第二十八話 二週間
ルシオラ義兄さまとの他愛のない話を続けていると、いつの間にか空が橙色に染まっていた
ふと、マーテル義姉さまとアルブの様子を見ると、二人一緒に仲良く眠っているようだ
「どうする?起こす?」
「起こしましょう」
自分はアルブを、ルシオラ義兄さまはマーテル義姉さまを、それぞれ起こす
「…んぇ?あるぶ?」
すぐに二人は目を覚まし、改めて走りだそうとした
だが、さすがにだめだと、義兄さまと一緒に二人を静止させる
義姉さまは駄々をこねたものの、なんとか説得することで義姉さまは屋敷に戻っていった
最後にアルブにご飯をあげて、二人の向かった食堂に向かう
相変わらず一緒に夕食を食べたのだが、今日の夕食はいつもと違った
子爵の席と、クラウィール義兄さまの席、その二つが空いていたからだ
ミセル子爵の所からまだ戻っていないのだろうか?向こうで一晩過ごすのならば言ってくれればよかったのに
「失礼します」
食事中、食堂の扉から使用人が一人入ってきた
なにかあったのだろうか?
「ナルヴィー子爵から伝言を預かっておりますので、お食事中失礼なのは自負しておりますが、皆様お揃いのようですので、ここでお伝えいたします」
「『本日より二週間、ミセル子爵の屋敷に滞在するため、知り合いである家庭教師をこの屋敷に呼び、訓練を任せる』とのことでした
それでは、失礼します」
そう言うと、使用人はすぐに部屋から出ていった
「…母上はご存知だったのですか?」
オーウィ義姉さまが、義母さまにそう質問した
だが、義母さまは首を縦に振り、そのまますぐに食事に戻る
「母上も相変わらずだな」
隣に座るウィルスール義兄さまが、自分に耳打ちをしてくる
確かに、義母さまは昔からこういう所がある
優しい人物ではあるのだが、義父さまの話になるとめっきり話さなくなってしまうのだ
それにしても、屋敷に来る講師とはどのような人物なのだろう
「義兄さま、家庭教師ってどんな人か知ってますか?」
今度は自分から隣のウィルスール義兄さまに話しかける
「あぁ、あの人な………」
はっきりしない答えだ
いつもの明るい義兄さまからは考えられない
それに、いつもは大量に食べているウィルスール義兄さまも、家庭教師の話を聞いてから一気に食事のペースが落ちている
これは、明日から少し面倒なことになりそうだ
とはいえ、明日はカミラと予定がある
家庭教師と関わるのは明後日からだ
そして就寝し、次の朝を迎える




