◆◆⑫ガンゾウと【海限定】◆◆
「ほお?海中の城だから海水が充満していて当たり前と思ってたがなぁ。結界で空気を固定してるのか?」
崩れた壁から中に入ったが、意外なことに城の中は『海の中』では、なかった。
つまり『空気』が有ったのだな。
なので、気持ち良く『ブッフゥワァァッ!』と盛大に葉巻の煙を吐いた。
「よくぞお出でくださいました。」
目の前に男が立っていた。
そして深々と腰を折り頭を下げた。
んー▪▪▪ウラジミールみてぇなのだな。
そう、その男、背格好と燕尾服を着込んだ様がウラジミールそっくりだった。
もっとも、ウラジミールと違って顔は美形だがな。
「ああ、城を壊されても歓迎してくれるのか?」
多少の嫌みを込める。
「はい、この程度のお力が無ければ、ここまで来ることは出来なかったでしょう。我が主は力有るものを歓迎致します。」
「はんっ、そりゃ結構なことだな。で?そのお前さんの主とやらは俺をどう歓迎してくれるんだ?
上じゃぁ派手に連れどもを歓迎してくれてるみてぇじゃねぇか?」
「はい、お連れ様がゴミでは興醒めですので、そちらにも相応の用意をさせて頂きました。」
ふん、何もかも見透かしたような口振りが気に入らねぇなぁ▪▪▪
「あ?聞こえたか?」
「いいえ、聞かぬことも執事の勤めなれば▪▪▪」
つまり聞こえたっつぅことだな。
まあ良いさ。
「さて、最初の歓迎はアンタで良いのか?」
「まさか?私などあなた様の足下にも及びません。ご案内いたします。こちらへどうぞ。」
「そうか。まあ、楽しませてくれるなら付き合うが、めんどくせぇなら勝手に殺るからな?」
「畏まりました。決して退屈はさせませんと申し上げておきましょう。申し遅れました、私、海魔王ポスカネル様の執事、リヴと申します。」
そう言って頭を下げたが▪▪▪
「ああ、余計なことだがな、海魔王ってなぁ?海限定なのか?」
あ、無視したな?
無言で案内始めやがった。
ああ、海限定なんつうのは小物のやるこったな。
興醒めだ。
この先出てくる奴も程度がしれるっつうもんだな。
「うるさい!貴様!大人しくしてりゃあ付け上がりやがって!面倒だ!俺が相手してやる!」
おお、聞こえてたか?
本性を現したな。
いいぞ、楽しませてくれよ?
ちょっとぉ!
クリスタァ!
何時まで寝てるのよぉ!
もう!
なんか私キャラ変わってない?
セクシー担当?
ギャグ担当?
何でも良いけどみんな自由すぎるでしょ!




