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『優歩は今、何歳なの? 俺は二十歳の学生だよ~』
ある日、零からそう送られてきたメールを見て優歩は思わず正直に答えてしまった。
『へぇ、じゃあそろそろテストの季節なんじゃない? 俺もテストあるんだけどさ、高校生程キツキツのスケジュールじゃないからまだ何とかなるんだけど、高校生は勉強大変だろーなぁ……』
優歩はこの話題を続けたくはなかった。学校に行っていないことがどう思われるか判らない。夜の街をぶらぶらしているだけでどう思われるかなど判らないが、学校に行っていないとなると、あぁ、と失望される気がした。
だが、変えられる話題はない。
『うん……大変だけど、何とかしたい』
嘘ではない。だが優歩が何とかしたいのは勉強ではなく、今の自分の状況だ。
それを見抜いてか、零が少し深刻そうな返事を寄越した。
『何か悩んでるの? 俺にできることならアドバイスするよ』
アドバイスなど望んでいる訳ではない。言うだけなら誰にでもできる。他人事だから何だって言える。優歩も、そう考えていたから。
『ありがとう! でも大丈夫!』
文章の最後に笑っている顔文字やマークをつけると本当に本人も笑っているかのように感じる。でも、判らない筈だ。本当はどんな表情をしているかなど。それは同時に、優歩も零の表情は判らないことになるが。
『ふーん。優歩が大丈夫だって言うなら何も言わないけど……』
それはどうもすんなりとは優歩の答えを受け入れていない旨を伝える返信だった。だがそれでも良いと優歩は思う。相手の領域に入り込みすぎてはいけない。過度な干渉も許されない。
電子機器だからといって、優しさを忘れてはいけないのだから。
今の時代の人は優しくない。ううん、人は、優しくなんてなれないんだ。
それが今の時代で絶望を見、行き場所を見失った優歩が見つけた答えだった。人に期待をしない。けれど何所かでまだ、願っている。
願わくば、零は優しくありますように……。




