姉妹の別れ
あけましておめでとうございます
今回短めです
瓜二つな顔の二人の少女と
一人の男は急いでその部屋に入る
その部屋は研究所の一角にあり
さきほどまで少女たちがいた部屋からは
廊下でつながっていて
その廊下を一直線に進めば行けるようになっている。
「・・・博士、連れてきました。」
「ごくろうさま。
・・・それじゃあ、その子は僕が責任を持って届けるよ。」
「はい、よろしくお願いします。・・・桜香行きなさい。」
「・・・はい。」
霧橋にうながされ、桜香は博士のほうに歩いていく
そして、桜音のほうに向き直る
「それじゃあ、また会おうね。」
桜香は微笑みながら桜音に手を差し出す
「うん、会えたら。・・・元気でね。」
桜音は目に涙をためながら、桜香の手を握り握手をする
「うん、元気で。」
二人は握りあっていた手を放し抱き合う
二人はそのあと長い間抱き合い別れを惜しんでいる
二人がこんなにも別れを惜しんでいるのは
もう二度と会えないと分かっているからだ
こういう場合、別れた姉妹が再び会うことはほとんどないし
あったとしても、姉妹が再会するときは
お互いが殺しあうときだと相場が決まっているからだ
「・・・二人ともそろそろ。」
霧橋もそれを分かっていて
二人をできるだけ長く一緒にいさせてやろうと考え
黙って見ていたがそろそろ時間が
なくなってきていたのでやむなく声をかけた
「「うん、分かってる」」
二人同時にそう言い別れを告げる
「「それじゃあ、バイバイ」」
二人は今まで抱き合っていた体を同時に放し
桜香は桜音から、桜音は桜香から離れる
「・・・博士、桜香のことをよろしくお願いします」
「ああ、まかせてくれ。」
「桜音行くよ・・・」
「はい。」
そう言って二人はその部屋から出て行った
5月29日修正しました