14/58
正しいがいつも正解であるわけではない
人の道徳に勇ましく いつだって正しいことが正解であると信じていた
どんなにその場の空気にあっていても 間違っていることは間違っていると断罪してきた
いったいどこに間違うべきであったのかすらわからなくなるまで
己の正義に目を向けず 第3者の正義を正しいと戦ってきたわが身に何が残っているのだろう
いつこのときに訪れた平穏に耳を傾け 正解であると正しい事だと弾じ続けた
そのことに意味も意義のなかったのだけれど それでも主張をしてきた
道よ まごう事なかれ
己の正しき道こそが 進むべき道である
誰かの意見がわが身にしみて何かを語るなら
そこにある結論に耳を傾けてただ己を知ろうとせよ
己の理解に苦しみながら 他人の理解を得んとする
まったく卑猥で矮小で
それでも今ここに存在することをもって
わが誇りとする
なんとも小さい身のうちなり