第百十四話 憂鬱な空気
マグヌムが客人となり、それからまた数日が経った
自分や義兄弟達は、相変わらず家事の手伝いをこなしており、客人として過ごすのを申し訳なくなったマグヌムも、マーテル義姉さまとアルブの遊び相手として、一日を過ごすようになっていた
その内、義父さまもある程度は調子を取り戻したらしく、部屋にいながら貯まった仕事を少しづつ処理しているようだった
─だが、未だにクラウィール義兄さまが起きる様子はなく、毎日グローリア義兄さまが様子を見ているらしいが、何の変化も無いようだった
マグヌムですら原因は不明で、医者に見て貰っても一切の異常は無いときた
そのうち、ナルヴィー家にいる人だけでなく、領民ですら、今はその噂で持ちきりになっていた
グローリア義兄さまは、なんとか普段のへらへらとした表情を保っていたが、心のどこかで心配しているのだというのが伝わってくる
オーウィ義姉さまとラクリマ義姉さまは、普段は二人で楽しそうにしているが、最近は家事をしていても、ため息を吐いている場面が多くなっていた
ルシオラ義兄さまとウィルスール義兄さまも、ただでさえ遅い家事の手伝いが、憂鬱な表情を見せながら、更に速度が落ちていた
マーテル義姉さまとアルブでさえ、いつもの楽しそうな表情の中に、少しの寂しさが混ざり混んでいた
そんな、いつもと同じようで違う、憂鬱な空気が流れているナルヴィー家
自分も例外ではなく、家事の途中で手が止まってしまうことも、頻繁に起きてしまっていた
……同時にため息も漏らして
─それから更に数日が経ち、幻想から現実に戻ってきてから計十日が経過した頃
深い悲しみと後悔で、苦しみ続けた精神が
失った腕を修復をしていた精神が
やっとの思いで回復し、
閉じた瞼から涙を溢れさせながら、
今、やっと、その目を開いた




