表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/156

第三十九話 隣街

魔法が終わり、次の訓練となった

そしてそれは、ウィルスール義兄さまが食欲を無くすのも納得の内容だった


まず、全員が落とした皿の合計(1300枚以上)の距離を走り、帰ってきたら筋トレを、それを合計5セットだ

貴族の訓練とは思えないほどに肉体的で苦しい訓練で、森の悪路を走り、木々の隙間を潜り抜け、それが終わると筋トレという、下手なスポーツマンのようだった


ずっと書庫に引きこもっていた弊害で、体力が持たない、それに体の大きさも小さくて、義兄弟に付いていくだけでも倒れそうになった


終わる頃にはもう夜で、疲労で食事どころではなかった

それよりも椅子に座って休める喜びで、身体中が歓喜の声をあげている


アウロラによると、明日は肉体的な訓練ではなく座学が基本になるらしく、体を休めると同時に知力も育むという




─アウロラが来て一週間が経った

相変わらず、礼儀作法、トレーニング、座学を繰り返し、もう義兄弟全員がヘトヘトになっていた

礼儀作法はまだいいとして、トレーニングは本当に苦しい

身体中が悲鳴をあげながらも、走って、呼吸をして、鍛える、その繰り返しだ、もはや何らかの選手を目指しているのかと勘違いしそうになる

座学に関しては基礎の繰り返しで、文字の読み書きや数算、地理なども勉強している

意外にも魔法の訓練はあまり行わず、一週間で二回しかやらなかった


今日も痛みが蝕む体を動かし、玄関ホールへ向かった

やっと半分が過ぎたという気持ちと、まだ半分残っているという気持ちが拮抗して、考えるだけで辛くなってくる


だが、今日そこで待っていたのはいつもと毛色が違う道具と、いつも通りのアウロラだった


「今日は───街に出るね。せっかくだから皆、───羽を伸ばして───楽しんできて。」

一瞬、義兄弟全員が呆然としたが、すぐに歓喜の声で埋め尽くされた


普段から外に出ることを禁止されている訳ではないのだが、普段の訓練や食事の規則などであまり遠くまでは行けない


自分も平原に行くときは、よく使用人から叱られていた

前に叱られなかったのは、遅くなりすぎたので叱られる暇も無かったのだ

そのため義兄弟はもちろん、自分も普段は全く行かない街に降りるのは楽しみだった


アウロラは道具…というより街で活動するにあたって必要な物を一式揃えてくれていたらしい

とはいえ、ほとんどが通貨や手拭き用の布だった


そうして皆の用意が揃った後、アウロラは二台の馬車を連れてきた


自分と三人の義兄、そして一人の使用人が乗り込み、アウロラが前で手綱を持つ

もう一つの馬車には、三人の義姉と専属執事のパテルを含む二人の使用人、手綱はアウロラが風魔法で操作するようだ

そうして気分を高めながら馬車は動き始めた


これから向かう街とは、ナルヴィー領ではなく、隣のノーット領だ


ノーット領のノーット侯爵は明主で有名で、自分の義父であるナルヴィー子爵に、領地と貴族としての位を与えてくださった方らしい

まさに自分達からすると恩人のような存在なのだが、さすが明主というだけあって街もかなりの発展を遂げている


木こりや畑仕事ばかりなどのナルヴィー領とはちがい、海を利用した水産業や物流を生かした運搬業も盛んだという

ストルゲの中でも、かなり発展している領の一つなのだ


そんなノーット領では、海の向こうからやってくる珍しい物が売られる事も多く、市場を歩いているだけで、掘り出し物や工芸品などが見つかるのでかなり楽しい街らしいのだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ