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第四十四話 コンサートホール

月が天高く昇るころ、自分は前回の位置につく


そして、鐘の音が頭に響く


─不思議な空を見つめていると、イーデムから声をかけられた

「こちらへどうぞ」


案内されるがままイーデムの後ろを歩いていると、ついたのは劇場だった

そう、初めて来た時に見た、あの巨大なコンサートホール

そこに入り、中に広がる光景に目を奪われた


広大な空間には多数の椅子が並んでおり、正面には大きな舞台が広がっていた

舞台の上には様々な楽器が規則的に並んでおり、前から弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器が、中央の台座を取り囲むようにしている


合計70ほどの楽器が舞台に設置され、そのほとんどには人のように見える存在が隣に立っていた

恐らく、メミニと同じ幻想種だ


いままでに見たことがない光景が広がり、開いた口が塞がらなかったのだが、そんな自分にマグヌムが話しかけてきた


「やぁ、久しぶり」

まるで友人かのように軽々しく話しかけてくる


嫌悪を露にしたとしても、マグヌムは一切気にしない

「…今日は何をすればいいんですか」

「そんなに嫌がらないでよ

それに、今日の仕事は君が嫌いな系統じゃないから」


犯罪ではない、とでも言いたいのか?

最終的に世界を破壊させるための計画の一ページではあるのならば、それは犯罪なんて生易しいものではなく、完全なる悪そのものだ


嫌いどころか、世界単位の殺人で吐きそうになる


マグヌムを強く睨み付けるが、本人は一切意に介さず、さっさと説明を続けた

「今回は演奏に参加してもらおうと思ってね

なぁに、君なら簡単にこなすだろう」

そう言うと、自分はマグヌムによって舞台に連れていかれた


確かにハープは感覚で出来たが、こんな本格的な演奏など、練習もしていない七歳に出来るはずもないだろう?

いったい何を考えているのだ


だが否定しても仕方がないので、案内された通りに着いていく

そこは、誰もいない穴が空いたような席で、その席には他と同じようなヴァイオリンが置いてあった

「これは幻楽器じゃないから、安心して弾いてくれればいいさ」

 

そのヴァイオリンは自分のサイズに合うように小型になっており、構えてみるとかなりしっくりくる


「さぁ、始めるよ!」

いつの間にかマグヌムが、正面の台座に指揮棒を構えて立っていた

そして、周りの幻想種達も一斉に楽器を構えている


突然のことに困惑していると、隣から声が聞こえてきた

「ご安心ください、初回は聞いてもらうだけで結構です」

キャピオの声が聞こえ振り向くと、キャピオもヴァイオリンを構えている

よく見渡すと、他の二人も楽器を構えているのが見えた



そうして、マグヌムが指揮棒を動かすと同時に、演奏が始まった

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