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異世界無頼 魔人ガンゾウ  作者: 一狼
第2章 トゥナとリソ
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◆◆⑭宴◆◆

港で一騒ぎ有った。


何がって?


そりゃ5mもの巨大マグロなんて見たことある奴など居なかった訳だからな。


クリスタの氷は、呪を掛けると熔けない。

そこは、港に到着するまでに良い具合に熔けるようにコントロールさせた。


面倒くさそうにしてたが、いろんなマグロ料理を教えて「美味いぞ!美味いぞ!」とやったら嬉々として氷をコントロールし始めた。


曳航する途中で血の匂いに鮫みたいなのが群がってきたが、これもクリスタに空中からブリザードブレスを絞った氷の槍で退治させた。


港に到着して、大騒ぎのなか、俺は一人でマグロを引き上げ、手早く解体していった。


傷まないように、クリスタに氷の箱を作らせ、サクにしたマグロを並べていった。


「おい?この港の責任者は居るか?私はディートヘルム、このマグロを皆で食したいのだが、場所の提供と料理人の手配を頼みたい。」


「おう!宴だぞ!こじんまりとした場所じゃダメだ!町の奴ら全員食いに来い!酒も葉巻も用意しろ!これは代金だ!」


そう言って俺は空間呪から取り出した革袋をディートヘルムに放った。


巨漢のディートヘルムでも受け取った際、その重さで取り落としそうになった。


更に中を見て驚いた。


「ガンゾウ殿!これでは多すぎる!」


「良いんだ!それで集められるだけの酒と葉巻!あとこの地の名物を食わせろ!残すな!全部使え!」


気前が良いことだ。


何せ死ねない俺の唯一の楽しみだ。

金で買えるならいくらでも出してやる。

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