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食事と登校、種族の違いを思う

ジャンルを恋愛からファンタジーに変更しました。

内容は前とスタンスは変わらず貞操観念逆転ハイファンタジー学園ラブコメバトルヤンデレヒロインハーレムもので行きたいと思います

 気づけば朝を迎えていた。昨夜のリリーは一種の興奮状態で僕のことを襲わんとしていたが、抱きしめたまま抑え込んで僕は寝てしまった。


 色々リリーが騒いでいたが僕が寝たことを知ると僕の胸の中で丸まるように寝ていった。


 竜人族というのはエルフ族と同じかそれよりも長い寿命をしているらしく、リリーはそういってしまえば今はまだ幼竜と呼ばれる部類なのだとか。


 彼女がいくら僕より何百年も多く生きていたとしても彼女の種族的には精神的にもまだ幼く、昨夜の興奮してた時や昨日の朝にアーリと喧嘩していた時のような己をコントロールできない状態に陥りやすいらしい。


 リリーは僕が作った朝食を一緒に食べている最中、ぽつりと言った。


「もし怒ってないのなら、アーリの事をフォローしてやってほしい。昨日の事を強く後悔しているようで今にも自害しそうな雰囲気すら出していたからの」


 リリーは僕の隣に座ったまま、グレイトピッグと呼ばれる豚の骨付き肉を豪快に食べはじめた。あまりの食べる勢いや肉が小さいリリーの体の中に吸い込まれる不思議なマジックを目撃した僕は目の前で起こっていることが信じられないと思いつつも、リリーの言うことに軽くうなずいた。


「そうだね、アーリの事だし本当に死んじゃいそうだからね」


「んぐ、んっ。そうじゃな、わらわも、アーリも。言い訳に聞こえるかもしれんがまだ幼い所が多くある。年齢的にも精神的にもの。アハトが上手くわらわ達をコントロールしてくれてる間はきっと大丈夫じゃが――」



「大丈夫、リリー達と上手く付き合っていくって話をしたでしょ。アーリとも早く仲良くしてまた元の生活(殺される心配のない生活)に戻りたいし」


「……うむ、アハトはとても優しいの」


 僕は骨付き肉消失マジックを見せてもらったお礼にリリーの頭を撫でてやる。ゴロゴロと喉を鳴らして喜ぶリリーを見れば昨日の妖艶さは嘘のようだとすら思ってしまう。



 魔法学園、大陸屈指の魔法学園であるここ、アムドゥスキア魔法学園は制服と言うものがない。他の魔法学園には制服があるが、その違いとは他の魔法学園に通っているのは若い男女が殆ど。


 アムドゥスキア魔法学園に通うのはエルフや竜人族、妖精族や獣人族、魔族や天族、その他諸々の知能があり他種族との交流が可能な者たちがメインで集まるのがアムドゥスキア魔法学園なのだ。


 魔法学園に行く際中、僕とリリーを追い抜いて行った僕と同じクラスの男子生徒であるアルト、ソプラノ、テノール、パスもまた人族ではない。


 僕を見て嬉しそうに手を振るアルトなんかは長い耳をピクピクと揺らしている。エルフの特徴でもあるその耳はどこか愛嬌がある。ソプラノも小さく手を振っているが、小さいという特徴以外はあまり人と変わらない。


 だが背中に小さい羽根が生えているのが妖精族であるソプラノの特徴だ。あまり種族の事について知っていることは多くないが機会があれば今度色々聞いてみてもいいだろう。



 このアムドゥスキア魔法学園はとにかく広い。大きな施設が複数並んでいる。教室棟で4棟、実習棟で3棟。その他諸々を含めれば10棟を超える施設がある。僕とリリーが行くのは1,2年生がメインで使う教室棟。



 歩いていれば視線をそこかしこに感じるが、それらの視線にはもう慣れているので殆ど気にもならない。それ以上に整った容姿の女性たちの視線を集めることの承認欲求のようなものが満たされるのだ。これはこれで気持ちがいい。


「アハト……」


 僕の名前を呼ぶ声、それに釣られて振り返るとまるでエルフのお姫様のようにも見えるアーリの姿が見えた。

 彼女がそこそこに高貴な出だというのは知っていたが改めて見てみると本当にお姫様と言ってもいい。この世界のお姫様は武闘派と言うのが多いんだけど。


「アーリ、おはよう!」


 元気に話かけてみれば嬉しそうに口元を緩ませてコクリと頷いた。

 彼女の幸せそうな表情を見るのはとても良いことだけど、隣にいるリリーが不機嫌そうにしている。

 どうにかしてやれって言ったのはリリーじゃないのかと思いつつも駆け寄ってくるアーリに視線を向けた。


 この世界の一般的な容姿である金髪に碧眼のアーリは顔面偏差値がとてつもなく高いこの世界でもトップクラスに整っていると断言できるほど。


 白く煌びやかな服装(女性の服に関して知識がないが恐らく庶民が持っている服よりは高価)を纏っているが、彼女にとても似合っている。


 と言うよりアーリほど綺麗であれば何を着ても似合ってしまうというのが答えなのだが。


「昨日はごめん! 私、アハトに酷いことを……」

 その場で頭を90度近く曲げて謝ってくるアーリの肩を掴んですぐに上げさせる。この世界では何てことのない女性の謝る世界ではあるが元の世界で女性をこんな場所で謝らせてしまったなんてことは恥ずかしいことだと思ってしまう。


 顔を上げさせられたアーリの目からは涙がじわりと浮かんでいる。僕が許さないとでも適当に言えば泣きながらどこかに行ってしまいそうだ。


 この世界にはまだ慣れないと冷や汗をかきつつもアーリを慰めながら教室を目指す。最大規模の魔法学園だけあって男子生徒の数もとても多く感じる。


 その分女子生徒も多いが、皆が皆僕らの方を見てぎょっとした表情を浮かべるのが恥ずかしくてしょうがない。こんなことで注目されたいわけではないんだ。


 彼女の10分近くに及ぶ長い謝罪を適当に受け流した僕は完全に不機嫌になったリリーと泣きながら謝り続けているアーリの腰を抱き寄せ教室に入る。


 この世界では男性が女性を侍らせることを逆ハーレムなんて呼ぶらしい。

 僕はもう昨日のことを殆ど気にしていなかった。それよりは昨日休んでしまい授業を受けられなかったことを後悔しているのだ。


 そういう意味では少し怒っていると言ってもいいかもしれない。

 半泣きのアーリと頬を少し緩めたリリーを交互に見て少しきつめの口調で言う。


「昨日のことをチャラにする代わりに今度1回、僕の言うどんなお願いでも聞いて」


「……それでいいの?」


「わらわは構わんぞ!」


 どちらもキョトンとした表情になって首をかしげる。僕もそれに釣られて首をかしげる。何かおかしなこと言ってしまったかと思って自分の言ったことを反芻してみる。


 ……別に変なことを言っているわけでもない。けれども彼女たちにとっては気にもしないことのようで2人とも快く誓ってくれた。


『どんな無茶なお願いでも絶対に叶える』と言うそういうもの。

 僕は言質を取れたことに笑みを浮かべた。


 そして丁度その時、教室の扉がガラガラと開いた。




「アハト君、おはようございます!」


「あ、アハトだ!」


 僕の目の前、教室の中には勇者と魔王が現れた。

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