第四十一話 衣服
「次は…服でも見に行く?」
「そうですね、行きましょう!」
屋台から離れた後に向かったのは、他の領地や国で製作された衣服の店だ
自分達が着ている服は、装飾が多くついた派手な服が多く、逆に領民たちは麻で出来た薄い衣服を着ている
羊毛や絹などの動物性の素材を元にした衣服が少ないのだが、それは単に羊がこの近辺に生息していなかったり、そもそも加工が出来る者がいないためだ
そのため、動物性の衣服は珍しく、高価だが実用的で何よりおしゃれなのだ
オーウィ義姉さまの話を思い出し、気がつく頃にはもう店の前だった
「へぇー、魔術の服なんてものもあるんだぁ」
義兄さまは棚から一つの服を持ち上げ、その内容に驚嘆している
自分もその説明を読んでみると、かなりすごいらしいことが分かった
どうやらこの服は、服自体に法陣を埋め込んでいるらしく、法陣に込められた風魔法を発動することで、周囲の温度を操作することが可能なようだ
温度を上げることも出来るそうなので、魔力が流せる者であればかなり重宝するだろう
他にも、光を生み出す法陣を利用した腕輪などもあり、眺めるだけでもかなり面白い物があった
その中でも自分が特に惹かれたのは、電気が流れるマフラーだ
どうやらこのマフラーは、電気を生み出す法陣が埋め込まれているらしく、マッサージや微弱な光を放つことが出来るらしい
しかも、魔力の消費がかなり少なく、自分のような魔力の使用に慣れていない者でも簡単に使用出来るらしいのだ
だが正直にいうと、魅力を感じたのは魔力の消費が少ないという一点のみなので、買う気はない
いつの間にか義兄さまが消えていることに気がつき、周囲を見渡すと義兄さまは、魔力とは関係のない普通の女性ものの衣服を眺めていた
だが、だれも違和感は持っていないようで、一切気にすることなく衣服を見ている
やはりルシオラ義兄さまは義姉さまなのではないか?
魔術の服はほとんど見たので、今度は子供用の衣服を見ていたのだが、
おしゃれというよりも、かわいらしい衣服が多く、特に惹かれた服は無かった
義兄さまは男性向けと女性向けの服をそれぞれ一着ずつ購入しており、全く違う二つの服に店員も困惑を隠せないでいる
一方義兄さまはかなり高揚しており、後から話を聞くと、ずっと求めていたが、在庫が無かったりで今まで買えなかった物だったらしい




