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第1話 つくりあげられた不幸
「君は不幸でいなければならない」
「だって、儚く悲惨な姿こそが、君に似合う美しい姿なのだから」
君が成功しないのは 不幸のせいだよ
君が一人ぼっちなのは 不幸のせいだよ
君が誰にも愛されないのも 不幸のせいだよ
不幸って便利だよね 説明要らずだよね
超常的な力が働いて 人間の運命に干渉している
だなんてさ 馬鹿らしいのに信じちゃって
君が幸せになれないのは 不幸のせいだよ
君が喜びを感じられないのは 不幸のせいだよ
君が楽しみを見いだせないのも 不幸のせいだよ
幸せにしてなるもんか その努力は運命をも作る
肩を抱いて涙を流すできた友人 その裏で君を傷つける