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異世界無頼 魔人ガンゾウ  作者: 一狼
第4章 アゼッタの酒 テキーラッ!
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◆◆①アンブロシウスとブラウリオ◆◆

「顔に何か着いてるかい?」


ブラウリオさんが聞くのですが▪▪▪

まあ、皆さん訝るのも分かります▪▪▪


私達を掌に載せて飛んだブラウリオさんが、人形になると、大柄な人間とほぼ変わらない大きさになったのですから。


そして、それは青龍王アレクサンテリさんも同じです。

凄い顰めっ面してますが。


「まあまあ、なんだか大変な目にあわせちゃったみたいでごめんなさいね。」


皆が付いたテーブルを回りながら甲斐甲斐しくお茶と菓子を整えているのは、青龍王の妻、クリスタとブラウリオの母、つまり青龍族の女王のフラウさんなのですが▪▪▪


「私達が竜のなった時の大きさは、『力』の大きさによるの。

お兄ちゃんはね!今までの青龍族の中で最大の力を持ってるの!パパよりも強いのよ!

あ、でも私が小さいのはまだ成竜になってないからなの。決して弱いからじゃないのよ。」


クリスタさんが自己弁護混じりに説明してくれました。


「ごめんなさいね、ブラウリオが大きくてびっくりしたでしょ?

気持ちの優しい子なんだけど、『力』が強すぎて竜姿になると顔が怖くなっちゃうのよ。」


と言ってフラウさんがケラケラ笑っています▪▪▪

いや、流石に私もマズイと思いましたからねぇ。


「フラウ、茶など要らぬと▪▪▪」


「パパ?いきなり事情も確認せずクリスタのお友達を死にそうな目にあわせたことは『ダメな事』ですよ!クリスタを叱るのとそれは別の事です!

むしろここまでクリスタの面倒を見てくださった事にお礼を言わなくちゃいけませんわ。」


「そうだね、ママの言う通りだよ。」


「いや、それは▪▪▪」


「それはもこれはも有りません!」


おお、青龍王も奥さまには頭が上がらないみたいですね。


「そうよ!何も聞かないでヒドイよ!」


とクリスタさんが言いましたが▪▪▪


「クリスタ?貴女の『ダメな事』については後でゆっくり聞きますからね?」


ああ、フラウさん、笑っていますが目が怖いですね▪▪▪


「は、はい▪▪▪」


「さあさあ、とにかくお茶を召し上がれ?青龍の里で取れるお茶は美味しいのよ。」


ホントに美味しいお茶ですね。

気の遠くなるほどの年月を生きていますが、このお茶はかなりのものです。


「ところで君たち?ただクリスタを送り届けてくれた訳ではなさそうだけど?」


ブラウリオさんがおっしゃいました。


「そうなのか?」


とは現青龍王です。


フラウさんがふるふると首を振りながらアレクサンテリさんを睨みました。


「パパは少し黙っていてくれるかな?」


「うっ▪▪▪」


ウラジミールさんもフロリネさんも、ディートヘルムさんも私に視線を▪▪▪


仕方有りません▪▪▪


「私達はちょっとしたトラブルから避難するために空間を移動してきたのですが、偶然こちらの海域に出てしまったのです。

おそらくなのですが、力を使い果たして眠り込んでいたクリスタさんの、無自覚の意思が干渉してこちらへ出たのではないかと思われます。」


「空間を移動?何を言っている!」


「パパ?黙っててって言ったよね?」


「うっ▪▪▪」


「でも僕にもそれはイメージ出来ないな?もう少し具体的に説明してもらえるかい?」


そうですね。

実際に見てもらうのが早いのでしょうね。


「では室内ですので小さな窓でご覧に入れましょう。」


そう言って空間に指先で四角い窓を書きました。


すると、そこには、今自分達が居るはずの青龍の島を、海上から見る事になる空間の「穴」が出現しました。


「まあ!」


「!」


「へぇ▪▪▪」


と、フラウさん、アレクサンテリさん、ブラウリオさんがそれぞれに声を上げました。


「なるほどね。ところでクリスタが力を使い果たして眠り込んでいたっていうのはどう言うことなのかな?」


今度は私を含めて皆がフロリネさんを見ました。


「な、なによ?」


「その事情を全て知るのはフロリネさんだけですから。」


ウラジミールさんもディートヘルムさんもウンウンと頷いています。


「そ、それは、あれよ▪▪▪」


言いよどむから更に注目を集めちゃいましたね。


「だ、だからね!ガンゾウが悪いのよ!私達を置き去りにするから鳥顔の魔物に襲われて、わ、私だって弓矢で叩き落としたのよ!

でも多すぎてクリスタが頑張ってくれたけど、多すぎたから▪▪▪」


ああ、顔が真っ赤ですよ?

まあ、竜姿のブラウリオさん達を見てますからね。

でもそんなに怖い方々じゃあないと思いますが▪▪▪


「つまり襲ってきた魔物相手に力を使いすぎて寝ちゃったわけだね。」


ブラウリオさん、察しが良いですね。


「で?そのガンゾウって方は何方?」


と言いつつブラウリオさんが皆を見回します。


皆さんふるふると首を振りました。


「では貴方ですか?」


と言って私を見るのですが▪▪▪


「いえ、私はアンブロシウスと申します。

ルピトピアの魔鏡とでも申せばお分かりいただけますでしょうか?」


と言って鏡に変化しました。


「まあまあ、ルピトピアの魔鏡って世界を滅ぼす力を集める『ダメな事』をする鏡さんの事ですね?」


おっと、だいぶ悪い奴になっているようですね。


「確かに先程御見せした空間を操る力で、異界から魔物等を呼び寄せることは可能ですが、それは私を所有する方の考え一つです。」


んん、何となく墓穴を掘っているような気がしないでもないのですが▪▪▪


「それがその『ガンゾウ』さんだと?」


「はい▪▪▪」


「そうですか▪▪▪」


ああ、ガンゾウさん、申し訳ありません。

何か誤解させてしまったかもしれません▪▪▪

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