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胸・・・はれません。

 スチュアート様との朝食を採った後。

 解放された私は、自室へ戻り夜会に着ていくドレスを選ぶ。

 こんなに早めにドレスを選ぶのには訳がある。

 フランネルの使用人たちが糸を切ったドレスの縫い直しをするためだ。


 精霊術に、刺繍をしなが精霊の祝福を施して貰う術がある。

 精霊文様術といい、特に母の得意分野である。

 その為、幼少期から正に血の滲む思いをして叩き込まれてる。

 裁縫道具も、後宮入りの荷物に入っている。

 ウェリーネ国からのドレスは、部屋着使用な感じのドレスの為。

 縫物をするしかないのです。

 私は、水色のドレスを選び、早速縫物に取り掛かる。


 昼前になり、カミーユ様が部屋に訪れて昼食も東屋で頂くことになった。

 スチュアート様は聖宮殿を出ることを楽しみにしているようだけど、私一緒に出ないとならない事、忘れてはいませんよね。

 それでもって驚いたことが・・・。

 昼食の帰りに持たされた物があった。

 夜会のドレス一式。

 白にポイントでワインレット入ったドレス。

 しっかり、ティアラ等のアクセサリーもドレスと一緒に渡された。

 ラスターという希望と勝利の象徴とされる木の葉をモチーフにした金のティアラに、それに合わせてのネックレスにイヤリング。

 唯一ない物が靴だけだった為、オリガがすぐによさげな靴を出してきてくれた。

 朝から頑張って縫っていたのですが・・・渡されたドレスを着ないといけないようですね。


 こうして、後宮入りパーティーの最終日を迎える事になった。


 〇 〇 〇 〇 〇 〇


 私は、パーティー会場へ入ってからすぐにバルコニーに出る。

 嫌な雰囲気の中を数時間も絶え抜き、心身の疲労を真に受け止めるよりも、少しでも疲労を回避する方がいい。

 遠慮せずに会場の端の端へと行き、堂々とはじかれましょう。 

 私は、バルコニーに設置されている石のベンチに座る。

 座って、数秒後に失敗してしまったと思った。

 暇つぶしの本とかを持って来ればよかったわ。

 いっそ、糸の切られたドレスを縫う事もできたのに・・・。

 無駄な時間なのです。

 もったいない時間なのです。

 チクショーな時間なのです。

 「はあ~。」

 当然ながらどっとため息をつかせていただきます。

 瞑想でもしろですかね・・・ですが、迷走の心配の方が強そうだわ。

 再びため息をつこう息をすいこむ。

 「ここにいらしたのですね。」

 金髪碧眼の可愛らしい女性クララ様と、スタイルがグラマーな女性がこちらにきた。

 「セリーヌ王女、この方ではありませんか?」

 「遠くの方から拝見したので、黒髪としか・・・。」

 いきなり、何の話をしているのでしょうか?

 不思議そうに2人を見るめる。

 ・・・ああ、挨拶をしなくては。

 「始めまして、ティアーナ・クルクマ=フランネルです。」

 私は、ベンチから立ち上がり2人に挨拶をする。

 「ああ、すみません。セリーヌ・ランタナです。」

 慌てるようにグラマーな女性が挨拶をする。

 慌てたせいか、国の称号である『リンネル』を言い忘れてますね。

 ですが、この方が『熊姫』と言われる人なの?

 しっかりとした筋肉質な体つきだけど・・・グラマーです。 

 「ティアーナ王女、あなたどこを見ているのよ。」

 クララ様に、セリーナ様のグラマーな美しい体系を見ていた事を指摘された。

 「すみません。セリーヌ様はその・・・熊姫と噂されるお方だったので、想像と違って綺麗なお方と思いまして・・・。」

 サンディブロンドの髪にアンバーの瞳のセリーヌ様は、目を見開き驚いている。

 「私も、どれぐらいのマッチョな体系なのだと思ったわ。熊とまで言われているのだから。」

 クララ様も、私の思っていた事に賛同してくれたようだが・・。

 ギロリとクララ様はセリーヌ様の胸のあたりを見る。

 「でも、しっかり出る所は出ているのよね・・・。」

 クララ様は次に私の胸のあたりを見る。

 「そして、ティアーナ王女もセリーヌ王女以上に出ているじゃないの!」

 クララ様は私の胸に向かって指をさす。

 「その胸!!少しぐらい私によこしなさいよ!!」

 ・・・・・。

 セリーヌ様と私は一瞬止まった。

 クララ様はスレンダー体系。

 王女であるから、不敬罪にあたりそうで言いにくいのだが貧乳というか・・・うん、ストンッである。

 この場合の返答に関しては永遠の保留に限る。

 「私を探していたようですが、何かありましたか?」

 私は、話を変える。

 「ウェリーネ国とリンネル国の国境を流れるゴーズ川で、5年前起きた事件のことを聞きたいのですわ。」

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