表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/39

没収されていた・・・

 「ティアーナ・・・平気か?」

 ”ズルズル”

と、その場でしゃがみこんだ。

 「大丈夫と思っていたけど・・・そうではなかったのね。」

 アラディンが腰を下ろし心配そうに私を見る。

 「アラディンが迎えに来てくれて安心するなんて・・・重症だわ。」

 ”つん”

と、私の眉間を突いてきた。

 「何故だろう・・・イラッとする一言を言われた気がするのだが・・・。」

 そうなのね。

 まあ、よろしいのではないかしら?

 私は周りを見渡し、嫌な予感がする。

 「ここって・・・。」

 私は、ゆっくり立ち上がり、恐る恐るアラディンに聞いてみる。

 「グランドリール号の船の中だ。」

 ・・・はあ?

 「伯母さんから頂いたんだ・・と、言っても、サヴェリオがな。」

 顔が真っ青になった。

 「定期点検に出した・・・()()なのですが・・・。」

 アラディンの顔が引きつる。

 船の定期点検の時期を決める為に、ビキューナの果実の品種をコーマにしたのに・・・。

 え?

 ・・・つまり・・・その・・・だから・・・。

 「やられました―――っ!!」

 私は頭を抱え天を仰ぐ。

 「マイホームだけでなく、船まで没収されたという事なの―――!!」

 私は、アラディンの胸倉を掴んで威嚇する。

 「ティ、ティアーナ・・・落ち着いて・・・欲しいな~・・・。」

 アラディンは一歩、二歩、三歩とバックする。

 「遠慮します。私の今の思い・・・受け止めてください!!」

 筋がもれなく入った満面の笑みでアラディンに言う。


 グランドリール号は、アスターナイトの称号を与えられた際に母から頂いた商船。

 ほぼ、グランドリール号で寝泊りをしていた私にとって大事な船。

 それを・・・没収されました。

 「どこまで、没収すれば気が済むのですか!!」

 「ティアーナ様、ありがとうございます。点検が終了後、早速使用させていただきます。」

と、サヴェリオが転送魔術で目の前に現れ、すぐに察したらしく私に伝えてきた。


 サヴェリオ・リアトリス

 アラディンの側近をしている優秀な男性。

 年齢は私たちの一個年上の17歳。

 金髪でアイスブルーの瞳で、アラディンよりも顔立ちに品がある。

 アジュガナイトの称号を持っている。

 その時の名前がサミュエル・リコリスと言う。


 「グランドリール号の定期点検が、丁度ティアーナ様の後宮入りの時とかぶるとは・・・わざとですかね。」

 ワザでしょうよ。

 私はどっとため息をつく。

 サヴェリオの故郷は、今現在あまりよくないと聞いている。

 今後の事を考えると・・・商船が必要なのよね。

 ・・・・あげるしかないじゃない。 

 「大切に使って。」

 「もちろんですよ。ですが・・・。」

 サヴェリオがニッコリ微笑んだが、すぐに顔色を変える。

 「どうしたのですか?」

 家なし、船なし、金なしの私に出来る事はほとんどないですが・・。

 「今度植えるビキューナの事を考えますと・・・。」

 

 商船などの大型船には、ビタミンC不足による『壊血病』という病気を防ぐためにビキューナという木が植えられている。

 ビキューナにはコール、サイザル、ピマ、カベイ、ソモー、ベイメの6種類の品種があり、そのうち船の上でも育つ品種はコールとサイザルとピマの3種類。

 その他の品種は、船上では育たなかったり、育っても肝心な実が出来ないという問題点があったりする。。

 育ち過ぎで、船に穴を開けるという逸話の残る品種もある。

 ただ、船でも育つコール、サイザル、ピマの3種類の品種問題点がある。

 コールは、魔術の容器での栽培で一年間に4回収穫が出来る。

 だが、3年で木が腐る。

 サイザルは、魔術の容器での栽培をしても一年間に一回しか収穫できず。

 10年程で木が腐ってしまう。

 木が腐る事がなく、魔術の容器での栽培でい年間に4回収穫もきるピマの品種だが、味がガタ落ちで、一流の料理人が船にいないとどうにもならない。

 そのような欠点がある。

 「新しい品種を作りませんか?」

 そうなりますよね。

 塩害被害に適したビキューナの木。

 ビキューナの木でなくても、ビタミンCが豊富ならどんな木でもいいのですが・・・。

 「サヴェリオの事だから、ある程度の目星がたっているのではない?」

 今のサヴェリオは船が必要。

 その船で大事なビキューナの木の事を考えない訳はないわ。

 「ご先祖様に商船乗りの商人だった人の言葉とは・・・ありますよ。」

 文句を言いながらもあるようだ。

 私はニッコリ微笑み、両手を前に差し出し資料を見せてと行動で示した。

 「・・・資料を持ってきます。」

 そのように言い、サヴェルオは転移魔術の魔術陣を使い目の前から消える。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ