・・・最低
遅くなりました。
「この部屋を使うといい。」
と、連れてこられたのは、先ほどいたカミーユ様の部屋よりも豪華な作りの部屋。
もしかしてこのお部屋って・・・。
私はすぐに出入り口のドアを開け廊下へと出た。
「ティアーナ、どこへ行く」
再びスチュアート様に腕を掴まれる。
「自分の部屋に戻らせていただきます。」
”グイグイ”
と、強い引きで再びお部屋に戻され、そのまま奥の部屋へ連れていかれる。
”ドサッ”
え?
スチュアート様にベッドに押し倒される。
目の前にスチュアート様の左右の色が違う瞳が見える。
「ティアーナ。」
と、私を呼ぶと顔が近づいて来た。
”ズブッ”
「うわっ!」
スチュアート様は、顔を手で覆い飛び起きるように私から離れる。
「何をするのだ!」
「スチュアート様の瞼の進行方向に、指を置いていただけです。」
目潰しの痛みが痛いほど、私を襲う気満々であることを証明したことになるのですけど・・・。
眉間にしわがよってます。
相当痛かったとみえるのですが・・・。。
「勘違いでしたら謝らなくてはなりませんが、このお部屋はスチュアート様の妃となられる方のお部屋ですよね。」
スチュアート様はあっさり『そうだ。』と、答える。
「先に・・・結果だけをお伝えしますね。」
顔を覆っていた手を離して、私を見つめるスチュアート様。
「・・・最低ですね。」
睨みを利かせて私は、結果をまずは伝える。
「サードリット界が存在するために、聖王の存在は必要不可欠ですが、必要不可欠というだけで、何をしてもいい訳ではありません。」
聖王が、聖王妃候補を娼婦のように扱っていい訳ではありません。
「つまり、聖王妃候補たちは、娼婦になるために後宮入りしたのではありません。」
娼婦のような扱いをする者が聖王だとは・・・。
それも、創世神ゼファーの生まれ変わりと言われている者。
本当に最低です。
「娼婦だとは思ってなどいない!」
おっしゃっている事と、なさった事がかみあっていませんよ。
どちらで、ひん曲がってしまいましたか?
「おっしゃっている意味を理解することが出来ません。」
先ほど私をベッドに押し倒したのは誰ですか?
スチュアート様の周りの方々は、このような事を言っても許していたという事なの?
信じられない程に最低です。
「ティアーナには快適に後宮で過ごして欲しいだけだ。」
「精霊によろしくない精霊術を8つ目の棟に施していた者に言われても説得力ありません。」
精霊に被害を及ぼす封印の陣を築いた者に、よりにもよって快適に過ごして欲しいなどと言われるとは・・・。
どんだけ茶番にお付き合いしないとなりませんか?
「封印の陣を施したのは俺ではない。」
「それをお許しになったのはどこのどなたですか?」
スチュアート様は何も言えなくなったようですね。
「それでは、聖王様・・・・ごきげんよう。」
私は、丁寧にお辞儀をして聖王妃の部屋を去る。




