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「あっ! また落ちた!」
「あははー。無駄にしちゃったねー」
「何かコツあるの? 長持ちする理由は?」
「えー、分かんない」
「……うあ! まただ!」
ぱちぱちとオレンジ色の火花が散る。二人で睨み合うようにしゃがみ込み、コンビニで買ってきた線香花火をしていた。
「そうだなぁ……待つことかなぁ……」
「待つ?」
「そう。じーっと花火を見てるの。綺麗でしょ? この美しさが最後には消えて儚い気持ちになる……まるで人の一生みたいに」
零は無言で花火を見つめている。優歩は続けた。
「人間て、どんなに綺麗に見えても最後には死んじゃう。儚い生命はいつか散ってしまうもの。どんなに生きていたいと思っても死は平等に訪れるから」
尚も零は無言だ。優歩の理由を守っているのか、耳を傾けているのか、優歩の言葉を待っているのか、優歩には判らない。
「……だからね、零。あたし、明日から頑張ってみようと思う。一度きりの人生を最高のものにできるように」
「応援してる。優歩はできることを精一杯すれば良い。いつでも連絡してよ。いつでも話し相手になるから」
「……うん。また、歌聴かせてね」
優歩の線香花火が終わりを告げた。
Fin.




