【5-5】追跡者の影
駄菓子屋を後にした大山の足取りは重かった。 セダンのシートに沈み込み、大きく息を吐き出す。
(幽霊? 銀髪の女? ……オカルトだ。だが、崎先輩が嘘をつく理由がない)
DNA、核融合炉、錬金術、そして銀髪の幽霊。
あまりにも非現実的なキーワードの羅列。
だが、それらは一つの事実を指し示している。
「磐座」という血筋そのものが、この世界の理から外れた存在なのではないか。
(嫌な予感がしやがる。……護の娘、人類の進化、権藤の死、そして公安……。これは、俺の手には負えんかもしれん)
大山は震える手でタバコに火をつけ、覚悟を決めた。
携帯端末を取り出し、登録されている「非公式」な連絡先を呼び出す。
大山はセダンのエンジンをかけ、警察署とは逆方向、毒島の潜伏先へと車を走らせた。
その時だった。
大山の車の遥か後方。路地裏の闇に溶け込んでいた一台の黒いバイクが、音もなくヘッドライトを点灯させた。
ライダーは黒いヘルメットに黒いライダースーツ。その姿はまるで影そのものだ。
バイクはエンジン音を極限まで絞り、一定の距離を保ちながら、滑るように大山の追跡を開始した。
百戦錬磨の大山でさえ、その「死神」の気配には気づくことができなかった。
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