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第八十四話 抵抗

「─クラルス…だったな

私は、お前のおかげで…お前のせいで、記憶を取り戻した

忌々しくも、私の存在と、その目的を、思い出してしまった

…だから、私はお前を殺さなければならない」



先ほどとは、いや、今までに見たことがない雰囲気を、キャピオは放っていた

恐ろしくも、どこか輝いているような、自己と自信に満ちたような、そんな気配も感じた


そして、残酷な言葉のその奥には、温かみのある謝恩も籠っていた



「…わかりました、でも…自分は抵抗します」

「……そうだな、分かっている……お前は、ここまで来たのだから」


キャピオは、素手を構える

自分は、唯一の武器となる、後ろのハープに手を掛ける


メミニが見守る中、勝負は一瞬にして決着した



足を踏み出し、たったの二歩で距離を詰めてきたキャピオ

自分がハープを取り出した頃には、キャピオの殺意の籠った拳が、自分の腹へと迫っていた


奏でるのが先か、貫くのが先か、



…だが、自分はもう一つの選択肢を取った


折れて半分よりも短くなった木刀、捨てるわけにもいかず、先ほどは腰に戻していた


そして、それを持ち上げ、キャピオの拳を受ける


マグヌムとは違い、その攻撃は、木刀に当たるだけでかなり威力を抑えることが出来る

だが、もはや木刀はバラバラで、原型を保っている部分もないほどだった


衝撃は伝わった

だが、マグヌムほどではない

これならば耐えられる


キャピオの、もう片方の腕は動きそうにない

かなりの全力を出しながら、先ほどと合わせてかなり体の負担があるだろう

限界を迎え、動けないのかもしれない


だが、自分は、もうすでに決めた

……抵抗すると


…後ろのハープを、胸の前に構えた


慣れた手付きで、弦に手を乗せる


そして、弦を一本、弾いた

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