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ランダムに選ばれたのはテイマーでした  作者: レクセル
ダンジョンを進め

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第二十六層

リュクスは宿から転移する前に、リプレに確認があり受付に来ていた。


「おはようございます。ちょっと確認があってきました。」


「良いわよ。何かしらー?」


「リプレさんは21層からの魔物の情報って必要ですか?」


「なるほど、そういう話ねー。気持ちは嬉しいけど、覚えてるのも大変だし、私としては素材さえあればどんな魔物かだったかはあんまり関係ないのよねー。」


「なるほど、素材を使うならそういうものなんですね。」


「あとは20層を超えられる人なら、泊まり込みで50層まで突破しちゃうのよー。帰還石も転移石も安いものではないからねー。」


「たしかに空間術がなければ気軽に行き来はできないですよね。」


「そうなのよ!だからあなたには期待してるわー!」


「わかりました。じゃあ早速行ってきます。」


話を終えたリュクスはダンジョンにと転移で到着するが、眩暈が起きたのでベードに乗りながら目を休めつつ、リュクスは21層にと足を進める。

資料の通りのうっそうとした森で、下手に大きく避けると木にぶつかってしまいそうなほど。

まっすぐ北進めば次階層の階段があるだろうが、方向感覚が狂いそうな森。迷ってしまったら空間の壁を頼るしかないだろう。

階段よりも後ろにも空間が続いているように見えるのだが、奥に行こうとすると壁がある。まるで鏡部屋のようなのだ。

進んでいくと一匹の蟻を発見する。どうやら歩き回ってるようだ。大きさはリュクスの膝下くらいあり、だいたい前に戦った酸蟻とおなじくらいだとリュクスは識別する。


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対象:マウンテンアント

山に住む個々で行動している蟻

突起した能力はなく、敵に近寄って噛みつくのみである

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識別結果から漂う悲しさを感じつつも、リュクスは試しにウォータアローを一発お見舞いする。

貫かれた水矢に驚き、蟻がリュクスに振り向く。さすがに一発じゃ倒れなかったようだが、明らかに先ほどまでより動きがゆったりしている。ならばとリュクスはもう一発ウォータアローで貫き、2発目の水矢によって倒れて即座に消滅してしまった。


「ドロップは甲殻か。まぁこれも何かに使えるだろうし、見かけたのは狩っていこうか。」


「バウ!」「コ!」


まばらにいるせいもあり、ベードが蟻を目視すると、駆け抜ける片方の前足を大きめに振り下ろし、飛ぶ斬撃のような影が3つ放たれて蟻を倒していく。

影爪の技は威力も申し分ないようだ。これだけの速さを保ちながらよくやるものだとリュクスはベードを軽く撫でたが、フレウは出番なしでちょっと残念そうであった。

甲殻も22層を越えて311個も集まった。つまり森の中をそれだけの数倒したことになる。22層終わりで遅めの昼飯を食べたリュクスは23層に入り、5匹でまとまってるバッタを発見して識別する。


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対象:マウンテンローカスト

山に住む飛蝗

発達した後ろ足による蹴りは跳躍力だけでなく攻撃性も高い

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体格は先ほどの蟻と同じ大きさだが、足の高さも合わせるとリュクスの膝くらいまである。体色は緑色ではなく茶色がかった薄い灰色である。


跳躍による瞬発力を警戒して、リュクスは迎撃準備をしつつ、ベードに先制攻撃を指示する。ベードの影爪が素早く両前足から2発放たれて一匹に命中した。

命中した飛蝗は倒れて消滅したが、他の4匹の動きは素早く、攻撃後すぐに飛びのいて散開。そして四方からベードに向かって飛びかかって来た。


「フレイムストーム!」


囲まれても大丈夫なよう、リュクスが準備していた技はフレイムストームである。4匹のバッタは炎の渦に巻き込まれて消失したようだ。

動きは速くとも、耐久力はないのか、はたまた虫だから炎に弱いのかとリュクスは考えつつ、あたりに残党がいないかを見渡す。

飛蝗が散った後に方向転換するために蹴った木にヒビが入ってるのを見つけたが、そのヒビが治っていってるのだ。

木を持ち帰れたらいい素材になるのではとリュクスはひらめいたが、誰かしらは考えそうなこと思い直す。持って帰れない事情があるのではと識別する。


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対象:ダンジョンツリー

ダンジョン内でしか生きることのできないが、とても生命力の強い木

枝葉もダンジョン外に出ると即座に消滅し、ダンジョン内で製作物にしたとしても消滅する

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どう使ってもダンジョン内でしか存在できないもののようだ。使えばダンジョン内でだけ使う武器にはできるかもしれないが、リュクスは木工技術があるわけでもない。木のことは忘れ、バッタたちのドロップを確認しはじめる。

残念ながらマウンテンローカストの足というよくわからない素材だけだ。目をそらしたが、食料素材のところに虫系のが売ってたようなことを一瞬思いだしてしまい、忘れようとすぐにポーチにしまい込んだ。

蟻と同じように倒しつつ進むかと気楽に考えていたリュクスだが、突っ込んでくるときにフレイムストームを使えればすぐに片づけられたが、周囲を飛び回り続ける飛蝗がいたのだ。

それがリュクスには厄介で、いつ飛び込んでくるかわからず、フレイムストーム準備状態では両手を構えてしまって他の術法を使えない。

仕方なく構えをといたリュクスは、速さに適応するために左手を前に出して、飛蝗をよく狙う。


「フレイム、アロー!」


一匹は貫けたが、もう二匹には外れ、キキキチと声を荒げて別々にリュクスに飛んでくる。


「バゥ!」「コッ!」


右前方の飛蝗はベードが影爪で、左側から来たバッタにはフレウがフレイムボールで対応する。倒れるときはあっけなかったが、これはめんどくさいとリュクスは顔をゆがめた。

何度か飛蝗の群と戦い、飛蝗の数が2,3匹の時に、周囲を飛び回り始めるとリュクスが気づいたが、もう23層の階段前であった。すでに時刻は光十の刻。さっさと夕食を済ませ、ダンジョン内で就寝した。

翌日の24層も飛蝗狩りに時間がかかったリュクスだが、なんとか昼前には突破。こういう面倒な相手にも慣れるために倒して進んだわけだが、最終的には結構いいペースで倒せてたとリュクスは満足した。


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対象:マウンテンイヤーウィグ

山に住む鋏虫

発達した鋏のような顎で挟める木ならば砕き折ることができる

肉食の為にほかの生物をちゅうちょなく襲う

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リュクスは25層にと進み、ハサミムシ3匹に遭遇し識別する。さきほどの虫たちと同じほどの大きさだが、目が行くのは顎である。

肉食との識別結果に、まさか共食いなのかと首を傾げたリュクスだったが、今はそんなことは関係ないと気合を入れる。

3本のフレイムアローをつがえて、3匹にそれぞれ放つ。炎の矢で貫いたにもかかわらず、少し怯んだ程度ですぐさまリュクス達に振り向く。

火に弱いというわけではないのかとリュクスが驚いたが、すかさずフレウはつがえていた3本の風の矢を放つ。

2匹には命中したが、一匹にはそれてしまったが、残った一匹はベードが影爪で仕留める。風矢の当たった2匹も消滅。ハサミムシは風が弱点なのだろうか、炎が当たった時よりも苦しげであった。

リュクスは確認のために、次のハサミムシにフレウの風矢で先制攻撃してもらう。相変わらず3匹中命中したのは2匹だが、フレイムアローを当てた時より明らかに苦しんでいる。

フレイムアロー3本とベードの影爪で追撃し3匹とも消滅。袋には合計12本のマウンテンイヤーウィグの顎が入っていた。リュクスは使うつもりはなかったが、武器として有用そうだと思いつつ、ポーチに再びしまい込んだ。

ハサミムシ相手は遠距離からリュクスが炎矢、フレウが風矢、ベードが影爪でサクサク倒し、飛蝗と違い倒す時間もかからずに進む。

道中にハサミムシが細めの木の根元を砕いて倒すところを偶然見かけたリュクス。やはり顎の攻撃は危険だと再認識しつつ、ハサミムシたちが切り倒した木を食べていることに気が付く。

リュクスは食事現場を襲い、倒れた木を確かめてみる。識別結果は他の木と同じで、中に肉となるような虫も見当たらない。肉食だが木も食べて生活しているのだろうと結論付けた。

26層を突破したところで2日目も終了。27層からの蜘蛛にはモイザがとても行きたがっていたうえに、装備も出来上がっているはずだと帰還を決める。


「ベードはここまでの道覚えたんだよね?」


「バウ!バウワゥ!」


「うん、半日くらいで行けちゃうのね。」


ベードは道を覚えたようで、隠密した状態でならば半日くらいで進めるようだ。迷いやすそうな森の中、コンパスを見つつも、ベードの方向感覚を頼りに進んだリュクスだったが、問題なく階段に直行できていたのだ。安心してゆだねてしまおうと、階段からリターンアルターで帰還した。

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