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宮廷占星術師の老婆

 俺は今、ウェリーネの屋敷にきた。

 「こちらに皆さまがいます。」

と、会議室のような場所に案内された。

 そこにはティアーナの他に、ブルース、エルミリアともう一人、老婆が椅子に座っていた。

 「お会いしとうございました・・・この日をどれだけ待っていたか・・・。」

と、俺を見るや老婆は涙を流した。

 「ババア、落ちつけよ。聖王も驚くだろう。」

と、アラディンがその老婆に向かって言った。

 「アラディン、言い過ぎよ。」

 ティアーナがアラディンを注意する。

 「申し訳ない。私はアンナ・マーガレットです。」

 アンナという老婆は重い腰を杖を使いながら立ち上がりお辞儀をする。

 「・・・スチュアートだ。」

 なんとなく老婆に親近感がわいた。

 腰を下ろしたままでも全然構わなかったのに、わざわざ立ってまでも礼儀を示してくれたのが、嬉しいと思ったのだろう。

 「この老婆が導き出した事をお伝えしましょう。」

と、アンナは言い、席に座る。

 アンナは、テーブルの上で手を組み。

 目を瞑りながら話し出す。

 「聖王よ。メリノ橋の事に心を痛めているのは、わかっておりますよ。」

 だが、メリノ橋の事は、時間がまだかかる事を口にした。

 ・・・・まだ、なのか。

 「じゃが・・着実に道は出来ておる。聖王様は安心して待機しておればよい。明後日には、アレックス様が橋を完成させますからのう。」

 アラディンは、橋の修復をするとは言ってない事を言う。

 だが、周りの目は、『やれ』という目でアラディンを見ていた。

 「・・・わかったよ。メリノ橋を造ればいいんだろう。」

と、言うと、皆が『明後日』という期日を伝える。

 今すぐにでも、メリノ橋を造りに行く勢いだったのを周りがくみ取ったようだ。


 「さて、聖王様。あなた様には、もう一つ解決しなくてはならない件がございます。」

 アンナが組んでいた手を広げると、部屋の端に丸めて立てかけていた地図がテーブルの上に広げられる。

 アンナもそれなりの魔術を持っているようだ。


 広げられた地図は、ゼファー聖王国の地図だった。

 中心にエルバート湖。

 湖の中央を中心として放射線状に12本の主要な街道がある。

 主要な街道は、12か月の月の名前がそのまま街道名となっていて、12月である『ディセンバー街道』が、真北の方角となっている。

 放射線状の街道を進み、聖王国を出るとそれぞれ国がある。

 1月、2月の街道が通っている国が、ウェリーネ国。

 3月、4月の街道が通っている国が、リンネル国。

 5月、6月の街道が通っている国が、サラサ国。

 7月、8月の街道が通っている国が、マーセラ国。

 9月、10月の街道が通っている国が、フランネル国。

 11月、12月の街道が通っている国が、エストラーラ国と、なっている。


 アンナが、赤い石の付いた指輪を外すと、地図の上に放り投げる。

 ”ズズズズ・・・”

と、指輪がゆっくりと動き出す。

 それを見る者が、皆息を飲んでいた。

 ジュライ街道の上を指輪が進む。

 そして一つの町の名前の上に来ると『カタンッ』と、指輪が傾き停止する。

 「パーモスの町。」

 サヴェリオが、指輪に置かれた場所の名前を言う。

 パーモスの町に何があるというのだ?

 アンナが、指輪の方に手をかざす。

 ”クルリンッ ホワ~”

 指輪がその場で回る。宝石が赤く光り、地図上の『マーセラ国へ続く』の文字を照らす。

 マーセラ国と、何が関わっていると言うのだ?

 「マーセラ国にいるノアとレオンの協力を要請するとよいでしょう。」

 ”ガタンッ”

と、椅子の倒れる音がする。

 音のする方を向くとティアーナが椅子から立ち上がり、恐怖の顔を見せていた。

 ・・・体も震えている。

 何があったんだ?

 「安心しなさい1メートル以上近づけさせないから。」

と、ブルースが真剣な顔で、ティアーナに言う。

 ティアーナは、ぎこちなく頷く。

 サヴェリオに椅子と直して貰い座りなおす。

 「申し訳ないがノアとレオンとは、どのような人物なのだ?」

 俺は、ティアーナを心配するも、どのような人物か知る必要があると聞いてみる。

 案の定、ティアーナの顔が強張ったのは言うまでもない。

 「マーセラ国の王都に、アジュガスターの紋章を掲げている服屋『ミューズ』を共同経営している。新鋭の服飾デザイナーです。」

 サヴェリオが説明をしてくれた後、アジュガナイトの称号も持っている事もアラディンが教えてくれた。

 それの何がティアーナを怖がらせているのだ?

 「聖王様方もあったと思われる現在ビュールの町にいるナターシャの弟子です。その・・・変わった性癖を持っていまして、ティアーナ様が被害に遭っていると言っておきます。」

 サヴェリオが不足の説明を入れてくれたが、それでも不足している。

 ティアーナは、どんな被害を被っているのかだ。

 「会ってみればお判りになりましょう・・。」

 エルミリアが一言を言い話しを終わらせた。

 

 「ティアーナ様。今後の事を考えますと・・・今日は、聖王様方と一緒に聖宮殿に戻られ、後宮で過ごすとよろしいでしょう。」

と、アンナの一言が決め手で、ティアーナと一緒に聖宮殿に戻る事になった。 

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