魔女の希望
特級レベルの魔術とは、魔術レベルが高く、地、水、火、風、光、聖の属性がプラスされる魔術。
一般的な属性魔術は、地、水、火、風の4つの属性で、聖属性は、聖王しか扱う事しか出来ない属性となっている。
今現在は、聖王であるスチュアート様が聖属性を扱える唯一の方となっている。
そして・・・滅多に現れる事のない属性。
それが”光属性”
創世神ゼファーの妻である光の女神ティア様が使っていたとされる魔術。
幻の属性とされている属性魔術で、約200年前に、エストラーラ国のサポナリア王朝の方に現われて以来、光の魔術士は現れていない。
通常、どの属性魔術を使っても、身体に痛みなどの症状は現れない。
だから・・・私のこの光はきっと違う。
私が、光属性の魔術士な訳はない。
魔女ソフィスを封印した際に使われた聖属性、光属性の魔術を変化させて使っているに違いない。
だから・・こんなにも、使用するたびに痛みを伴う。
本来は私を封印するための魔術だったものだもの・・・当然だわ。
でも・・・この私に施された光の魔術の全てを使てしまったら・・・・。
私は、どうなってしまうのだろう。
・・・魔女となってしまうの?
魔女になんかなりたくない。
だけど・・・世界は私の存在を魔女として見ている。
私が魔女だと、そうすることで・・世の中のあり様を諦めている人もいる。
魔女ソフィアの生まれ変わりがいるフランネル国だから、半年以上孤立してしまった町があっても仕方がない。例え餓死者がでようが・・・。
周りの町が手を貸そうとしないのは、いつそのような災難が降りかかってくるかわからないので、自分の備えでいっぱいだからです。
「エルミリア様がフランネル国へ嫁がれてから、アジュガスターの店が国から撤退したのは、魔女が転生するのを知っていたからでは?」
使用人たちの噂話が聞こえる。
11年前に、耳に入った言葉。
私・・・魔女なんだ。
ねえ、噂話が本当なら・・何故私を殺しに来ないの?
なぜ、誰も困っている人を助けないの?
・・・助け合わないの?
どうして・・・?
私は、図書室で地図を広げ、キャンブリックの町の場所を調べる。
そして、キャンブリックの町に行くのにも時間がかかると思い、ポーチにたくさんの果物を入れて・・・・フランネル宮殿を飛び立った。
そして・・・あの光景。
でも、誰も助けようとはしない。
・・・それは、私のせい?
私は、協力して助けあって欲しいと思っているのに・・・。
この気持ちは、違っているの?
・・・間違っているの?
魔女であっても・・・助けてあげたい。
ポーチから果物を手に取る。
シェニールの実
その実に涙が落ちると、みるみる成長して苗木となった。
私は・・・町を歩き・・町が見渡せる場所に苗木を植えた。
そして・・・ありったけの魔術を解き放つ。
自分が煌々と光るのが分かった。
体中、痛くて・・・痛くて・・・苦しい。
とっても・・苦しい。
でも、もっと苦しい思いをしているのは・・・魔女の転生と同じ時を生きている人々だ。
もっと、痛い思いをしているのは、私と同じ時を生きている人の悲痛の気持ちだ。
・・・私なんかじゃない。
ごめんなさい。
生まれて来てしまって・・・ごめんなさい。
だけど・・私は、周りの人たちが笑っているのを、幸せそうに笑っているのを嬉しいと感じるの。
だから・・・魔女であっても・・・守らせて。
・・・お願い。
目を開けると、お母さまがいた。
いつ宮殿に戻ったかんだろう・・。
ただ、お母さまが私が目覚めるとすぐに涙を流し抱きしめた。
「ごめんなさい、ティアーナ!」
と、お母さまが言う。
何故、謝るの?
謝るのは私の方よ・・・私が生まれてきてしまった事なのに。
でも、もし・・・私が魔女でも・・・人々の為の魔女となったら・・・。
誰よりも、人々に希望を与えることが出来る。
このチカラは人々の為のモノ。
封印に施された力を使い切っても・・・そうありたい。
でも、それが出来なかったら・・・・?
もし、そうなったら・・・私を・・・。




