてみろ。そしたらいつでも相手してやるよ。そん時は喰らってやる。いつでも待ってるぜ」

 男は壮絶な笑みを浮かべ、立ち去って行った。

 少年はそれを見ながらもすぐには動けなかった。

 そして─────────












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