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異世界無頼 魔人ガンゾウ  作者: 一狼
第3章 寿司ネタの宝庫
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◆◆⑲ガンゾウと『魔滅の槍』?◆◆

こっちも取り込み中だ。


「張孔堂先生は亡くなられたのか▪▪▪」


「ああ、事の真相は分からねぇ。あまり詳しく残されてねぇんだ。由井正雪ってぇ男は、天下の大悪人と伝えられているが、それだって一部始終伝えられてる訳じゃぁねえんだよ。

まあ、時の権力者が、自分に不利な証拠を残すわけもねえだろうしな。」


右に左に魔滅の剣を振り回して、雑魚どもを蹴散らしながら話をする。


我ながら器用なこったな。


「頭州ならばそうするだろうな。

あの妖怪爺は煮ても焼いても食えない▪▪▪」


「その時代、天草でも騒動があっただろう?」


「ああ、張孔堂先生も現場に行ったはずだ。」


「ツルンでたのか?」


「まさか▪▪▪あれは狂信者が扇動した一揆に過ぎない。張孔堂先生もがっかりされていた。」


まあ、歴史ってえのは都合の良い伝えられ方するからな。

特に強権的な政権ならば尚のこった。


「どうだ?その槍を退くなら元日本人同士の好みだ、見逃してやるが?」


あ、言い方が拙かったな▪▪▪


「見逃してやるだと?」


あ、やっぱりな▪▪▪


「こんな為りになっちまったが、一宿一飯の恩義がある!テメェこそ頭下げるならポスカネル様に取り成してやっても良いぞ?」


「そうかい、まあ『槍の忠弥』に御指南頂くのも悪かぁねぇ、『宝蔵院流』だったか?

いっちょ頼むぜ!」


そう言って魔滅の剣を腰溜めに構えた。


おお、ヤル気出したな?またスーパー○○○人みたいにオーラ出しやがった。


◇◇◇


忠弥の後ろには、ああ、1、2、3、4、5体の槍を持った魚顔が並んでいるな。


俺と忠弥が話している間、雑魚が騒いでもピクリともしなかったのは忠弥の教育の賜物か?


「なんだ?後ろの5匹は弟子か?」


忠弥の野郎、鮫顔でニヤリと笑いやがった。


「ああそうだ。お前達、道場破りだ、相手してやりな。」


とか雰囲気出して言ったらピクリともしなかった5匹が、槍を扱きながら前に出てきた。


んん、さっきまでの取って付けたようなバランスの悪い奴等と違って、槍を扱うにはマトモなバランスの身体だな。


ってえことで、俺も半身で魔滅の剣を構えた。


左腰に柄を構え、右足前。


正眼から左に腰溜めにしたわけだ。


んん、奴等皆『十文字槍』だな?


御指南頂くなら、やっぱ槍だよなぁ。


おい、魔滅?

お前形変えられねえか?

はっ、悪りぃ、漫画じゃねえからな▪▪▪


って!出来るのかい!


そう、魔滅の剣▪▪▪


闘気を帯びながら『にゅぅっ!』と延びて『槍』しかもご丁寧に『十文字槍』に形を変えやがった!


◇◇◇


「だから!何度も言わせないでよ!このわからんちん!」


「それが親に!国王に向かって言う言葉かっ!」


「国王って言うなら父娘の事持ち出さないでよっ!」


「それはそれ!これはこれだっ!」


「なにそれ!公私混同甚だしいのパパじゃないの!」


「娘を心配して何が悪い!」


「だったら国王だなんて言わないでよ!このわからんちん!」


「それが国王に向かって言う言葉かっ!」


ああ、堂々巡りですね▪▪▪


ただの堂々巡りなら良いのですが、青龍族を治める青龍王と、その血を継ぐ娘の全力バトルですからねぇ▪▪▪


その冷気にあてられてウラジミールさん▪▪▪


鼻水が凍って鼻先からツララが延びてますよ▪▪▪


まあ、ウラジミールさんは何とかなっても、ディートヘルムさんとフロリネさんはこの冷気じゃぁ持ちませんねぇ▪▪▪


仕方ありません。


「お二方?」


「(騒音)(罵詈雑言)!」


まあ仕方ないのですが▪▪▪


「お、ふ、た、か、た?」


「もう怒った!キャオッ!」


あ、クリスタさん竜姿になっちゃいました。


「ア、ア、アンブロシウスさ▪▪▪ん▪▪▪」


ウラジミールさん?

凍ってますねぇ▪▪▪


「さ、さす、がに▪▪▪」


「そうですね。さすがにマズイですね。とりあえず結界を張りますから。」


まあ、気休めかもしれませんが▪▪▪


と、青龍王まで竜姿になりました▪▪▪


ああ、他の青龍達▪▪▪逃げ出しましたね▪▪▪

青龍が逃げるほどマズのでしょえね▪▪▪


ガンゾウさん?聞こえますか?

かなり逼迫してきましたが▪▪▪


ああ、そちらもお取り込み中▪▪▪

と言うより、楽しんでるでしょ?


◇◇◇


はんっ!


久し振りに愉しいぜ!


忠弥の弟子ども、なかなかヤル!


まあ、俺も自己流でよくやってるがな。

そこは『格の違い』ってところか?


とは言っても、身体中切りつけられて血が吹き出しながらの武踏になっちまってるがな。


このレベルの武芸者を五人一度に相手をするってぇのはなかなかしんどいな。


だがな、俺、死なねぇし、切りつけられても切られたそばから再生していくし、なんて事を続けていくとな、ドンドン槍術スキルが上昇していくわけだ。


「貴様!その回復力は狡いぞ!」


ああ、忠弥のヤローシビレ切らしたか?


「俺ゃぁ殆ど魔王レベルの総合スキルが有るらしいからな。

しかも、死なねぇ身体だからな。

どでかい魔物に食われて消化されても

そこから復活しちまうんだよ、まあ、痛えのと苦しいのは記憶に刷り込まれるのだがな。」


などと、五人を相手にしながらしゃべるあたりは、槍術スキルが著しく向上した証拠だろうな。


もう奴等の槍は掠りもしない。


「まだヤルならそろそろ殺すぞ?

お前らの槍は覚えちまったからな。」


と言ったら。


「皆!下がれ!」


と忠弥師範の号令一下、見事に足並み揃えて弟子どもが下がった。


だが、皆肩で息してるな。


俺は全然平気だぞ?


「いよいよ師匠の出番かい?」


「ああ、あんたの腕前はさっき確認済みだ▪▪▪剣じゃなく槍なら勝機が有りそうだと思ったんだがな

、いや見事だよ▪▪▪」


「それでも義理立てするんだろ?」


「当たり前だ、いや、そんなことより純粋にあんたと勝負してみたくなった。まあ、死なねぇ魔王さんに勝てるとは思えねぇがな▪▪▪」


「そうだな、じゃあな、俺のここ▪▪▪」


そう言って心臓を指し示した。


「ここを突けたらお前の勝ちだ。何でも言うことを聞いてやるよ。」


鮫顔、ニヤリとしたな。


「良いのかい?そんなこと言っちまって?」


「ああ、良いぜ、そのくらいじゃねぇと死ぬ気でやらねぇだろ?殺せる確率0%から1%位にはなったんじゃねえか?」


「なんだ?%?

いや、良い、ヤろうぜ!」


ああ、ヤろうぜ!


瞬間、二本の槍が激しく火花を散らした。

「あ!お師匠さま!またお酒飲んでますね!」


「あら良いじゃない?もう法律は変えたんだから?」


「変えたからって毎日飲んだくれてて良い訳じゃ無いですよ!

新しいルピトピア共和国の主席執行官なんですから!」


「『仮』ね、『仮』。」


「もう!私ばっかり仕事が増えて!」


「私の分ならもう決裁してるわよ?ほら、その箱の中。エルゼが遅いのよ。」


「▪▪▪」


「じゃあ帰るわね!さあ、ポム▪パイヤソン食べにいこう!」


今日もエルゼさんは一人残業するのでした。

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