過去
レオンは倒れた
ティガンの攻撃で折れた骨が内臓に刺さっていた
出血多量
それに加え今までの戦いで体中がボロボロだった
生死の境をさまようレオン
彼の心には今までの過去がよみがえる
ロザリア…
ロザリア・ルーマ・ヴェルギリア
レオンの妻、父母の姿から彼は家庭に憧れを持つことができなかった
家庭もをつきはなかったヴェルギリア貴族から縁談が多数あったが
世継ぎはいらぬテーセウスに回せとすべて断った
戦争中敵に回った国があった、女の王が統治する国だった
女王は自分と結婚すれば国をやるといった
レオンは結婚した、戦争が終わった後、婚前契約を駆使してロザリアはレオンを振り回し続けた、ロザリアはヴェルギリアのもう一人の暴君だった
ロザリアは自由奔放な女性でとても快活だったヘレネとは似ても似つかない
「陛下」
テーセウスが走ってくる
「何ようだ、テーセウス」
「わが母アリーナが、ブレシエント帝国に人質に取られました、救助のためご助力願います。」
テーセウスの母アリーナは敵対国に人質に取られた様子、救助のため、テーセウスはレオンの知略に頼った
「断る」
敵対国が戦力を分散させる狙いがあるとレオンは読んだ、誘いに乗るわけにはいかない。
「やりたきゃ一人でやれ、大事な母親なんだろ?」
母親が大事なら自分一人で特攻するぐらいの気概は見せろと挑発する
「貴様には心がないのか!?」
「王に心のなど不要だ、王は国そのもだぞ、国心があってたまるか。」
ロザリア、よく見ておけ
隣に控えていた妻にレオンは言う
「つかまっているのが仮におまえでも俺は助けにいかん」
「OK~♪」
ロザリアは飄々と答えた。
テーセウスは救助に失敗し、アリーナは自害した。
兄弟の確執はここに極まった