表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/156

第七十七話 義弟との約束

「義兄さん、作戦です

あの中で一番厄介なのは、緑のマグヌムという男です」


マグヌムの体は、腕があらぬ方向へ曲がり、足も真っ直ぐではなくなっている

それに加え、顔や体からは、無理矢理動かした代償とも見てとれる破れた血管や、擦りむいた肌から血がダラダラと垂れている

恐らくすでに筋繊維もボロボロだろう


一体何が彼をそこまで駆り立てているのか、一切の理解が出来ないが、それ以上に頭を巡るのは、クラルスとの一つの約束であった


─「マグヌムという、緑色の髪をした青年がいます

そいつだけは、なんとしても殺さずに、自分に預けてください」

普段以上に真剣な表情をした義弟が、三人の義兄の前でそう言った


「……それは…どうしてだい?」

クラウィール義兄さんがそう尋ねるも、クラルスははっきりとした答えを出さず、ただただ必死で懇願してくる

「それは……まだはっきりは言えません

でも、あの人を救うためには自分がなんとかしないとダメなんです

……お願いします」


そんな、一切の迷いがない真っ直ぐな瞳

弟のそんな表情を見て、断る兄がいるはずもないだろう

グローリア義兄さんを除く、俺とクラウィール義兄さんはすぐに了承した


グローリア義兄さんは少しの間考えながらも、最終的には了承した


今考えても、クラルスはマグヌムになにをしようとしているのかは分からない

だが、義弟の約束だ

それだけは果たさなければならない


「俺が、後ろから回り込んでマグヌムの動きを止めます

だから、義兄さん達は三人を足止めしつつ、マグヌムに隙を作って欲しいんです」

そうは言ったが、無茶な頼みだ

だが、クラルスも劇場へ向かった今、出来るだけ早くこの三人を止めなければならない


「…分かったよ、義弟(おとうと)の頼みなら応えないとね」

「あぁ、やってみよう」


「…ありがとうございます」

二人は幻想局の様子を伺い、一人はマグヌムを注視する

六人の間に静かな緊張が走るが、それは瞬きの間に破られた


スペクラートが、持っていた指揮棒を胸の前に掲げた


「…っ!まずい!」

嫌な予感を感じとり、すぐさまグローリアがスペクラートに向かって駆け出す


だが、すでに"それ"は始まっていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ