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新たな好み?

 王子殿下は三つ編みの大人しい子が好きなんですって……。またまた風の噂が流れる。三つ編み旋風が巻き起こることになる。


 アイリスはついて行けない。

 流行りの移り変わりの早さ……さすが王都だ。


「アイリス髪型を変えよう」


「お兄様、なんで?」


「王子殿下は三つ編みフェチだそうだ」



 ブラッシングだけして学園に行く事にした。


「アイリスおはよう」


「王子殿下おはようございます」


 礼をする。


「約束覚えている?」


「は、はい」


 兄ジュードの顔を見ると笑顔は絶やさないが目が死んでいる。



「教室まで迎えに行くよ」


「いいえ! それは申し訳ないので食堂で!」


「分かったよ、お昼にね」



 ふぅっーと額の汗を拭うアイリス。


 昼になり食堂へ行くとすでにエヴァンが待っていた。



「お待たせして申し訳ございません」


「いや、今来た所だよ、行こうか?」


「はい」


 食堂を見ていると三つ編みブームのせいか三つ編みをしている生徒が多い。


「どうした?」


「三つ編みが流行っているのですね?王子殿下の言葉ひとつでこんなに流行るとは……」


「好きなんて言ってないのにねぇ」


 困った顔をするエヴァン。


「アイリスは髪型を変えたんだね」


「は、はい、」


「三つ編みも可愛かったけどこっちも可愛いよ」


「ありがとう存じます……王子殿下はどう言った方がお嫌いなんですか?」


「そこはどう言った方が好きかと聞くところだろうに……」


 くすくすと笑い出す。


 席につくと、今日も見た事のないものだった。


 サラダにスープに、長細いパンに具材が挟んである、フォークとナイフで切り分けるとトロリとチーズが溶け出した……。


「パンがパリパリして美味しいです、塩漬けのベーコンも卵も美味しい」


「西の地区の郷土料理なんだよ」


「初めて食べました!王子殿下はなんでも知っているのですね」


「視察に行きがてら調べたり体験したり、国を知るためには何でもするよ」


「へー、尊敬しますっ」


 領地から帰る途中で、王子殿下は色んなものを見させてくれた。これからは領地に帰るだけじゃなくて寄り道をして色んなものを見ようと思った。



「お待ちかねのデザートだよ」


 ショコラのケーキにクリームが添えてある。


 フォークでケーキを切り分けるとトロリとラズベリーのジャムが出てきた。ケーキからは湯気が上がる。


「あったかい?」


 うんと頷くエヴァン。

 ラズベリーソースをつけてパクッと一口。


「おいしぃぃーっ」


 ぱくぱくと食べ進めあっという間になくなり、お茶を口にする。


「口がサッパリとした!」


「ショコラと柑橘系って合うよね?」


「はいっ知りませんでした。王子殿下、今日はありがとうございました」


「ふふっ、次は、」


「申し訳ありませんっ、お友達とランチの約束があって」


「ふーん。マスカットのケーキとゼリーが食べられないなんて可哀想に……この時期しか食べられないのに……東方の国から来た苗で育てて、まだ希少なのに……残念だ」


「えっ!」



「あぁ、何だっけ? 私の嫌いなタイプだったね、髪がウェーブでポニーテールのよく食べる子が苦手かな」


「そうですか」


「最後に食べさせてあげるよ、週末王宮においで、苦手なタイプはウェーブヘアでポニーテールだよ?」





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