第13話 大混乱するお妃と隠密
半年ぐらい更新できてなくてすいませんでした!
なんかこの隣国の姫だけどうしても書く気が起きなくて、たぶんスランプかなと。
回復しましたのでこれから頑張っていきます!
「でもね、遠目に見たことはありますのよ! 確かに緑いっぱいで素敵な場所なんだろうと思いましたわ!」
「そうなのね。嬉しいわ」
あああ、自分でも行ってみたいな。見てみたいよその景色。というか遠目で国を眺めるってどういうこと……? 山にでも登ったのかしら……
「あ、玉蘭、今から少し書庫に行きたいんだけどついてきてもらえるかしら?」
「もちろん!」
そう言って私たちは歩き出した。と言っても私は廊下を歩いていて玉蘭は屋根の上なんだけど。ほんとに身軽なんだから。しばらく歩いていると、王宮の書庫が見えてくる。んん? なんかどこかで見たことあるような緑がかった黒髪が見えるぞ……?
「……ま、まあごきげんよう董青鋭様」
「……本日もお変わりなきようで」
なんでよりにもよってこいつに会わないといけないのよ。今玉蘭が一緒にいるのよ!? 変なところを見られたくないんですけど。という文句はおいておいて、こいつを押しのけて書庫に入る。
「あ、これ読みたかったのよ〜」
早速目当てのものを見つけられて上機嫌な私の上から、声が降ってきた。
「お妃様、先程の方は董青鋭様とおっしゃるのですか?」
「え、あ、えっと、そうよ」
せっかく何もなしに切り抜けられたと思ったのに結局関心を持たれてるじゃないの…… どうしてくれんのよ……
「董青鋭様といえば、名門董家の次男ですわよね?」
「そうね、葉家と同じ大臣の家だし」
というか玉蘭は陛下の隠密なのに彼を見た事がないのかしら? まあ玉蘭は陛下を護るというより各地を飛び回るっていう方があってる気がするわ。
「ご存知かもしれませんが、昔から我が葉家と董家は敵対しておりますの。お父様達が大臣という要職について、その溝はますます深まるばかりです」
「え……? そうだったの?」
大臣と大臣が敵対ってだいぶやばくない? 別に表立ってやってる訳じゃないだろうし、どっちが陛下に仕事を任されるかみたいなところだと思うけど。名門って言っても大変なのね。
「お父様からは青鋭様は、生真面目で自分に厳しく、他人にも厳しくていつも不機嫌そうにしていると言われておりましたから、なんだかその……もう少し怖いお顔をなさっているのだと思っていたのですが……」
えー? 私はその通りだと思うけどな? いつも一言多いし。
「えっと……その……思っていたより何倍も素敵な殿方で驚いたといいますか……」
「はえっ」
危ない、びっくりしすぎて変な声か出たわ。ねえ待ってよ玉蘭、あなたの感性を否定するつもりは全くないのだけれど、ちょっとそれは私には理解できないわよ!? 会ったことないけど多分あなたのお兄様の方が素敵な殿方よ!?
「ああああの、そ、なんかそういう意味じゃありませんよ!? ただその、そう、私の想像が酷すぎたのですわ! お父様があんまり酷くおっしゃるから……」
私の狼狽えぶりからなにか察したのだろう。慌てて彼女は説明し始める。でも本人は気づいてないんだろうけど、それ弁解すれば弁解するほど怪しくなるやつだから! 私はあなたのこと信じてるけど、他の人が聞いたら誤解されるわよ。
「け、け、決して青鋭様になにか変な感情を抱いたとかそういう訳ではっ……!」
「落ち着いて玉蘭、わかってる、わかってるわ。変に狼狽えちゃってごめんなさいね」
書庫に誰もいなくてよかった…… よしよし、と彼女をなだめ、落ち着くのを待つ。取り乱してる玉蘭も可愛かったけどね。
「そろそろ戻りましょうか、誰か来るかもしれないもの」
「そうですわね」
私は荷物を持って書庫を出た。廊下の少し先で、女官たちが待ちわびていることだろう。ごめんね。
「遅くなんてごめんなさい。帰りましょうか」
「いえいえ、そんな。私どものことなどお気になさらず、ゆっくりなさって下さい」
いやいやいや、誰かに待たれてるって思ったらゆっくりなんてできないでしょ。ほしいものはあったんだし。あれ以上長居したところでじゃない。普通の姫ならたぶん女官のことなど気にしないし声もかけないのだろうが、私はどうしても気にしてしまう。たぶんどうにかしたほうがいい。
「我が妃よ」
「はい? 何でしょう陛下」
真剣に花を生ける練習をしていた時に、いきなり後ろから声をかけられる。集中力が途切れるからやめて頂きたいが、相手は冷酷王なので仕方がない。
「王宮内で宴をやってほしいという声が強くなってきたのだがどう思う? 私はいらぬと思うのだがどうにも皆息抜きがしたいと。本当は腹の探り合いがしたいだけだというのに、面倒な連中だ」
なんで私に政治的な相談するの?? 私分からないよ?
「えっと……どんな宴ですか?」
とりあえず内容を聞かないことには想像できないもんね。私宴とか見たことないし。
「それが、さらに面倒なことに春の宴を再びやってほしいというのだ。なぜ私が一番嫌いな春の宴をやらねばならぬ……」
はあ、とため息をついてこめかみを押える陛下に、私は思った。この人意外と面白いな、と。
「嫌いなんですか? 春の宴だなんて素敵な響きだと思いますけれど」
「素敵だと?」
少し声のトーンが下がる。もしかして怒らせた……?
「あ、あの、ごめんなさっ……」
「春の宴の主役はお前だぞ」
……はい? 私? 陛下じゃなくて? なんで?
「そう聞けば素敵だなどと言えなくなるだろう」
「なんで私が主役なんですか!?」
素敵とか口が裂けても言えないじゃない! 絶対嫌なんですけど!
「それは――」
彼が口を開きかけたところで、勢いよく部屋の扉が開かれた。
「陛下の主観で話されては困りますからね。お妃様には私からお話ししましょう」
「樟石……」
現れたのは陛下の側近、毎日もっぱら陛下のせいで気苦労の絶えない樟石さんだった。
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