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この物語の最後に僕は死にます  作者: 松浦
第2章「魔族侵攻編」
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第34話「七大ギルド会議」

「なんとかなりませんか?」


 クロガネさんに聞いてみる。

 ここでダメと言われたら引き下がるしかないが、それでも一縷の望みに賭けるしかない。


「もうすぐ、七大ギルド会議がある。そこでお前が持っている『古代武具(ロスト・アイテム)』の件も話される予定だ。ほんとは俺とヤマトで行くつもりだったが、お前も来るか?」


 何も理由を聞かずに、俺のわがままに付き合ってくれる。

 大したこともしていないのに。

 少ししか会ったことないのに。

 本当にこのギルドの人たちは、優しすぎるな。


「ありがとうございます」


 深々と頭を下げる。


「ただ、俺ができることは何もない。お前がなんとかしろ」


「最初からそのつもりです」


「ならいい」


 そしてクロガネさんは横になって寝た。

 なんて自由な人だ。

 でもこの人のおかげで、可能性は繋がった。


「でも簡単じゃないよ。七大ギルドのマスターなんてお堅い人とか、変な人だらけだから」


「まあ、策はあれこれ考えておきますよ」


 そうは言ったもの、どうしたものか。


「カナタ、これ食え!」


「むがっ!」


 するとタイヨウが骨付きの肉を俺の口に差し込んできた。


「まずは飯だ!」


 タイヨウの真っすぐで満面な笑みで現実に戻される。


 そうだな。

 あれこれと悩む時間なんかもったいない、まずは腹ごしらえだ。


「ありがとな」


 タイヨウに向かってぼそっと呟く。

 へへっと笑い返してくれるタイヨウ。

 こういう時にこの明るい性格が人を助ける。

 現に俺がいま救われた。


 七大ギルド会議か。

 いや、できることが一つだけあったな。


「クロガネさん、一つ頼みたいことがあるんすけど」


 * * *


 大きな円卓のテーブルに七人の人物が座っている。

 通称、主要七大ギルド。

 数多のギルドの一番上に君臨する七つのギルドだ。

 そのギルドはかつて天使が創設したとされている歴史のあるギルドだった。


 机の上で腕を組み、険しい表情を浮かべている男性。

 天使ミカエルが創設した【王の楽園(キングダム・エデン)】ギルドマスター、ミエル・クリストファー。


 大きな胸を露にした衣装を身に纏い、不敵な笑みを浮かべている女性。

 天使ラファエルが創設した【慈しみの(プリズム・キャンサー)】ギルドマスター、ルーエ・ラブリー。


 緑の髪を先端で結い肩に乗せている、おしとやかな女性。

 天使アリエルが創設した【森の妖精(フェアリー・ウッズ)】ギルドマスター、アル・グリーン。


 ロボットのおもちゃで遊んでいる、眼鏡をかけた少女。

 天使ウリエルが創設した【機械仕掛けの工場(サイバー・ドクター)】ギルドマスター、ウール・ジョイナント。


 机に脚を乗せ、大きな態度で背もたれに腰を掛けている男性。

 天使アズライールが創設した【仮面の道化師(クラウン・ジョーカー)】ギルドマスター、ブルシット・ジョーク。


 背筋に持たれることはなく、ピシッとした姿勢で座っている男性。

 天使カマエルが創設した【命を賭して戦う(ブロッケン・ウォール)】ギルドマスター、ソルジー・フォーシン。


 死んだ魚の目をしているおっさん。

 天使ガブリエルが創設した【天使の加護(ブレッシング・エンジェル)】ギルドマスター、クロガネ。


 かくして、七大ギルドのマスター達が王都〈セルティナ〉に連なった。


「では、これより七大ギルド会議を始める」


 扉の一番奥に座っていたミエルが話を切り出す。


「まずは先日の『迷宮遺跡(ラビリンス・リメインズ)』の結果だが」


「長ったらしい説明はよしてちょうだいな。クロガネがその『古代武具(ロスト・アイテム)』持ち去った犯罪者を匿ってるんでしょ?」


 ミエルの会話を途中で止め、妖艶な雰囲気のルーエがこの会話の根幹を搔い摘む。


「なにっ! それは聞き捨てならないぞ、どうなっているんだクロガネ君!」


 熱血漢のソルジーがルーエに呼応するように話す。


「いや、匿っているつもりはない。たまたまヤマトが助けてうちに持ってきただけだ」


 クロガネが事の展開を説明し、ソルジーがムッとした表情を浮かべている。


「てかよ、その持ち去ったやつは『古代武具(ロスト・アイテム)』と契約したんだろ? だったら殺して取っちまえばいいだけじゃねえの?」


 態度のでかいブルシットが結論を急ぐ。


「殺すなんてそんな……」


 それを止めに入るアル。


「早く帰りたい……」


 話を聞いていないだろう、眼鏡の少女ウールがだるそうにおもちゃで遊んでいた。


「静粛にしろ」


 ミエルが言葉を発した瞬間に場が静まり返る。

 その男は表情を変えることはなく、ただただ扉を見つめる。


「クロガネ、今日はその少年を連れてきているという話だが?」


「ああ、そうだったな。おい、入ってこい」


 そしてクロガネの掛け声とともに、ヤマトとカナタが姿を現した。

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