第七十四話 救う手段
メミニと共に通路を歩き、幻楽器を探す
だが、やはり何も見つからず、舞台裏で見つけたのは、練習で使用した普通の楽器の数々だった
幻楽器の可能性も考えて、周囲に気をつけて音を奏でたが、特になにも起きる兆候がなかったので、やはり普通の楽器であることは間違いないだろう
他にも、通路に併設された扉を開けて中を確認したり、吊るされたカーテンなどの裏も探してみたが、目ぼしいものは見つからず、楽器の痕跡一つ無かった
結局、劇場のほとんどを見尽くしたが、それらしい物は何も見つからなかった
やはり、どこか別の場所に隠していたりするのだろうか
だが、そうなれば救う手段もなくなり、もはや物理的に殺害しなければあの男は止まらないだろう
世界を終わらせる管弦楽は阻止できたとはいえ、マグヌムを救うための手立てが見つからない
救わなければ、また同じような事が繰り返されるだけだ
一体、どうすれば…
「クラルス、ゲンキ、ナイ、ゲンキ、ダス」
顔が曇った自分を見て、メミニは励ましてくれているのだろう
やはり、メミニは優しいな
…そうだ、またメミニに頼ってしまうことになるが、メミニであればもしかしたら、幻楽器の金管楽器を見たことがあったりしないだろうか
それを使えば、もしかしたらマグヌムの精神を一つに出来るかもしれない
いや、もうそれしかない
これほど隅々まで探して見つからなければ、もうすでにここにはないのだろう
そうなると、奏でられるのは、メミニしかいない
「……メミニ、お願いがあるんだけど」




