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第四十八話 秘密把握

「クラルス、ミツケル」

カタコトでこの喋り方

間違いない、メミニだ


スペクラートの目を盗み、メミニの方へと向かった

メミニは他の幻想種と同じような顔をしていたが、自分が目の前に立つなり、カミラと自分を足したような見た目に変化した


「メミニ、久しぶりだね」

「ヒサシブリ、ゲンキ、?」

メミニはカタコトながらも、一生懸命自分に意味を伝えようとしてくる


言葉だけでなく体も動かしているのだが、マグヌムを見ているせいか、ときどき謎の行動を取ることもあった

息を大きく吸い込んだり、やけに誇張された感情表現だったりだ


だが、メミニがやると可愛げが残るため、マグヌムを見ているよりもかなり楽だった


すると、

「マグヌム、チガウ、フタツ、タマシイ、ヒトツ」

「…え?」

いきなり謎の単語を羅列したメミニに困惑した


そういえば、前回出会った時もマグヌムがどうこうと言っていた気がする


「なにか、マグヌムについて知ってるの?」

そう聞くと、メミニは首を大きく縦に動かし、自分の質問を完全に肯定しているように見えた


「クラルス、ミル」

メミニは自分にそう伝えると、色を変え、形を変え、マグヌムとの差異が一切ないほど精巧に、マグヌムの姿へと体を作り替えた


 

「あ……あぁ……!」

「はぁ…そろそろ諦めたらどうだい?」

「ふざけ……るな…っ!」


突然、感情が爆発するような声が響き、顔や動きまで全てが今実際にこの場に存在する本物のように見えた

一瞬なにをしているのか分からなかったが、すぐに理解した

これは、メミニが見た光景なのだと


メミニの力は姿形を変化させる力だ

記憶力もいいので、実際に見た光景をそのまま再現するなど簡単に出来てしまうだろう

それを利用し、自分にマグヌムの秘密を見せてくれたのだ


数分間に渡り、メミニによるマグヌムの秘密の再現が続いた


だが、その光景を見ても怒りや悲しみは一切沸いてこなかった

なぜなら、それを上回るほどのとてつもなく大きな感情が動いたからだ


そうだ、哀れみだ


彼は、自分ではない自分と、大きな戦いをしている

辛く、苦しく、寂しい戦い

だが、今だに諦めた様子はない

誰かが、手を差しのべることが出来たなら

彼はきっと救われる

 

詳しいことは一切理解していない

だが、これだけは把握した



マグヌム、彼もまた、自分が救うべき一人なのだと



狂気に染まった今の人格ではない、正しい人格

それを取り戻すためにも、『最高で最後の管弦楽』

これを、ぶち壊す


 

「…ありがとう、見せてくれて」

メミニに礼を言うと、元の見た目に戻り、安堵の表情を見せた

メミニのおかげだ

本当に、助けなければいけない相手を知れたのは



人格の削除も殺人と同じだ

罪は重いぞ

狂気に染まった、マグヌム・バッハル

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