創作の痛み
「では・・・始めましょう。」
私は、精霊の加護が受けやすいカーペットの中央に立つ。
私の周りには、ビキューナの実、リンター、サトウキビ、甜菜、薔薇の果実にシェニールの実が置かれた。
「♪~」
歌を歌いだすと、カーペットの文様が仄かに光る。そして、カーペットの放たれる光よりも明るく、刺繍が輝きを見せる。
すると、辺りから光の玉が集まりだす。
「おいおい、こんなにも妖精光が集まるのを見るのは始めてたぞ!」
アラディンの声が辺りをキョロキョロしながら言う。
「安心してください。私もですから・・・。」
サヴェリオもアラディンと同様に初めてのようだ。
私は・・・スチュアート様に初めてお会いした時に、大量の精霊光にお会いしています。妖精の悪戯付きで・・・。
”カーーッ”
私は、ドレスを破かれた時の事を思いだし顔を赤くする。
落ち着きなさい私・・・高度な技術も必要なのよ。
例え、妖精たちに手伝って貰おうとしても・・・・。
”ギューッ”
と、私は、胸の下付近の服を掴む。
そして・・・。
”パーーーーッ”
と、自分の体が光りを放ち出す。
「くっ!」
光を放ち出してからすぐに、心臓付近に痛みを感じる。
私は・・・その痛みに耐えながら魔術を続ける。
掛け合わせる植物を空中に浮く。
ビキューナが、縦巻きにまかれたリボン状の物に変化するそれがティアーナの周りをゆっくりと回る。
別の植物も、リボン状の物に変化する。
変化した物が、ビキューナの物に重なろうとぶつかる。
簡単に重なり、ビキューナのリボンの中に消える物。
何度もぶつかりやっとビキューナの中に消える物。
そして・・・なかなか消えない物。
「サヴェリオ、あの植物は?」
「リンターですよ。」
やはり、海の中の植物の掛け合わせは難しいわ。
だげど・・・どうしても、創らなくては。
私は胸の下の服を掴んでいる手に力が入る。
”プワ~~ッ”
と、辺りが光り出す。
すると、妖精光が重なろうとしている。周りに飛んでくる。
”クルクル”
と、重なろうとしている所に群がりだす。
そして・・・重なった。
すると、リボンが一旦すべて光り出した。
私の中に、ビキューナの木の映像が流れる。
目の前の掛け合わせた物が植物として成長した時の映像なのだが・・・。
「やはり・・・根が強よすぎる感じがするわね。」
私の一言を聞きサヴェリオは奥の部屋からキャスター付きの姿見の鏡を持ってきた。
「こちらに、写すこと出来ますか?」
私は、服を掴んでいる手を片方鏡にかざす。
すると、鏡に私の頭の中に流れてきた映像が鏡に映し出される。
「まず、この根を短くすることをにしましょう。」
私は、鏡にかざした手をリボンに向ける。
端から徐々に上へと持って行き、5分の1ほどのところで止まる。
「ここの部分を一部取り除きますね。」
手をかざして止まったところでリボンを切り3センチほど取り除き、取り除いた端と端を付ける。
再び鏡に手をかざす。
「根が短くなりましたね。」
サヴェリオのいう通りに、鏡に映った木の根が短くなる。
「小枝があり過ぎないか?」
アラディンのいう通りに小枝がたくさん出ていて葉が生い茂っていた。
「実まで栄養が行かなくなる恐れがありますね。」
リボンを切ってつなぎ合わせての作業を続け、鏡に映る木を見ていく。
「こんな所ですかね・・・。」
「うん、こんな所だな!」
2人の言葉で、私はリボンを小さく小さく凝縮させる。
種を製作しているのだ。
魔術を種に送り込むも、なかなか種にならなかった。
自分の身体が強く光り出す。
「ぐっ!?」
身体の痛みが激しくなって行く・・・。
「ティアーナ!!」
「ティアーナ様!!」
見ている2人の手に力が入る。
周りの精霊光も種になろうとしているそれに近づき、力を貸してくれている。
あと少し・・・もう少し・・・ちょっと・・もう・・すこし・・・。
”ポンッ”
と、可愛らしい音がした。
そして、手の中にクリーム色の種があった。
私はホッとして・・・・。
”ガシッ”
と、体を2人に支えられ・・・。
・・・・気を失った。




