妖精光に導かれて・・・
俺は、夕食を終えて休憩をしようと、精霊光が集まってくる東屋へと一人行く。
東屋のい近づく頃には、異変に気付く。
妖精光のゆったりとした優雅な飛翔がなく、ただその場に光が浮いているように止まっていたのだ。
・・・何があったんだ?
俺が東屋に入ると、待ってましたかの様に妖精光に包まれる。
「うわっ・・待ってくれ・・・申し訳ないが・・、本当に申し訳ない言い方をするが・・・鬱陶しい。」
俺の体にびっしりと、妖精の光がまとわりついていている事に、鬱陶しさを感じてしまった。
すると、すぐに離れてくれたが、妖精光が束になって、東屋を出て飛んで行く。
「ついて行けばいいのか?」
俺は、妖精光の案内で、東屋を出て・・・川を渡り・・・8つ目の棟へと向かう。
8つ目の棟の一部屋が、カーテンで閉じられているが、隙間から光が漏れているのがわかる。
妖精の光は、その部屋の中に入っていく。
・・・この部屋は、ティアーナの部屋で間違いない。
俺は、瞬間移動でティアーナの部屋の中に入る。
部屋の中にはたくさんの妖精光がいた。
先ほどの俺を案内した妖精光もそれに加わり、若干まぶしいと感じた。
「ゴホゴホッ・・ぐはっ」
と、重々しい咳が聞こえる。
俺は、咳の声のする方へ向かう。
寝室だ。
天蓋のベッドのカーテンが閉められているが、煌々と中が明るい事が伺える。
俺は、天蓋のカーテンを恐る恐る開ける。
「ゴホッ」
俺は、眠っているティアーナの顔を見る。
顔が青ざめている・・・どちらかというと病的な感じに見える。
俺は、ティアーナの額に手をおく。
多少、熱があるようだ。
「ゴホッ」
”ベチャンッ”
ティアーナが再び、咳をして痰が顔にとんだ。
やれやれ・・・やられた。
と、痰を拭きとろうと手をやる。
・・・赤い。
血だ!!
その一瞬で、俺はティアーナに魔術を送り込む。
俺の属性は『聖』
体の中の邪悪なモノには的確に払う事が出来る。
そして、気づいた。
このベッドは、毒の対応に適した造りになっている事が・・。
「誰が・・毒を持ったんだ?」
俺はベッドに上がり、ティアーナを抱きしめる。
ティアーナが俺の魔術で煌々と光り出す。
「・・・ティアーナ。」
誰が、何の目的で・・・それも毒を・・・。
魔女の生まれからリと言われているから?
ティアーナを殺す為に、毒を盛った。
・・・ありえる話だ。
俺は、いたたまれない気持ちでいっぱいになる。
ティアーナは絶対に魔女なんかではない。
どうして、こんなひた向きな子が、魔女の生まれ変わりでないとならないのだ。
聖属性の俺の力を送っても、なんともない。
ちゃんと、身体の中の毒を浄化しているのに、どうして魔女なんかにされないとならないんだ。
どうして、ティアーナを魔女にさせようとしているのだ。
悔しいと・・・そう、感じた。
ティアーナの顔色が良くなり、寝息落ち着いたのを見て安堵する。
俺は、ベッドから降り、ティアーナを抱き上げる。
そして、魔術でウェリーネの屋敷へと転送をする。
ウェリーネの屋敷の前にいる衛兵が、いきなりの訪問者に驚き、武器を構えるもすぐに、姿勢を正す。
「聖王様と気づかず、申し訳ございません。」
冷汗を滲みさせて訴える衛兵。
「構わない、いきなりの訪問だからな。」
逆に武器を構えて貰わなければ困るという事を伝えると、衛兵の肩が少し降りたのが見える。
俺は、ウェリーネの屋敷にティアーナを抱きあげたまま中に入る。
使用人が俺の訪問に驚きを見せるも、ティアーナを抱きかかえているのを見て、すぐにティアーナの部屋へ案内をしてくれる。
ティア―ナの部屋の前にサヴェリオがいた。
「やはり・・・。」
やはり・・だと?
「どういうことだ・・・お前はこうなる事がわかっていたのか?」
「なんとなく。」
サヴェリオの一言で、頭に血が上る。
「わかっていたなら、何故止めない。」
部屋の扉が開き、部屋の中に入りながら言う。
「ティアーナ様は、毒と解っていながら、人を立てるために飲んでいるのです。」
「わかっているなら、何故助けない。」
俺は、吐き捨てるように言う。
「ですから、フランネル国の王女でありながら、ウェリーネ国が後ろ盾をしているのです。」
つまり・・・フランネル国がティアーナを殺そうとしているのか?




