表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【800文字】ショートショート 9.メディア・ブラックアウト

作者: 松下一成

 自己都合の世界に行きたい。入り浸りたい。自分だけに都合よい世界を作りたい。そう考えた俺は毎日、毎日、毎日。俺に寄せられるコメントを自分の都合の良い物だけを選別してより分けていくことになる。


「これはアンチ、はい、これは荒らし、これは誹謗中傷」


 どんどん。どんどんと来るコメントに対して俺は飽きることなく飽きることなく、俺はブロックしていく。言論統制は気持ちいい。まるでこの世界の支配者になったかのような気分に浸れる。


 一通り気に食わないコメントを除去した後、俺はその気持ちの良い湯船につかることにした。誰も余計な事をしない世界で、ただ自分のやりたいことだけをやって、言いたいことだけを言う。


 そして積み上がるは金の山。イヤー楽しいね。こういう世界。全く持って愉快だよ。どうしてみんなここに来ないのかな?きっと馬鹿だからここにたどり着く前に無理だって思うんだろうね。


 そんなある日の事。いつものようにその湯船につかっていたのだけれど、どうも自分でもしっくりこない。いつもの調子が出ない。自分の都合の良いように世界を取り払ったつもりなのに、どうしてか何か知らないけど


「自分で気が付く。自分が面白いことが出来ていないことに」


するとそこに一つのコメントが届く。


「いつも見てます!いつも面白いですね!」


 そのコメント見た時、俺は有る言葉を漏らしていた


「こいつもアンチだな」


そう言うと俺はそのコメントをブロックした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ