ロツという小さな村2
地面に砲弾が撃ち込まれ、田園風景が白い煙に覆われた。カナダ軍の煙幕弾(Mk2 WP)だ。
「横に回り込んでくるぞ、気をつけろ。912号車と913号車は側面を警戒しろ」
「912号車、了解。後退用意、あとへ!」
猛獣パンターがうなりをあげ後退し丘の裏手に下がる。912号車と913号車は側面を警戒するため丘を盾に北へと進んだ。右手には丘、左手には生垣。
丘を盾に進んだところで、4両のカナダ軍のシャーマン戦車と遭遇する。
「敵戦車だ!停止用意、とまれ!」
シャーマン戦車と遭遇し、912号車と913号車は停車した。私はシャーマン戦車に照準をあわせる。シャーマン戦車も私たちに気づいたが、私の方が早かった。撃鉄レバーを引くと砲弾がシャーマン戦車に放たれ、命中。弾薬に引火し爆発。爆発の勢いで砲塔が吹き飛んだ。1両撃破。ついで私は次の目標に照準をあわせる。この正面戦闘ではパンターが圧倒的に優位だった。
戦闘が終わると、そこ炎上する3両のシャーマン戦車が残されていた。私と913号車の砲手とで2両ずつ撃破した。残る1両は煙幕を焚いて後退した。
「911号車より小隊各車へ。丘にて砲兵隊の歓迎を受けた。後退する」
丘の上で村へと迫る敵戦車隊をけん制していた小隊長車と914号車が後退した。これで敵戦車隊は村へと入り放題となる。だが、村の中には擲弾兵と第12SS装甲連隊の第4中隊が待ち構えている。村に入られたところで戦闘が終わるわけではない。
「我々はこのまま村の側面を守る。912号車は現在地で待機せよ」
私たちは村の西側の防御を続けた。
「前方敵戦車!」
しばらくして912号車の正面にまたも敵戦車があらわれた。あらわれた戦車は8両。
「目標、先頭のシャーマン戦車!狙い撃て」
私は素早く照準する。撃鉄レバーを引き1両撃破。
「ハーゲン、次だ!」
ヘッドセット越しにベッカーSS軍曹の声を聴きながら私は照準を次の目標に合わせる。。
「ファイア!」
今度はシャーマン戦車に命中する。この間に913号車が1両撃破したが多勢に無勢だった。
913号車が命中弾を受けた。白リン榴弾(煙幕弾であるMk2 WPのこと。Mk2 WPに使われる白リンには焼夷効果があり、しばしば対人目的や対戦車目的に使用された。その効果は多くの戦史家が言及している通りである)を受けたのだろう、913号車は瞬く間に炎上し、火に包まれた。
「敵強力、支援求む」
「911号車、了解。急行する」
ベッカーSS軍曹が小隊長に支援を要請するも手遅れだった。轟音とともに戦車がボカージュを踏みつぶし、側面にあらわれたのだ。
「9時方向、敵戦車!」
ベッカーSS軍曹が叫ぶが遅かった。9時方向にあらわれた敵戦車は912号車に砲口を向け、砲弾を放った。放たれた砲弾は912号車の車体側面の後部のエンジンブロックに命中した。幸いにも乗員には被害がなかったがエンジンがダメになった。
「総員、脱出!」




