ドラゴンと1時間
焦げ落ちていくドラゴン。自慢げに笑みを浮かべるアスタロト。
「これが私の本気よ!」
この女はかり知れぬ。
でもそんなことはいってられない。
信じられないほどドラゴンはいる。
なんか呪いでもかかってるんじゃないかな?
「はやくしないと牢獄が崩れる!」
「そんなことわかってるわよ!!」
「剣は使えるか?」
彼女は不適に笑う。
「初めてなのだよ☆」
なんにも可愛くないな。
「今ばかにしたでしょ?ひいたでしょ?!」
察しはいいな。
「話はまた後!片付けてしまいましょ!」
「それさっき言ったよね…?」
彼女は優しく笑う。
どこか懐かしさを感じる。心強い。
「ならいざ参るぅ!」
二人で外に飛び出す。
天気は晴れ時々火の玉模様。
でも彼女とならなんとかなる気がする。
「よいしょーっ!」
彼女の豪快な刃がドラゴン達の首を跳ねていく。
「我はミツヒデ!いざ!尋常に!」
あぁ久しぶりだな。この感覚はたまらん。
「おらぁっ!」
空を飛ぶような感じーー
「ミツヒデ死なないでよ!」
「死なれたら困るの?」
「当たり前よ!」
なんでこんなこと言ってくるだ?
「だって!!」
「あなたは!!!」
「私と旅をするの!!!」
「物好きだな。」
面白いやつだな。こんなこといってくれるやついたんだ。
今日初めて会ったばかりなのに。
「おりゃゃゃゃ!」
勇敢に戦う二人は次々ドラゴンを倒していく。
「ヤバイワァ。ニゲタホウガヨクナイ?」
「ウン。ネエチャンハヨカエロウヨ」
なんだこの声。
陸に着々をきめておかしな声を聞く二人。
「姉ちゃん?逃げるですって?」
「今しゃべったよな?」
ドラゴンってしゃべることできたん?
不思議すぎる。
「しゃべれるの??飛んでるやつらって。」
「心当たりまじないわ。」
一斉に逃げていくドラゴン達。
「ふんっ!腰抜けたちね!」
戦うほどじゃないって顔をしてるんだぞ。この女。
「食らいなさい。私の傑作最強魔法を!!」
「は?」
ーーー天照神々よ!私に高貴なる光を!!ーーー
「ま、眩しいっっ」
すごい魔力を感じる。やばそうなんだが。
「プチっっ天照!!」
ん???は?なにそれ。
一瞬にしてドラゴン達を包んでいく。
光がすべてを包みこみ、爆裂が鳴り響く。
彼女は勇ましく、腕を立ててガッツポーズを決めている。
「山も消し飛ぶのよ!」
ほんとに山までも潰してしまった。
「どうしてこうなるの????」
「こっちの方が楽なのよね。」
「あほか!」
「なんでよ!!そんなこと言わないでよ!」
泣きそうなんだが…。
「貴様ら!何者だ!!!」
あー。これってあれだろ?ー
勇者様を褒めるやつだよねーー?
「貴様らがこれを全部やったのか?」
「あなたは?」
「これから貴様を連行する!」
「すごいでしょっ!私の本気っ!」
話が噛み合ってない…。
外に出て一時間?経ったぐらいでまたも牢獄へ。
次は一人じゃない。
彼女もいるのだ。




