表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/156

第八十八話 やり過ぎた

「っ......!な、なんで、なぜ死なない!」

ティンパニを奏でている中、イーデムの顔には焦燥が溢れだしていた


年端もいかない少年のような、だが同時に妖しさを漂わせている、夢や幻でも出会えぬようなそんな奇妙な存在と対峙し、イーデムは心から苦しんでいた


焦り、怒り、ティンパニのテンポは、気付かぬ内に上がっていく



「お前は、楽な相手で良かったよ」

割れた空気の穴を避け、グローリアはイーデムへと近づいていく


ティンパニを、感情が荒れマグヌムのオーケストラなど耳に入らず内に、激しく打ち続けた

だが、そのような雑な攻撃がグローリアに届くはずもなく、その一切を避け続ける


そして、間合いにたどり着いた時、グローリアはイーデムの首に剣を当てた



「っ......!」

死ぬ、それが目の前に迫っている

しかし、イーデムには恐怖が無かった... いや、正確には押さえつけられていた



幻想の世界そのものに感情を抑え込まれ、まるでそれが当たり前かのように、抵抗する気力もなく、その首を、差し出した


自分がいなくても問題ない、マグヌムさまなら夢を叶えてくださると信じて



「...... 少し、やり過ぎたな、イーデム」


総奏だと、そのために許されていた自由が、管弦楽の音楽と共に響いたマグヌムの声と共に、再び支配の奏者へと引き込まれた



その瞬間、イーデムはティンパニに向けてマレットを振り下ろした


グローリアですら反応する隙もなく、その音はグローリアの体内に向けて動き始める



「...... そうか、自由だな」


察知したグローリアは、すぐさま後ろへと下がり難を逃れ、イーデムに対してそう呟く


果たして、誰に対してそう言ったのかは分からない

だが、グローリアの目先にいる標的は、新たな男へと変更されていた



マグヌムという、全身が砕けながらも指揮を続ける、狂気の男へと...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ