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危険な香りはどちらから?

 スチュアート様が玉座から降りて来る。

 それにしても玉座の場所が高い位置にありますね。

 何段階段があるのでしょか?

 一段・・二段・・3・4・5・6・7・8・9・・10・・まだあります。

 その前にスチュアート様が私の前に来ました。

 「ティアーナ・・・・お手を」

 スチュアート様の体勢って・・・。

 ダンスの誘いのわけありませんよね。

 『お手を』って、私、犬ではありませんので、お答えすること出来ません。

 「私と踊ってください。」

 ク~ンと、そっぽを向きたいです。

 ですが、あなたは聖王様。

 ”どっかーーーんっ”

と、大きな花火の音で体がビクッとし、スチュアート様の手によろけるように自らの手を置いてしまいました。

 私のお馬鹿です!

 お馬鹿度が、夜空に輝くほどキラキラに光ってます。

 まさにあの花火の様に・・・。

 曲が流れてしまいました。

 ああ・・・スチュアート様に踊らされています。

 それでも付いて行っている私も私ですが・・・。

 フランネル国に、これ以上恥をかかせるわけにはいきませんのでって事で・・・・。

 だって、自然と体が付いて行ってしまうほど、スチュアート様のダンスはお上手なのですよ。

 「薄い緑色のドレスも良かったが、そのドレスの方が断然いい。」

 スチュアート様がそのようにいい何故が不敵な笑みをこぼしたように見えた。

 私は、スチュアート様の不敵な笑みに不思議な感覚をするものの、頬を染めた。

 「・・・あ・ありがとうございます。」

 スチュアート様の緑色の瞳と金色の瞳の美しい瞳に加え、左右の色の違う不思議な感覚が相乗効果で、吸い込まれそうな感覚になり、目線を鎖骨付近まで落としお礼を言う。

 「カミーユはいい仕事をしてくれた。」

 いい仕事って・・このドレス、特別な方に作らせたドレスなのですか?

 もしくは、特別な技法で作ったドレスとか・・・特別な布とか・・糸とか・・・。

 「母のドレスを出してくるとはな。」

 え?

 もう、一度感じたことを訴えますね。

 ・・・・え?

 「白いドレスは、私の母であるパトリシアが好んで着たドレスだ。」

 パトリシアって・・・。

 「パトリシア・ローレル=フェニックス・ゼファー様なんて・・・事はありませんよ・・ね。」

 前、聖女王である人なわけある訳ない。

 「それ以外誰がいるのだ?」

 私は、スチュアート様の顔を見上げる。

 面白がるように私と目線を合わせている。

 少し不敵さというのか・・悪戯っぽさが若干もれています。

 ・・・もれているそれを栓を塞いでくださいませんか?

 つまり、会場に入って頭を下げた方々は、パトリシア様のドレスに向かってお辞儀をしたのですね。

 恐ろしいドレスですわ。

 「私のような者に、パトリシア様のドレスを着せてよろしいのですか?」

 「アスターナイトの称号を持っている者なら問題ないだろう。」

 スチュアート様の笑みのこぼれ方に違和感があるのですが・・・。

 「私がラーナ・アスターであることは公にはできません。隠しています。ですから、公表しないでください!」

 小声でスチュアート様に言う。

 スチュアート様の不敵な笑いをしながら『わかっているよ。』と、言って頂けたのですが・・・何故でしょう・・私の額に冷汗が出てきている気がします。

 「私が、魔女の生まれ変わりと言われているのはご存じのはずです。」

 スチュアート様は、軽く『ああ』と、答えた。

 「魔女の生まれ変わりの私に、この世界の頂点であった方のドレスを着せていいのですかという意味です。もし、私が魔女として覚醒してしまったらどうするのですか?」

 スチュアート様は、ただ私に不敵な笑みを見せる。

 目で何かを訴えているのはわかるのですが・・・・。

 質問の答えを目で訴えられても、左右の色の違いが理解できるだけで、答えが分かりません。

 戸惑いを見せる私に、なお一層嬉しそうに笑いかけるスチュアート様。

 この聖王様・・・ただ者ではありませんのはわかりますが・・・。

 「スチュアート様は、新たな世界を創るお力をお持ちなのですか?」

 「さあ、どうだろう・・・創ったことはないからわからないよ。」

 そうですね・・・そうですとも・・・。

 ああ、満面の笑みで見ないで頂きたい。

 どうも、この笑顔・・・戸惑うというのか、不安になってしまいます。

 「ティアーナは魔女じゃない。そんなことはさせないよ。」

 「ですが、もし、魔女として覚醒したら・・・っ!?」

 いきなり、私は、スチュアート様に引き寄せらせる。

 驚きましたがこの際どうでもいい。

 ただの密着ましのダンスです。

 足踏んでも・・文句言わないでくださいね。

 「そんなことはさせないよ。」

  私を魔女にさせないと言ってはくれていますが・・・。

 「簡単にできるなら、魔女の生まれ変わりと言われている私は・・何なのでしょうか?」

 「ティアーナはティアーナだよ。」

 これまでにない優しい感じで言われても・・・困惑するだけです。

 それが、確実な答えではありませんから。

 「もし、ティアーナが魔女だったとしても、それを御すと示していないか、そのドレスが・・・。」

 ・・・!?

 そうだ、このドレスは前聖女王のドレス。

 それのドレスを着るという事は、聖王の手中に入るという事だわ。

 なんてことを・・・。

 「再度聞きます。もし、私が魔女として覚醒して、この世界を闇と化してしまったら・・・。」

 「新たなる世界が創れなければ、滅びるだけだね。」

 満面の笑みでお答えにならないでください!!

 簡単な事ではないのですよ。

 世の中、舐めてませんか聖王様?

 考え直しを・・・そのためには。

 「今すぐにこのドレスを返したいのですが・・・。」

 ドレスをすぐ返すことで、魔女の力の怖さを示さなくては・・・。

 「そうか・・なら今すぐ私の寝室に案内するしかないな。」

 「何故そこでスチュアート様の寝室なのですか!?」

 ”ククククッ”

と、笑うところなのですか?

 額付近から顔が青ざめていくのがわかった。

 「そうだ、明日のドレスは、カミーユでなく、俺が選ぼう。必ず届けるから、夜会に着て来るんだよ。」

 即答でお断りすることを伝えた。

 「ふーん、なら、ティアーナを繋ぎとめるために、これから私の寝室に強制的に行く事になるけどいい?」

 「ですから、何故寝室なのですか?」

 牢屋ではないの?

 そして、また嬉しそうに笑いだす。

 何なのですかこのお方は・・・。

 「ティアーナ。私の選んだドレスを着るしか道はないんだよ。」

 いや、あるはずです。

 この場合・・・あって欲しいです。

 「クククッ。楽しみだな・・・明日の夜会。」

 楽しく何かありません。

 私のナニかが危険だと感じています。

 「でも夜会だけ楽しみでも、よくないな。」

 また、危険を察知する言葉がスチュアート様から発せられました。

 「うん、朝食は私と採るように、早朝あの東屋に来なさい。」

 「行きません。」

 もう・・いい加減にしてくださいませ。

 「そうか、なら堂々と正面から、ティアーナの部屋へ私が行く事にすればいいか・・・。」

 私は、即答で来ないで欲しいといった。

 「残念。もし、正面からティア―ナの部屋へ向かったなら2,3日泊まろうと思ったのに・・。」

 お断りします。

 後宮の人々が8つ目の棟を破壊しに来てしまいますわ。

 オルガが危険にさらされますので来ないでください!

 「そのようにならない為の行動は?」

 「・・・・・早朝、東屋でお待ちしています。」

 なんて、キラキラとした微笑みなのですか?

 この聖王スチュアート様は・・・何というか・・・。

 魔女の生まれ変わりと言われている私が、言ってはいけない気がしますが・・・危険な香りがします。

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