通達を受ける
スワイベルの町にビキューナの木を植えてから、2日が経った。
ティアーナは、ビキューナの木を植えてから気を失い。
寝かせていたが、すぐにブルースがティアーナを引き取り、ウェリーネの屋敷に眠ったまま連れて行ってしまった。
それからティアーナにはあっていない。
・・・もどかしい気持ちがする。
アジュガスターの件が気がかりなのはわかるが、ティアーナの事も気になっている。
キャンブリックの町が孤立したのが、ティアーナのせいと言われながらも、人々を救ったその行動が気になっているのが原因なのだろう。
もし自分なら・・・と、考えてしまう。
自分の中にある、聖なる力・・それを正しく導いている王なのだろうか?
ティアーナの方がよっぽど、清らかで美しい魔術を持っているのではないのかと、そう、思ってしまう。
そして、思うたびに・・・心が締め付けられる。
「聖王陛下。ウェリーネ国の王太子アラディンが、謁見を希望しています。」
護衛の者からの通達があった。
「スチュアート、これからの事を考えると、謁見の間よりも、ここに呼んだ方がいいだろう。」
と、カミーユが言って来た。
確かにカミーユの言う通り、アラディンはアスターナイト、今後の事を考えると、ここに呼んだ方がいいだろう。
だが、ティアーナをいきなり誘拐した者でもある。
暗い声で『そうしてくれ』と、返事をした。
カミーユは鼻で笑ってから、護衛の者に伝える。
しばらくすると、やはりティアーナを誘拐した男が入って来た。
「正式に始めまして聖王、ウェリーネ国王太子アラディン・アジュガ=ウェリーネです。」
アラディンが丁寧にあいさつをする。
・・・なんか、嫌みっぽいなと、感じたのは俺だけだろうか?
「側近のサヴェリオ・リアトリスです。」
サミュエル・リコリスと言っていた男の声の者が言う。
アラディンよりも落ち着いた感じにお辞儀をする。
”シュッ”
と、アラディンが手から紙ヒコーキを飛ばしてきた。
「この内容の物を全アジュガスターに送った。」
俺は、飛んできた紙ヒコーキを指先で取り広げる。
俺とカミーユ、それにケネスがアジュガスターとして仲間になったことを通達する内容の物だった。
「おめでとうございます。スティーブン。これから、アレックス・アホスターが面倒をおかけする事が多々あると思います。遠慮せずに片棒を担いでください。お願いします。」
遠慮します。
と、言ってあげたい。
だが、酷い事を言う従者に対して、アラディンは突っ込みを入れるだけで、王太子の心の広さを見せつけられていた。
1300年にも渡る王朝を気づき上げている王族のワザなのだろうか・・。
「そんな棒は、薪にするべきだな。」
と、笑みを浮かべながら答えた。
その笑みで、これからやっていけそうと感じた。
「それで、ティアーナは今どこにいるんだ?」
サヴェリオがウェリーネの屋敷にいる事を言った。
「聖王陛下。もし、よろしければウェリーネの屋敷に招待をします。」
”シュンッ”
アラディンが、招待状を飛ばしてきた。
俺は再び指でキャッチをする。
「その招待を受けよう。」
と、招待状を開ける前に返事をした。




