能力確認
あらすじにもある通り空想をそのままなので色々おかしな点が出てきます。無視して(無理)。
文才がlimN→0なので読みにくいです。
ある日突然、海外で起こった特殊能力者同士のバトル。
その様子は世界中で生中継され、能力者という存在が世に知れ渡ることになった。
政府は能力によるものか科学によるものか知らないが、血液検査だけで能力者を断定する方法を作り出した。
能力者という存在が知られた以上、具体的な対策を出さないといけなくなったからだが、この技術自体はかなり前からあったらしい。
というのも、俺、「橘 修也」の通うこの学校、
『陣の内国立学校』
は、実は生徒全員が能力者だったのだ。
元々はいきなり覚醒した者が問題を起こさないよう、一箇所にまとめておき、覚醒したものに対しては特別な指導を行う為だったらしい。
小、中、高一貫校で20人程度のクラスが5クラスと少し珍しい形態だ。
俺は今小学部の5年5組。
何でも一般的な覚醒は10歳以降らしく、3年未満の生徒は今は移されている。
そんな説明を、国から派遣されたという人から聴き終わったところだ。
能力者であることが分かっても、それがどんな能力なのかは分からない。
だから覚醒者が増えだす10歳以降の俺らはこの学校に今隔離されている。
ここでの生活で、能力の調査を兼ねながら、変な気を起こさないよう見張られている状態だ。
先の事件があまりにも『異常』だったせいで余計に警戒されている。
そいつらが特殊だという事ははっきりしているのだが、その中には高校生ぐらいの男もいて余計に民間の納得が得られないらしい。
『どうせ能力への対策と銘打って、本当は利用価値を見出そうとしているんだろ、奴らはさ』
そう機嫌悪そうに言うのは俺の幼馴染の「須藤 さつき」
元々並外れた知能を持ちながら、能力にはわずか5歳で覚醒という、恐らくこの教室の中で一番特殊側に近い人間だ。
背は低めでショートヘアの、見た目は普通の小学生だ。
そんな奴とずっと一緒にいるせいか、俺も覚醒したのは小学2年、8歳の頃だった。
教室では
「マジかよ!俺にあんな能力あるのかよ!!!」
「えー、でも何も使えたりしないよ〜?」
などと騒ぎあっている者と、俯いたり様子をうかがったりする者に分かれていた。
『おい、少しいいか?』
サツキが声を上げる
『さっきの話にもあったように、俺達は能力研究へ協力してポイントを稼がないと家へも帰れねえ。だからこのクラス1つでまとめて管理したいんだがどうだ?』
普段は普通のかわいい女の子なのだが、中身はコレだ。
世間体の為だので外では普通だが、みんなはもう慣れている。
「おぅ、サツキが言うんならそうした方がいいんだろ」
「オレリーダーやりたい!」
「バーカ、あんたよりサッちゃんのが頭良いんだから無理に決まってるでしょ」
俺達は今軟禁状態。
国の許可が出なければ家へも帰れない。
もっとも、能力者に対する偏見も今は一番大きな時期だから普通に帰ろうとも思わないが。
今はまだ一応人権が保証されているが、どう普通の人と差が出るかなんて分からない。
ポイント制は、外と完全に隔離された俺達の為、というより能力研究への協力を集める為に出されたシステムだ。
事件が起こったのは昨日。
俺達は一昨日からこの学校から出ていないが、こういう事態も想定されていたのか、裏ではとっくに分かっていたのか、この学校には暮らす環境が地下にバッチリ備わっていた。
家に帰れずホームシックになりかける女子もいたが、ホテルのような内装により一気に旅行気分になった。
『さっき配られたこのスマホ、これでグループを作って、みんなでポイントを分け合う形にしようと思う』
ポイントの基準は能力研究への参考度。
文面だけでもポイントは一応貰えるが、実際に動画や写真で送った方が圧倒的にポイントが高い。
それに加え、監視カメラに映った分からも貰えるらしい。
このスマホは情報の受信はできるが発信はできない。
代わりに校内専用のLINEと掲示板の複合版のようなアプリが用意されている。
ポイントもこのアプリ経由で、グループを作ると、能力の情報に対し全員に分割される代わりに、ある程度のボーナスが付く。
グループの最大人数は5人。
それ以上はポイントで増やすことができる。
『とりあえず4チームに分けて管理して、後々1つにまとめようと思う。
だからまずは、今、能力に覚醒している奴をハッキリさせておきたいがいいか?』
「はいはーい、サンセー」
「いいんじゃない?」
「じゃあ俺グループリーダーになr
「アンタは信用できませぇーん!」
こんな性格しててもクラスの中心人物。
人気も高く反対する者は居なかった。
『まずは俺だな。覚醒は5年前。5歳の時だ』
今まで他の人には隠し続けてきたことをあっさりとバラす
「まじかよ!そんなはえーの!?」
「すっげぇ!」
「さすがサッちゃん」
合いの手もいつも通りだ
『俺の能力はテレキネシス。ま、物を動かす力だ。俺は今まで鍛え続けて、今は大体30キロぐらいまでは浮かせられる。ただ5メートルぐらいまでしか操れないのが欠点だな』
力量も欠点も全てバラす。
今までは俺にしか言ってこなかった事をこうもあっさりと言われると少し複雑な気持ちだ。
だが、信頼は金を払ってでも買うもの。
それはサツキがよく言っていることだ。
「30キロ⁉︎そんな重いもんまで持てんの⁉︎」
『ああ、まあな』
そう言いながら近くの机を3つほど軽く浮かせて見せる。
「おおー!ホントに浮いてる!」
「すごーい!」
「ねーねー!私も浮かせてみせて!」
『わりぃな、人とか生き物には直接はかけらんねえんだ。服にはイケるけど伸びちまうからな』
さらっと重要なことを言うな、お前は。
『さて次...シューヤの能力も分かってるけどここじゃちょっとできねえな、後にして他は...』
「何だよシューヤ、お前そんなすげぇ能力なのか⁉︎」
「てゆーか何だよ、お前も覚醒してんのかよ!」
「そういえばサッちゃんの見ても驚いてなかったよね」
「ま、まあな。昔から知ってたし」
正直プレッシャーがすごい。
オマケにあまり人には見せたくないんだけどなぁ。
『んー、んじゃマリア、いいか?』
「ええ。」
本名マリアナ 樹里。
1ヶ月前に転校してきたばかりで、あだ名がマリア。
濃いめのブロンドの髪に碧眼だが、一応日本人とのハーフらしい。
『星の魔術師だっけ?どういうのなんだ?』
ついこの間まで海外にいたマリアは、そんな感じの呼ばれ方でテレビや新聞にもたまに出ていた。
「簡単に言えば未来を視る力。
ちょっと先の運命を読んだり、運命を少しいじることができる感じかな。
まあ占いみたいなもので、大きな変化をもたらす程エネルギーを使うからあまり使えないの」
「すげー!」
「お前そればっかりじゃん」
「占い師ってみんなそういう能力者なの?」
「いいえ、大抵は能力なんて持ってないし未来なんて見れない人。
でも占いなんてのはカウンセラーみたいなものだから偽者というわけでは無いわね」
へぇー。参考になるなぁ。
『ありがとうな、次はえーと、朝井、いいか?』
「ん、うん」
「すげーなサッちゃん、みんなの能力知ってんの?」
『いや、反応を見て分かっていそうな奴に目星を付けただけだ。分かってなくてもここにいるのが全員能力者であることには変わらないだろうしな』
一昨日からの反応を見てれば俺も数人は予想付いている。
だが普段から寡黙な朝井は読めなかったんだけどなぁ。
朝井 光。無口で真面目でスポーツ万能。
サツキもかなり運動神経が良い方だがそれを軽く上回る。
オマケに容姿端麗で細身の長身。小学生とは思えない。
長めのポニーテールだが、背が高いせいかあまり長く見えない。
何度かスカウトを受けているところを目撃されているが、全部断っているらしい。
夜野 光というのもクラスにいて、丁度朝と夜なので「朝ちゃん」と「夜くん」があだ名になっている。
「私のは筋力強化。大体10倍くらいまで上げられるけど、ものすごいエネルギー使うから3分くらいしかもたない」
そう言って、教室の端にある使われていないイスを持ち上げると、その脚を軽く曲げてみせる。
「うわあ、なんかやわらかそうに見えちゃう」
「かっけぇーー!」
後は
「なんていうか、目だけ移動できる感じ?」
そう言うのは近衛 幸樹、あだ名はコー。
メガネに長髪。
「10mぐらいで目線だけ動かせるんだよ、実際に通れるルートだけで」
「よくわかんねえんだけど、コー」
「例えばさ、後ろを向いたままでも見えてるのは前とか。説明しづらいけどさ」
『透視みたいのじゃないんだな』
「あたしはバンソーコーと包帯が出せるよ」
そう言って、手の上に出た光から包帯を出す。
「あたしがつけてあげないとすぐボロボロになっちゃうんだ。あと1日経ってもボロボロになって取れちゃう」
「あー、だからたまちゃんいつもバンソーコー持ってたんだ」
多摩川 美花
朝井が清楚な雰囲気なのに対しこっちはアイドルのような感じ。
かわいいうえに、ケガすると必ず絆創膏を貼ってくれるので男子からの人気はクラスどころか学年を超えて高い。
「実は僕、人間じゃないんだよね」
明日島 行人(あだ名はユッキー)は、手を少しグロい触手に変化させてみせる。
「何なのかって聞かれても答えられないんだけどね」
そう言ってはにかむ。
「あたしはアンドロイドだよ」
季夏 真純(あだ名はまーちゃん)も便乗するように言いだす。
「ほら、指を反対に曲げたりできるよ」
関節があらぬ方向へ曲がる。見るだけでなんか痛いぞ。
「人間っぽくがコンセプトだからあんまり人間離れしたことができるわけじゃないんだけどね」
まあ指曲げられるからって何だよな。
『あとは...風間、いいか?』
「う、うん。みんな、笑わないでよ?」
風間 奈波人(だいたい風間呼び)もあまり能力を見せたくないらしいが、クラスの中心の男子側であるため、協力的だ。
「変身能力なんだけどね...その...」
耳まで赤くして言いづらそうにしている。
「うぅ...ふんっ!」
気合いを入れたのかと思うと、風間の体は光に包まれ、どこかで見たような感じで次々と装飾らしきものが追加されていく。
光が消えると、そこには美少女、というかニチアサの少女アニメの主人公の姿になった風間がいた。
「か、かわいい...」
「う、うん」
「キュリティアだ...」
みんな呆然とする。
「あ、あのね、よく分からないんだけど、これにしか変身できないの...」
「声まで完全にキュリハートだよ...」
「声までかわいい...」
みんなに見つめられ限界だったらしく、すぐ元の姿に戻ると机に突っ伏す。
「あぁぁあぁああ...」
相当恥ずかしかったらしい。
『とりあえず分かってるのはこれだけか?』
みんな目を見合わせる。どうやら他には居ないらしい。
ということはサツキは分かってる奴を全員当てたのか?すげーな
『そんじゃあ...
ピロンッ♪
サツキが口を開いたタイミングで通知音が鳴る。
見てみると、さっきの能力の見せ合いでポイントが全員80ポイントずつ貰っていた。
「その場にいればポイント貰えるのか、いいな」
「1ポイント100円ってことは8千円⁉︎やったー!」
「マジかよ、すぐ金持ちなれるんじゃね⁉︎」
確かに大盤振る舞いな気もするが、それだけ能力を重要視しているんだろうな。
その後、ポイントの振り分け用のチーム分けがされた。
ワイワイしながら、完全に席替えとかのノリである。
『1週間は慣れるためとかで授業ないんだろ?しばらく荒れると思うぜ』
「チームをそれぞれ他のグループで構成すれば、今みたいなポイントが勝手に振り分けられるんじゃないか?」
そうして出来たのがこのチーム。
番号は登録しているグループだ
【サツキチーム】
1.須藤 さつき(テレキネシス)
2.加賀 麻樹
3.季夏 真純
4.夜野 光
5.最上 洋介
【シューヤチーム】
1.橘 修也
2.近衛 幸樹(視点)
3.多摩川 美花(応急手当)
4.谷藤 葉月
5.園村 優希
【朝井チーム】
1.朝井 光(筋力強化)
2.平井 篤哉
3.竹中 健
4.葛城 奈々
5.小野寺 夏樹
【マリアチーム】
1.マリアナ 樹里(運命)
2.風間 奈波人(変身)
3.明日島 行人(触手)
4.大崎 栞菜
5.方舞 小町
荒れることに備えて、各チームに1人は戦えそうな人が入れられた。
『じゃ、とりあえず校庭に移動するか』
「なんでー?」
『シューヤの能力確認するんだろ?』
やんなきゃダメですかそうですか。
都合よく忘れてくれてたりはしないよなあ。
『んじゃ、全員行くぞ』
そう言ってドア開けた瞬間
「やあやあやあ、5組の衆」
そこに立っていたのは隣のクラスのメガネの男子。
話した事ないから名前が分からないな。
「お、唐川じゃん」
ケンがそう呼ぶ。
「さっき聞いたぜぇ、お前らもうポイント持ってるらしいな。
実は俺も貰ったんだけどまだ少なくてさあ」
『それがどうした。貸さねぇぞ?』
サツキが素っ気なく返す。
「それでさっきルール見てて気づいたんだけどさあ、ポイントって受け渡しが出来るんだろ?」
『何が言いたい?』
間髪入れず返すサツキ
「それって要は、お前ら全員から奪い取れるって事だよなぁ!!」
そう叫び手を突き出す唐川。
その手にはいつの間にか剣が握られていた。
と言っても包丁くらいの長さだった。
『で、それがどうした?』
サツキは全く気にするそぶりも見せず返す。
と、同時に剣は唐川の手から離れ、天井に張り付く。
「えっ?はっ?...え?」
戸惑う唐川。
『だから、どうしたって聞いてんだよ』
剣の先が唐川を向く。
だが唐川が一歩引くと剣が光って消え、唐川の手元に再び現れる。
「次は離さねえぞ!」
そう叫び剣を突き立て突っ込んでくる。
いや、突っ込もうとした。
しかし剣はびくともしない。
『ん〜?なんだよく見たら刃先なんて無いくらい丸いじゃねえか。こんなんじゃただの棒と変わらねえな』
そう言って手の向きを変える。
ポキッ
それに応じるように剣が折れる。
「お、俺の剣がっ!」
『なんだこれ、おもちゃの剣の方がまだ丈夫じゃないか?』
唐川は完全に戦意が喪失したようで逃げようとする。
が、襟元を掴まれ進めない。
そう、サツキの能力に完全に捕まっている。
『おぉっと、人のポイント狙っておいてただで帰れるわけないよなあ?』
お前はチンピラか。
ガララッ
隣の教室のドアがひとりでに開く。
『ま、今回はこれだけにしといてやるよ』
そう言うと、唐川は教室の中へと放り投げられた。
「いでっ」
言い切る前にドアが閉まった。
「サツキすげー!」
「サッちゃん流石!」
暫くして校庭。
俺は今みんなに注目されている。
『離れてやれよー』
そう言うせいで余計に期待が高まるじゃねーか!
「んじゃ、やるけど...笑うなよ?」
俺は空に向かって、空を中指で《弾いた》
ドォォッゴオオォォォッッ!!
強い風の音が鳴りながら、風が上へいったかと思うと、すぐ右に向きを変えて、50mくらい先の地面に突っ込んだ。
ボゴォォオン!!!
土煙を上げて轟音が響く。
『ま、そういうわけでシューヤの能力は《ものすごく強いデコピン》だ』
...超恥ずかしい。
そう、俺の能力はデコピンだ。
別に中指で弾くだけだからデコピンと言っていいのか分からないが、他の呼び方が分からない。
その上コントロールが全く効かず、すぐ曲がってしまう。
そんなんだから俺は自分の能力が好きじゃなかった。
だが
「す、すげぇええええ!!!」
「なんだあの威力!!」
「何⁉︎爆発⁉︎」
「サッちゃんより凄いんじゃない⁉︎」
以外と盛り上がっていた。
「え?いやでもデコピンだよ?」
思わず自分で言ってしまう。
「でもすげーよ!あんなん当たったらひとたまりも無いだろ!」
「何でそんな強いんだよ!教えてくれよ!」
そうか、男子は威力が大好物か。
「い、いや、最初から...? 強いだけで全くコントロール出来ないから使えないんだけどね?」
『そう、だからお前はこれから威力の調節とコントロールをひたすら練習しておけ』
「はっ⁉︎何で⁉︎無理だろ⁉︎⁉︎」
『何言ってんだ、お前能力覚醒自体は早くても殆ど使ってこなかったろ。今はもう隠す必要無いんだから遠慮なく練習しろ』
言ってることは正しいような気がするが、ニヤケ顔で言われるとすごい腹立つんだけど。
『俺のテレキネシスだって最初はティッシュ1枚すら浮かなかった。ただ揺れるだけだ。だが6年間鍛えてきて今なら30kgはイケるし、さっきみたいに小学生くらいなら投げ飛ばせる。他の能力がどうやって鍛えられるかは分からないが鍛えれば強くなる可能性は十分あるんだよ』
クラスのサツキに対する信頼は絶大だ。
これはもう、やるしかないのかな...
今日の元ネタのコーナー
主人公2人は森のホモォのユーダイとナツキのイメージです。見た目だけです。
朝井は見た目は醤油を借りに(以下略 の浅井のイメージです。これも見た目だけです。
マリアは魔法陣グルグルのジュジュのイメージです。思いっきり影響出てます。